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ただただそこにいる

その人と話していると
ふと
帰ってきた時の彼を思い出す

旅で見聞きしたこととの雲泥の差を
何を見ても聞いても常に演繹して語っていた彼を。

見るもの全て親の敵かいなと思うくらい、日本の暮らしに馴染めない。旅と比較して嘆いたりディスったり、日本に帰国してることすら拒否しているみたいだった。

身体は帰って来てしまったけど、魂はまだ旅の空の下、枕の上に置いてきたぜって

最初は勿論聞いていたよ笑

でも

いつまで経っても
子供が生まれても
一事が万事そんな感じだから、ワンイッシューで切り取れる程、あなたのみてきた世界はシンプルなんだねと私も嫌味たっぷりになり

終いには、え?ここ日本で東京で高円寺だけど、いつまで旅ごっこ続けてるの?

メーテルリンクの青い鳥は、帰ってきて自分チにいたのを知らないの?灯台下暗し。探しているうちは、身近な幸せ見失うんだよって

私をみてって言いたかっただけなんだけど
素直になれなくて

旅の空で出会った友人とばかり集まろうとしてるように見えて、浦島太郎の集会みたいだなと、冷めた目でみていたから、同じ匂いがしない私を彼らも警戒していたし、それは生き物として正しいアラートだったと思う

姿のない旅の日々と私で
タイマン張って
私が日本での暮らし代表になって
現実に引き戻そうと躍起になって

ケンカになったものだった

旅対チコ

相手がいないのにケンカしたんだから徒手空拳、空回りして苦笑
ふたりの関係だけが行き詰まる日々

攻められれば
籠城するのは摂理だ

彼は宮崎進みたいにCDとギターで築城
籠城していった

だから

というわけじゃないけど

あの不毛を繰り返したくないから

海の向こうに魂を置いてきた友人と
頭と身体がアンビバレントなままでカタルを聞く

いつか魂を迎えに行くのかも知れないし
新しい命を宿すのかも知れないし

海の向こうに暮らしてないけど
私にも頭と身体がバラバラのベクトルに引っぱられて
動いてるんだけど
互いに相殺しあい
四方に八つ裂きにあってるから
どちらにも進めないって
ことはある

それは私ではなく
彼らの仕事

私が旅とケンカすることはない 
私も旅が好きなんだから

ふるさと納税ってしたことある?

暫く
この制度が如何に複雑怪奇で
寄付行為の蓑を着た
税制優遇措置であるかを
立て板に水の竹を割った理論で
説いていく

それだけ見抜いたら
日本社会の曖昧や欺瞞
煩雑で不親切な手続きに苛立たない訳がない

多文化、多民族故の
質実剛健なビジネスと
コミニケーションに息して来たんだから

ただ
上でもなく下でもなく
良くもなく悪くもない
ただ、そうなんだなと
思って聞くだけ
私にはジャッジする役目はない

だってトモダチンコだから

いや、ないよ
1番は生まれも育ちも葛飾柴又じゃないけど、東京だから、税制で応援したいふるさとがないし

あとは、寄付行為としての仕組みが複雑すぎて私には意味が分からないから笑

離婚するまでは、ダブルインカムで余裕もあったから、長女誕生からずうっとネパールの女の子のホストペアレントやってたけど

年末調整で寄付金として控除になるって知ってたけど

自分のドネーションとしての行為が、税制優遇にすり替わるのが、なんかイヤでね、1度も申告したことなかったなあ

まあ、事務手続きが苦手なのもあるけどね笑
役所は手続き面倒くさくしてそこに到達できる頭数を減らしてるんじゃないかって、都市伝説的に言われるよね苦笑

うんうん

それを聞いて
それまでの先鋭的な戦う全共闘みたいなトーンが急にナリヲ潜めて好々爺みたいに頷く

そうだよね

私は私の
彼は彼の
土俵を生きるしかないけれど

分かり合える

言葉に乗せて
ビビッと瞬時にエンパシーが
交わされる時に
心に小さく灯りが灯り
逆立つ毛が宥められて
仲間の存在を感じて

かじかむ指先が温まる

受け止めるなんて思い上がりは
流石にもうないし
私に出来るのはそのくらい




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