せっかく出会ったんだから離れないでください−マカロニえんぴつのライブ
私の青春を彩った、マカロニえんぴつのライブに行った。
マカロニえんぴつとの出会いは私が高校1年生の時。
眠れない夜、YouTube徘徊中に出会った『ブルーベリーナイツ』。
今や「目覚ましにいい」と噂されるピアノソロから始まる演奏。
そんな投げやりな歌詞は、近づく朝の気配に「もうどうとでもなれ」とオールを決めた私の心情にぴったりだった。
マカロニえんぴつの曲の中では、中・高・大の青春がよく語られている。「青春と一瞬」というタイトルの曲もあるほど「青春ど真ん中!」って感じの曲が多い。でも私はマカえんの曲の中で「青春」というものを1番強く感じる曲として、「ミスターブルースカイ」を挙げたい。
「さるも」という音で韻を踏んだり、いつも通り言葉遊びが繰り広げられる歌詞。MVではタイトルに相応しく、青空をバックに演奏する4人のメンバー。
目玉は1番サビ直前の歌詞。
泣いているのを誤魔化すのに、これ以上にかわいい文言を私は知らない。
そんな言葉たちに惹かれた私は、青春をマカロニえんぴつの曲とともに過ごした。そのマカえんのライブに初めて、大学生になった2022年の終わりに行ってきた。
これまでセカオワのライブにばかり行っていた私には、邦ロックというジャンルのライブが初めてで、後方の席でも音量がものすごくてその迫力に終始驚いていた。「ワンドリンク別」やライブの時点ではまだ未発表だった「リンジュー・ラヴ」などが披露されて盛り上がった。とっても楽しかった。アリーナ席の一番後ろで、全身を使ってライブをエンジョイしてる女性2人組がいて、それを見てまた幸せな気持ちになった。
ライブも終わりが近づいて、今夜が終わってしまう寂しさが会場全体に広がり始めたころ、ボーカルのはっとりさんがギターを鳴らしながらぽつりぽつりと話し始めた。その時の言葉がものすごく心に残った。
これまで「ロックバンドは流行らない」とか言われたこともあったなどと、今に至るまでのことを、かいつまんで話してくれた。やっぱりこんな成功の裏にはとてつもない努力があったんだろうと感じられた。そうしてはっとりさんのお話も終盤に差し掛かったとき。
ちょっと文言は違うかもしれないけど、はっとりさんはこう言っていた。
“せっかく出会ったんだから離れないでください
そう簡単に離れないでよ“
あまりに直球な言葉に、心を奪われた。
なんだか久しぶりにこんなに素直な言葉を聞いたような気がした。
だってなんか怖いじゃん、誰だって。「私のこと嫌いにならないで」とか「私のそばにいてよ」とか言うのって、相手にどう思われるかなあとか考えちゃって言えない。本当は心の中で強くそう思っているのに。
でもはっとりさんはしっかりと言葉にしていた。なんかそれがかっこいいというか、すてきだなと思った。
なんか最近ってさ、性格が合わなかったり一緒にいるのがしんどかったりするならその人との縁は切ってもいい、みたいな意見がちらほらあるじゃん。で、そういうツイートとか見て私も「たしかにどうしてもうまくやっていけない人っているし、そういう人に割く時間もったいないから切ってもいいのかな」なんて思ってたんよ。んで実際それも正しいと思う。
自分を殺して、無理してまで誰かに合わせる必要なんてあるわけがないし、だったらもっと自分が幸せになれる人と一緒にいたほうが自分にとっても相手にとってもいいと思う。
でもそのはっとりさんの話を聞いて、「たしかにそんな簡単に離れちゃうのもなんだかな」って思っちゃったよね。出会いなんてほんっとうに限られてる中で、“せっかく“ 巡り合って知り合ったんだから、仲良くなったんだから、そんな簡単に縁を切っちゃだめなのかもなって。もっと周りにいる人のことを大事にしないといけないんだなって思わされた。
この記事を読んでくれているあなたも。普通に生活を送っていたら絶対関わることがなかったようなあなたが私を見つけてくれて、私の記事を読んでくれて。まず出会ってくれてありがとうございます。はっとりさんの言葉を借りてしまうと、「せっかく出会ったんだから簡単に離れないでください」。あなたがどうしてこの記事を読んでみようと思ったのか、どうして途中で見切りをつけずにここまで読んでくれたのか、この記事を読んでどう思ったか、そんなことがお話しできたらいいのに。
話を戻すと、ライブはとてもよかったです。こんな言葉でしか感想を言えない自分の語彙力にがっかりしますが、色んな意味で心に響きました(爆音すぎて内臓に響いたのと、感動したっていうのと)。ぎりコロナ禍で声出しは叶わなかったので、次回こそは「ワンドリンク別ー!!」ってライブで叫べますように。
私はそんなに簡単にマカえんから離れないよ。
私の大学生活も、彩ってねマカえん!!
おわり
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