MY課題映画感想/2024.07
ジェントルマン
え、全然犬出てこない…が1番の感想。巻き込まれ、検事になりすました男と仲間たちとタッグを組むことになった正義感のある女性検事。二転三転するストーリーから終盤のどんでん返しと色々仕掛けているもののちょっと退屈だったな。見かけだけの小洒落たクライムもの。
(★★★☆☆)
薄氷の告発
韓国映画で女性への性的暴行を描く映画は多い。訴えても揉み消され、絶望していく。この救いのなさはフィクションとしての救いのなさではない。そして女の敵は男という単純な構図ではないし、責められるべきは被害者の弱さでもない。映画として弱さはあるが、真摯な映画だと思う。
父の死を明らかにしようと必死に抵抗する少女の姿を描いた『ブルドーザー少女』も、映画としてよくできているわけではない。もはやブルドーザーで破壊しても引き摺り下ろすことができず、泣き寝入りするしかない現状に対する自虐か?と思うほどやるせない。
(★★★☆☆)
ザ・ガーディアン/守護者
骨太ノワールを作り上げてきたイ・ジョンジェに対し、偏愛映画を作っちゃうチョン・ウソンに贔屓したくなる心もあれど…うーん、褒められん。守護者というよりとんだ疫病神だもんな。キム・ナムギル×パク・ユナコンビは良かったものの、それでもキャラの弱さはある。
私はパク・ユナ氏が好きで。ドラマには色々出ているが、映画はあまり…。『ホワイトデー 壊された結界』でもメインキャストではあったが…うーん。なので、ハマり役に当たって欲しいという思いがある。(それを『ザ・ガーディアン 守護者』に求めていたわけだが)
(★★★☆☆)
覗き屋
携帯の修理をしつつ、顧客の隠された情報を見つけ出しては金を稼いでいるスンヒョン。ある日、国会議員の妻で元女優のミニョンの情報を知ってしまい、巻き込まれていく。それっぽいサスペンスに恋愛やサイコキャラを交えたスリラー。リアリティのなさ、短絡な関係性…と眉唾物。
(★★☆☆☆)
リミット-LIMIT-
誘拐された母親の代役として電話に対応することになった交通課の警察・ソウン。しかし代役であることがすぐバレた上に息子が誘拐される。ここから某エッフェル塔壊す人ばりの執念を見せる。90分弱という短い尺と、過剰すぎない演出、シンプルだが捻りもある構成も丁度いい。
韓国映画、実話ベースの誘拐もののサスペンスなど多い印象。だが、登場人物の感情をありありと伝え、緊迫感を盛り立てる劇伴など見ていてどっと疲れるのであまり得意ではない。その点『リミット LIMIT』は見やすかったな。
(★★★☆☆)
誰がための日々
弟は米に移住し、父は家に寄り付かず…1人で母親の介護をしていたトン。母は苛立ちを全てトンにぶつけ、トンは次第に介護鬱に。ある事件により入院していたが退院し父と暮らし始める。無理解、孤立、排除…現代社会が抱える問題に苦しさしかないが、これが現実なのだろう。
トン役を演じていたショーン・ユーは、『恋の紫煙』にもメインの役どころで出演しておりその振り幅に驚く。介護もヤングケアラーも多くは孤立し、支援の手が届いていない現状は日本も香港も変わらないのだろうと思うと苦しい。
(★★★☆☆)
台北に舞う雪
『山の郵便配達』のフォ・ジェンチィ監督作ということで期待していたが…あらすじを読んで予想した通りの映画で、惹かれるものが何もなかった。王道ピュアなラブストーリーはとことんダメだな。(と思うも、多分学習しない)
(★★★☆☆)
恋の紫煙
“一晩で全部しようとしなくていい。急いでないから”というセリフにずきゅーんと射抜かれる。年々せっかちが酷くなって、実生活でも、ラブコメを見ても、かったるいと思ってしまいがちだが、曖昧さ、行ったり来たりの進展のなさを許容できる人間になろう…すぐ切るのもやめような。
喫煙所で出会い、交流が始まった2人。その背景には、室内での喫煙が禁止され、喫煙に対するルールが厳しくなった社会情勢がある。後半には値上げのニュースも。私は煙草を吸わないので喫煙所の雰囲気は知らないが、そこからラブコメを作り上げる設定が良かった。
(★★★☆☆)
愛しの故郷
『愛しの母国』がプロパガンダ映画すぎてドン引きしたが、本作はマイルドでまだ見やすかった。中国の様々な地方を巡る笑いあり涙ありのドラマ。豪華キャストで王道かつよくできたドラマだが、あまりにも美化して良い面だけをゴリ押ししているのでう、という気持ちは0ではない。
(★★★☆☆)
愛しの母国
予想はしていたけれど…その予想を上回る国策映画っぷりにドン引き。国家成立宣言の式典の裏側、初の核実験成功の裏側…実話ベースとはいえ気持ち悪いほど国家礼賛、美談に満ちていて、極端な描き方。それでいて高揚させるような演出になっているのも怖い。
(★★☆☆☆)