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たいの昆布じめにクレソンを【ひとり編集後記】20250122号
定期的なお仕事として、豊洲市場で旬の魚について取材し、今期の漁獲量や質、保存方法、おすすめの食べ方を記事にまとめています。
先日の取材で取り上げたのは「たい」。
3月発行媒体の掲載に向けて執筆中です。
たいといえば、春を代表する白身魚。
漁場を変えながらほぼ一年を通してとれる魚なのですが、春は産卵期で、産卵前のふっくら太った時期が一番おいしいといわれています。
個人的には「おいしい!大好き!」とまではいかず、「クセがなくて食べやすい」程度に感じている魚です。
あっさりしているからどんな野菜とも合わせやすく、炊きこみご飯にするならもってこい。
献立に困ったとき、「あなた、意外といけるわね」とときどき助けられています。
切り身なら、ひと口大に切って、粉をまぶして焼いたのち、好みの野菜と好みの味つけで炒めたり、あんにからめたり。
炊きこみご飯なら、アラで十分。
たいはややお高く、丸のままやたいだけの料理だと4人家族では満足できる量を食べるのが難しいですが、切り身2切れやアラであれば、普段の食卓で出してもいいかな、という具合です。
たいは、脂質が少ないので魚の中では日持ちします。
丸のまま、内臓を処理してペーパーとラップで包んでおけば、冷蔵庫で1週間ほど保存OK。
切り身や冊であれば、2~3日。
切った断面から傷んでいくので、生食するなら早く食べるにこしたことはありません。
先ほども書きましたが、たいは値が張ります。
でも、だからこそ、夕方のスーパーで割引になっているたいを見かけたら買いたくなりますよね。
夕飯はもう決まっているのに、つい買っちゃいますよね。
半額シールなんか貼られていたら、素通りできませんよね。
フードロス対策としてあえて手を差し伸べる私、地球にいいことしてると自画自賛しながらお会計に進みますよね。
そんな消費期限が迫ったたいは、切り身なら同割りのしょうゆとみりんをまぶして冷凍保存しておきましょう。
事前に解凍し、かたくり粉をまぶして揚げ焼きにするとおいしいたいの竜田揚げになります。
冊や刺身なら、昆布じめにしましょう。
翌日でも充分おいしくいただけます。
以前、料理家さんに教えていただいたのは、クレソンやシブレットなどの香草も使うおしゃれな昆布じめ。
しょうゆとオリーブ油で、香草も一緒にいただきます。
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明日の夕飯に早速仕込みました。
楽しみ。
そういえば、取材先の方からは、たいのおいしい食べ方として「宇和島鯛めし」を紹介されました。
愛媛は、たい(マダイ)の漁獲量が長崎、福岡についで多いところ。
養殖も盛んです。
そんな愛媛の郷土料理「宇和島鯛めし」は、普通の炊きこみご飯のたいめしではなく、甘めの醤油ダレに漬けた刺身をご飯にのせ、卵黄、ごま、薬味を添えたもの。
たい入りの卵かけご飯のようなイメージです。
うん、絶対おいしいね!
今度たいを買ったら、宇和島鯛めしも作てみたいと思います。