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絵本 de 昔話『梟染め屋』
作画:茜町春彦
原作:柳田国男
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むかしむかし、フクロウは染物屋で、多くの鳥に頼まれて、色々の衣装を染めてやるのが商売であったそうです.
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その頃、カラスは大変なおしゃれで、いつも真白い着物を着て飛び歩いていました.
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そのカラスがフクロウの染め屋へ来て、どうか私の衣装を又とないような色に染めてくれと注文しました.
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フクロウは、その注文を引き受けて、真黒々の炭のような色に染め、これが世界に又とない色だと言いました.
カラスは非常に腹を立てましたけれども、もうどうすることも出来ませんでした.
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それでも、その怨みを忘れないで、フクロウの顔さえ見れば怒っていじめます.
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それ故に、フクロウは今でも森の奥に隠れて、カラスの起きている間は決して外へ出て来ぬばかりでなく、たまにいる所をカラスに見つかると、ひどい目に遭うのであります.
(陸中岩手郡)
参考文献:日本の昔話(2005年10月25日36刷 柳田国男著 新潮文庫)
使用画材:ArtRage 3 Studio Pro(アンビエント社)Photoshop Elements 10(アドビシステムズ株式会社)
初出:パブー(2013年7月)
パブー投稿作品を修正して移植しました.