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おすそわけ日記 293「一枚の古着が思いださせてくれたこと」
美容院のiPadで雑誌を眺めていたら、家の近所に古着屋を発見。
記事を読むと、ヨーロッパで買付けをしているそうで、私が好きそうな感じ。
何より、潰れた中華料理店の建物の外観をそのまま使っていると云う破天荒さに心惹かれる。
早速、美容院の帰りに寄ったら、本当に中華料理の看板が。
ここ、中華の店だとばかり思って、ノーチェックだったんだよなぁ。
一歩、店に入ったら、店員さんがすごくお洒落で、ハイブランドの古着も売っていて、うっかりスーパー帰りの普段着で寄らなくてセーフだった。
古着屋って、何があるかわからないオモチャ箱みたいなワクワク感が好き。
もうずっと、好きなブランドの半年先のシーズンの服をチェックして入荷連絡を頼んでと云う流れに慣れてしまったので、今、お店に在る物との出会いを楽しめるのが新鮮に思える。
そして、欧米の服はサイズが大きい。体重の問題だけでなく、肩幅と腕の長さも。最初からゼッタイ入らないデショと諦めるのではなく、興味のある服に手を伸ばすことが出来る歓びは計り知れない。
店に入った時点では、秋に着たい服が思いつかず。
マニッシュな雰囲気がいいと云うことだけは、髪を切って貰った時にわかっていて。
ひとまず、壁に飾ってあるHERMESのジャケットの前で足を止めたり、MARNIのシャツを手に取ったりして、ハイブランドのモノづくりの美しさを堪能。
歩きながら目に止まったグリーンのロングスカート、試着してみよう。頭の中でそう考えながら、先程のMARNIのシャツの近くを見ていたら、んんん?
このパープルのハーフコート…すごくいい気がする。
私の中の着道楽魂がこれを着てみろと訴えかけてくる。
本能の声に従い、スカートとハーフコートを試着。どちらも素敵だったのだが。
ハーフコートを羽織った時のテンションの上がり方が半端なく。袖を通した時の造りと素材感の良さ、何故か、和の香りがして、これは私の服だ。
そう確信したものの、お値段も良かったため、夕飯作り中の母を引っ張り出して、どうよ、このお店、どうよ、この服と心の後押しをして貰う。
二人で店の中を見ながら、母がいいねと言う服は、概ね、私がいいと思ったハイブランドか、そうでなくても造りの良い品だった。
玉石混交までは行かなくても、色々なブランドの服が混ざっているのは、宝探しのようで面白い。
もっともっと、良い物に、人が作った美しい物に触れたいと云う欲求を自分の中に感じる。
家に帰って、鏡の前でハーフコートを羽織ってみる。
何を組み合わせるかは頭の中で計算していて、確認したいのは、コートをどんな風に着たらカッコいいか、着た時の立ち方と表情とか。
ふと、襟を抜いて羽織ったらと思いつき、試したら、ショートボブと最高にバランスが良い。
これだよ、これ。どんな風に気崩せるか、破壊と創造が楽しくてしようがない。
後から調べてわかったのだが、買ったコートは英国の造りの良いブランドの品で、定価だったら買えないし、襟抜いて着ようなんて思わなかったかもしれない。
古着でダメージがあって、何の先入観もなかったから、試行錯誤してみようと思えた。
試行錯誤って、実験であって、自由であって、お洒落に大切な物じゃないかな。
すっかり忘れていたのだけれど。
私がお洒落を好きなのは、自由で居られて、実験が出来て、試行錯誤を重ねる時間が、私らしい時間だからなんだ。
一枚の古着が、私にそれを思い出させてくれた。
【#つづく日々に】のタグをつけて、日常で心ときめいたことを投稿中。日常のよろこびをみんなでシェアしあって、笑顔が増えたら嬉しいです。
【#好きなことを練習している人と繋がりたい】タグも作って「うまくて面白い作品」を作る練習をしています。同じく練習中の方と繋がって、作品作りを楽しみたいです。
今日もおつきあい頂いて、ありがとうございます。
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