『サピエンス全史』に行動心理士がチャンレンジしてみた。【虚構】で全てがツクラレタ。『人類はどこからやってきたのか?』Part❶
世間一般の人が苦手とする、サイエンスの時間がやってきました!なぜこんなにもドツボに刺さる作品なのに、読まれることが避けられてきたのか!?それこそまさに、『虚構』によって形作られた現代において、中ば強制的に、
【人類はこうだよ】
と教えられて、それが当たりまえの”社会の常識”というフィクションであることに気づかないまま、これまでの人生を過ごしているからだろう。しかし、この『サピエンス全史』を読むと、むしろ、読んだ人だからこそ、わかる、世の中の仕組みは、これで説明がつくのも事実である。
まず持って宇宙誕生からこの本はスタートする。
135億年前 物質とエネルギー 物理的現象・化学的現象の始まり
45億年前 地球形成
38億年前 有機体(生物)誕生 生物学的現象の始まり
600万年前 ヒトとチンパンジーの最後の共通の祖先
250万年前 アフリカでホモ(ヒト)属 最初の石器
200万年前 人類がアフリカからユーラシア大陸へ 異なる人類種
50万年前 ヨーロッパと中東でネアンデルタール人
30万年前 火が使われる
20万年前 東アフリカでホモ・サピエンス進化
7万年前 認知革命 虚構の言語 歴史的現象 ホモ・サピエンス拡大
4万5千年前 ホモ・サピエンスがオーストラリア大陸へ
3万年前 ネアンデルタール人 絶滅
1万6千年前 ホモ・サピエンスがアメリカ大陸へ
1万3千年前 ホモ・フローレシエンシス 絶滅
1万2千年前 農業革命 植物栽培 動物家畜化 永続的定住
5000年前 最初の王国 書記体系 貨幣 多神教
4250年前 最初の帝国
2500年前 硬貨の発明 ペルシア帝国 インド仏教
2000年前 中国漢帝国 ローマ帝国 キリスト教
1400年前 イスラム教
500年前 科学革命 無知の認識 航海時代 資本主義
200年前 産業革命 動植物の大規模絶滅
今日 惑星の境界を超越 核兵器 知的設計
未来 生命の基本原理? 超人?
直近の歴史だけでも頭痛くなるが実に気の遠くなるような年月をかけていることだけははっきりしている。
この本で注目しているのは
7万年前 認知革命 虚構の言語 歴史的現象 ホモ・サピエンス拡大
1万2千年前 農業革命 植物栽培 動物家畜化 永続的定住
500年前 科学革命 無知の認識 航海時代 資本主義
の、3つの革命だ。私たちが認識している歴史は、農業革命からだろう。
しかし、上をみる限りでは、250万年前には人類的な動物が誕生している。
ここで、前提を置いておこう。我々現生人類は、ホモ(ヒト)属のサピエンス(賢い)という生物である、『ホモ・サピエンス』のはずだ、きっと。
この『属』という物があつまると、『科』となる。
ネコ科(ライオン・チーター・イエネコ)
イヌ科(オオカミ・キツネ・ジャッカル)
ゾウ科(ゾウ・マンモス・マストドン)などだ。
この『科』に属する生き物は皆、大元の”単一の祖先”にたどり着くそうだ。
最も小さなイエネコから、獰猛なライオンも、ネコ科の動物は皆、おおよそ2500万年前に生きていた一頭のネコ科の祖先ルーツを持つらしい。
ホモ・サピエンスも、1つの科に属している。
ヒト科である。このホモ・サピエンスは実にわがままで、長い間自らを動物とは無縁の存在と見なしたがっていた。
現存する近しい縁者は『チンパンジー』『ゴリラ』『オランウータン』だ。顔がではない。中でも『チンパンジー』が最も近いと聞いたことがある人もいるだろう。
600万年前、ある一頭の類人猿のメスに、二頭の娘がいて、一頭はあらゆるチンパンジーの祖先。もう一頭が私達の祖先になったと、著者のハラリさんは綴る。
ここですごく大事なことがある。
私達は自分達が唯一の人類だと思っているという勘違いである。”人類”という言葉は『ホモ属に属する”動物”』である。ホモ・サピエンス以外にも。、この属に入る種は数あったということだ。TOPの画像を見たこともあるだろう。
私たちは、これを猿が、猿人へ、猿人から現生人類へと進化の流れと捉えてきた方もいるかもしれない。が、実はこれは間違ってる。ホモ・サピエンス以外にも、他にも人類が存在していて、生き残ったのが、今生きている我々の祖先『ホモ・サピエンス』なのだ。※話の流れ上、ホモ・サピエンスは『サピエンス』、ホモ属全ての生き物を『人類』と表記する。
東アフリカでアウストラロピテクス属が初めて姿を表す。
この一部が、北アフリカ・ヨーロッパ・アジアに移動する。気候が違うのでそれぞれで進化した。ヨーロッパとアジア西部は、ネアンデルタール人として知られている。アジアの東はホモ・エレクトスで、なんと200万年近くも生き延びたらしい!
見た目も違うのだが、鼻が違うのは特徴の一つだろう。
※ホモ・エレクトス
※ネアンデルタール人 目の色は定かではないが。
インドネシアのジャワ島には、ホモ・ソロエンシスが、同じくフローレスという小さな島では、人類は矮小化した。(ホモ・フローレシエンシス)
※フローレス原人 のちにホビットと呼ばれたみたいやな。
2010年、つい最近の話題だが、シベリアで新たな人類の化石が発見された。この種はホモ・デニソワと命名。他にも存在したかもしれないとされている。
ヨーロッパとアジア以外でも、東アフリカも進化がある。ホモ・ルドルフェンシス、ホモ・エルガステルがある。
これらは皆、ホモ属・人間だ。約200万年前から、1万年前頃までは、これらホモ属はいくつかの人類種が同時に存在していた。今日でも、キツネやクマ、ブタには多くの種がある。10万年前のこの地球には、少なくとも6つの種が暮らしていたらしい。
が、
今、存在しているのは、サピエンスだけだ。
これは何を意味しているのか、よく考えよう。
ちなみに、ここまでで、まだ本全体の2%だ。長い。挫折する人の気持ちがわからないまではない。
思考力の代償
人類が他の動物と違うのは、【脳】だ。
哺乳類 60キロ当たり、 平均200立方センチメートル
最初のヒトの脳は成人で、 平均600立方センチメートル
現生人類の脳は、暫定だが、平均1200〜1400立方センチメートル
ネアンデルタール人はもっと大きかったそうだ。大きな脳はエネルギーがかかる。持ち歩くことそのものが大変なのだ。燃費も悪い。太古の人類は、脳の代償を2通りで払ったと書いてある。
①筋肉が衰えた
②二頭筋にかける一部を神経細胞に回した
これにより、チンパンジーはサピエンスを言い負かすことはできないが、ぬいぐるみの人形のように引き裂くことができる力がある。だが、私たちは、この脳を使って、チンパンジーより早く走れる車や、銃などを製造した。離れた場所から仕留めることもできる。しかし、自動車も銃も長い歴史で見ればここ最近だ。ナイフのような石と尖った棒で200万年ほど過ごしていたはずだが、それ以外に何があったかはわかっていない。
人類の特性として、直立歩行もあげられる。高い角度から見渡せるし、両腕を使うことができるのだ。しかも、掌の筋力が上がったことで手先も器用になる。
一方弱点もある。人間と他の動物の頭の大きさを比べるとわかるが、頭蓋骨を支えるために、腰痛と肩こりを手に入れた。女性だと産道が狭くなったのだ。
他の動物は、生まれてすぐ歩く・走る。子猫に至っては、数週間で単独で食べ物を探す。が、人類は未熟な段階で生まれ、何年にも渡って年長者の助けを必要とする。
これが、現代にも繋がる、社会的能力と社会的問題の両方の要因となったと著者はいっている。子育ては、家族や周囲の助けを必要とし、仲間が力を合わせなければならない。また、未熟な状態で誕生する分、教育し社会生活に順応させることができる。自由に育てられる特性を持った生命体なのだ。
この社会的能力と社会的問題については、行動心理士的観点からも非常に重要な要素となるので、別の機会で語りたい。
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