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親子3代とレコード

父は大抵週末になると
母のお手製のおかずや
親戚から送られてきた夏ミカンとか
理事会仲間の旅行土産とか
行商みたいに抱えてやってきてくれる

それもノンアポで笑

いなかったらどうするのって
いつも聞くけど
いつもいるじゃないかと
質問に答えないで答えているところは
うーん頑固だなあ遺伝してるなと笑えるけど

確かにいなかったことはまあまずなくて
極々稀にいないとガスメーターに入れて
トボトボとLINEに
行ったのに誰もいなかったと
ちょっと恨みがましく書いてよこすけど

いや、言ってよ、
そしたら誰か居ることもできたからって言うけど
ふらあとアポなしで行っても
会えるのがイイのかなんだか
事前予約は絶対しない

だから私の方から
いや、別に来るとは聞いてないけどね
来たらワルイから言っとくけど
今週末はみんな出払って午前中はいないからねとか
催促するわけじゃないけど
お米はあるからね、要らないよ、とか
言っておくことになる苦笑

今日もピンポーンと突然のインターホン
まだ寝ていた長女は
招かれざる?客の来訪を知って、
げ!とウサギのように飛び起きる
オジイチャンガキタ!!!

梅干しに
厚揚げの煮物
風月堂のゴーフルを持ってきてくれた
親子だから別に用事がこれと言ってあるわけではない
元気でいるのか
変わりはないのか
安否確認と近況報告

そうだ!これみてよ!と
サニーデイサービスの曾我部さんの
福袋のレコードをゲットした経緯も含めて
自慢すると

蛙の子は蛙の逆
蛙の父親は蛙だから
そして蛙の祖父も蛙だから笑

父、私、そして娘へと脈々とつながった
音楽への好奇心

目を輝かせてレコードを物色し始める父
一回裏表を見て右から左に20枚のレコードの山を移して
もう一回今度は左から右に山を積み戻す

サニーデイのサの字も
曾我部さんのその字も知らない父だけど
だれかのレコードには強く興味をそそられる
そしてパーシーフェイスの1枚と
環境音楽の1枚を手にして
淀みない動作で我が家のレコードプレーヤーの
針を落とす

そりゃあそうだ
このプレーヤー実家から譲り受けたんだもの笑

うん、なんだかウチにいる頃に
聞いたことのある音楽だね笑

パーシーフェイスだよ、夏の日の恋、知ってるはずだよ?

あのね、1976年に亡くなっているよねこの人
私はそのころまだ文字も読めないし
ただ耳で聞いてた耳コピの音楽だからね
パーシーフェイスって名前や曲名と曲が一致しないのよ
そういう風に自分の中に一杯音楽がたまってるし
どっちかというと
そういう風に音楽を聴くのが好きなんだよね
だから、知らないのってよく聞かれるけど
知ってるけど曲名は知らないのとか言うと
それって本当に好きなのとか言われちゃうけど

そういう好きも、音楽の聴き方もあると思うんだよね

ってぶつくさ言いながら
夢のように美しい音楽を
やっぱレコードで聞くべき音楽だねこれ
っていいながら親子3代で聞いた夏の昼下がり

電話がかかってきてしまって
お見送りできなかったから
長女に、オジイチャン、そういえば何か持って帰った?
ってきいたら
うん、二枚持って帰ってたよ
天使みたいな女の子のジャケと環境音楽のヤツ

ふふふ
流石私の父親だ
レコードは聞くものだからな
曾我部さんの福袋だからな
福をお裾分けできてよかった



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