深夜2時、思い出してしまった
ほとんど人通りのない横断歩道の信号が、緑から赤になり、赤から緑になった。
通る人もいないのに、信号機は決められた通りに車を止めては流していった。
そんな様子をひたすら眺めていた。
月は、最初に見た時よりほんの少し高くなって、蝉の声はほんの少し大きくなったような気がした。
もうどうでもいいと思った。
どうにでもなれ、とも、どうにでもなってくれ、とも思いながら、両手で握りしめたスマホに目を落とした。
視界がぼやけて、風が吹いた。
目に溜まった涙も、波打つことを知った。
海かよ、