”考えなくてもいいこと”でも、 考えなくてはいられないこともある。

8月14日。

メンタリストDaiGoさんの発言が炎上している。

私はその発言に対して思うことは色々あるけど、
（※文字通り「思うこと」がいくつかあるだけで、非難したい気持ちは全くない。）

書きたくなったのはそれよりも、

DaiGoさんの発言に対する世間の声を見て、わいてきた思い。

（主に、相手の発言の背景も知らずに匿名で当事者を叩くような
”世論”の人たちに対して。）

そもそも「命が大事」って、
何をもとにそう言ってるんだろう？

命ってどんなものなのか、
考えてわかってるんだろうか。

命がなぜ大事なのか、
自分で考えたことがあって、
なにかしっかりとした答えを持ってるんだろうか？

（純粋にただ知りたいこと。）

「命は大事」と言われているから。
そういうものだから。
当然だから。
常識だから。

世の中の多くの人は、そういう考えなんじゃないかと思える。

ずいぶん前10代の頃いつだったかに
考えたことだけど…

人間の命は等しくみんな大事なのに、
ちょっとうるさい虫は平気ですぐに殺す。

気持ち悪いゴキブリは駆除されるのが当然。
でもてんとう虫を踏み潰したら残酷に思われる。

刺して人に害を与える蚊やハチは殺される。
アリも知らないうちに踏んづけている。
家の中に入ってきた気持ち悪い虫は平気で殺される。

犬や猫は絶対に殺され（てはいけ）ないのに、
豚や牛や鶏は
食べるために飼われ
食べるために殺される。

それが世の中の（日本の）常識になっている。

どういう線引き？
全部人間の都合。

そして、決めたことは「正しいこと」として守られて
それに反することは非人道的だとか非道徳として忌み嫌われる。

私は、そのルールをどうすべきだとか
おかしいから変えるべきだなんていう考えはないけど、

それを「そういうものだ」としか考えていない世の中の人たちに嫌悪を感じた。

ただ、私が子どもじみているだけで、
世の中の人たちは「それはそうだけどうまくやるためにこうしていくんだよ」と冷静に大人なのかもしれない。

だけど私はこの頃からすでに
「絶対的なものなんてない」と
思っていたんだと思う。

絶対的なものなんてないのに、
人間が人間の都合でいろんなことを決めて
いろんなルールや常識をつくって、
そして世の中の大多数の人がそれを
「絶対的なもの」と盲目的にみなしている。

そしてそういったものが
私には「どう腑に落とせばいいか」
わからなくて戸惑うことがあった。

豚を食べて良くて、犬を食べてはいけない違いはどこから？
別の国では食べて、日本では食べない。
日本では食べて、別の国では食べない。
日本人が犬を食べないのは、可愛いから。可愛がられているから？
豚も、可愛いのに。
でも豚は食べられて当然の動物とされている。
子豚の映画を見ても、食べられるのは可哀想と涙が出るのに、でも平気で豚肉は食べている。

じゃぁ可哀想だから豚牛鳥ぜんぶ肉を食べない？
そうしたら、魚は？
どうして、魚は死んで当然の生き物なのか？
海に住む生き物にも、イルカのように殺されないものもいれば捕られて釣られて当然のものもいる。
魚にも、命はあるから、じゃぁベジタリアンになればいいか？完全菜食主義になればいいか？

でも花や草や木にも、生命はある。
生きているから、育つ。
なのに顔や目がないからって、動物ではないからって、生物ではあるのに命を奪われていいっていうのは、どういうことになるんだろう？

…そんなふうに考えて、結局出口はなくて、
考えても考えても納得できる基準は出てこないから、
戻って考えると
豚と犬の違いは結局、「そういうものだとされているから」。
人間たちが皆んなで、そういうものだと決めて、そういうものだと浸透したから。それだけの理由でしかないなって。
あとは美味しいからとか。

私も、そんなことを考えたり、
殺される動物は可哀想なんて思って泣いても、
結局牛肉も豚肉も食べたい。
数秒後には平気でご飯を食べるんだから、
そんな自分に少し落胆しながら、
ただこう生きていくしかないんだなって思った。

まぁこれ、全部中学生ぐらいのときに考えたことだけど、
今でも、それ以上の答えは特にない。