『あれは、ワガママだよね?』と聞かれた話
ある園で働いていた時、
乳児さんの時から通っている、幼児さん。
色々分かる年齢になったからか、
『ママがいい』『ママが来るまで、今日は部屋(保育室)いかない』
『遊ばない!ぅわー!』と、時々、火が着いたように長時間泣き叫ぶ子がいました。
普段は、友だちと同じタイミングで生活しているのですが、時々スイッチが入ると、絶対に動きません。
声をかければ、逆効果で、更に大声で叫び、長引きます。
普段は、とってもしっかりした印象のある、お友だち思いな、笑顔が素敵な子です。
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さてさて、そんな泣き叫ぶ姿を見て、あるベテラン先生が私に声をかけてきました。
『あれは、あの子のワガママだよね?』
それを聞いた私は、
『ん~、、、ワガママかどうかは、分かりません。ただ、あれをやって、一番損をしているのは、あの子だと思います。』
と答えました。
友だちと一緒に遊ぶ楽しさも、
友だちと一緒に給食を食べる嬉しさも、
じっくり、自分の作りたいものを作る自分の時間の過ごし方も、楽しさも知っているのに、
それを全部放棄してでも、
長い時間、泣き叫びたいのです。
ベテラン先生は、『発達障害には見えないから、ワガママは聞く必要はない』
と、言いたかったようですが、
『いま生活がままならない程、楽しいことを全部放棄してでも、訴えたい何かがある。ということだと思うんです。
でもこれは、決して正しい訴え方ではありません。
言葉で伝えればいいのに、それがまだうまく出来ないのか。
受け止めてもらえないと感じているのか。
この訴え方が一番効果があると誤学習してしまっているのか。
それは、分かりません。
でも、発達に凸凹があろうが、なかろうが、あの子自身が困っている状態にあると私は思っています。』
と答えました。
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さて、そこから、園内研修も挟み、保育者みんなの静かな見守りや、正しい訴え方には、反応する。などの関わり方が始まりました。
すると、少しずつ気持ちを切り替えることも早くなっていき、火が着いたように泣き叫ぶことは、園では減っていきました。
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発達に凸凹があろうが、なかろうが、
本人が困っている状態であることは、
変わりないのです。
そして、発達に凸凹があろうが、なかろうが、何に困っているのか考え、
それに正しく対応することも、
変わらないのです。
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