ストーリー買い
作品から物語を受け取れるか
作家が在廊していても、作品について質問するのは、なかなか敷居が高い
Don't think , just feel
の例を引くまでもなく、ただただ自由に自分の内側と作品が対話したら良いとは思う
星屑動物を作った学生さんは、
ーさっき遊びに来た小さい女の子には、コレハゼッタイフネダ!と言われました
と小さく苦笑いしておられたけど
船を感じて、船乗りせむと潮をまちいざ漕ぎいでんとする透き通るような感性が羨ましくもある
でも、知りたい、理解したいという
果てしない知的な探究心を満足させたいなら、やはり対話は必須だと思う
どんな願いを込めて作品を作ったのか、作品を作っているときに何を感じていたのか、出来上がった作品から作者自身もどんなイメージを受け取ったのか
私たちは作品を目にするけれど、制作者が伝えたいのは目に見えないストーリー
物語を共有できたと思う作品に惹かれるし、モノとともに連れて帰るのは世界観
藝蔡でポストカードを売っていたフィリピンからの留学生の女の子たち
頭 胸部 臀部 脚 に人体を四分割して 一つのお題で出身国の異なる学生たちが一枚の人物画を完成させる試み
ーこの絵は、頭から、フィリピン、セルビア、スペイン、韓国の人が描きました
ーこの絵は、ドイツ、日本、クロアチア、台湾 の人が描きました。
鳥というお題を出しても、多様な文化的な背景、異なるボディイメージ、連想するイメージの違いが、作品に奥行きを与えてユーモアもたっぷり。一人が描いたのとは全く違う世界観が立ち昇る。
それでいて、違いを越えて一枚の絵として融合可能。それは、私たちは違いを越えて手を繋ぎあえることを小さく証明するし、世界平和への小さな小さな試み。
留学生の作品には、キレイな絵とか上手に焼けたお皿じゃなくて
そういった世界観を私たちに見せて、世界が平和になれることを信じさせてくれるようなものが多かった気がして、そもそも日本ではない国に生まれ育って、勉強しようと留学するくらいのマインドの人たちだろうから、ムベなるかなと思ったけど
拳を上げて反対とシュプレヒコール上げるよりもよほど、人と人が理解しあえることに希望が持てて、アートの無限の可能性を信じるに十分な時間と空間だった。あの空間がひろがらんことを心から祈る。