【クリスマスカラス】毎週ショートショートnote
カラスの朝の任務と言えば。
もちろん、人間共のゴミをつつくこと。
おっと、この角の家!
ゴミ袋にネットがかかっているじゃないか!
隣の家も、向かいも、同じネットが。
先週派手に散らかしたからな。
手を打ってきやがったな、アイツら。
クソッ。
しかし。
時は師走。
オレたちには、もう一つの任務が。
オレ「どうだ?」
同僚A「どうもこうもねーよ。情状酌量の余地もねェ。」
同僚B「おいらンとこも、だめだ。飯食い散らかして穀潰しみたいな野郎だ。」
同僚C「こっちもだ。キーキーうるさいのなんの。」
オレは親分の元へ向かった。
オレ「…ってことッス、親分。」
親分「そうか。苦労かけたな。」
オレ「親分、今年も奴ら全員に施しを…?」
親分「…あ?そりゃそうだ。みんなオレを待っている。」
親分はボーボーの白髭を撫で、赤い帽子を被り、重い腰をあげた。
…親分。じゃあなんで、毎年オレ達にガキ共の偵察を依頼するんだ!?
そうは思うが、羽の裏にキラリと光るものを忍ばされては、文句は言えねェ。