無名のサラリーマンが20万使って対談イベントを開催したら17万の赤字だった話
8月10日、お盆の初っ端で帰省客でごった返す東京駅近辺で、自分が登壇するイベントを自分で開催しました。
そうなんです。
誰に求められているわけでもないのに自分のトークイベントを企画し、開催しました。
誰に求められているわけでもないのに。
そのイベントがこちら。
その収支結果がこちら。
【売上】34,000円
- チケット代 2,000円 × 17人 = 34,000円
【経費】203,265円
- 前田高志さん召喚費用 : 100,000円
- PR動画作成費用 : 50,000円
- グラフィックレコーディング費用 : 20,000円
- 会場費 : 31,500円
- 参考書籍代 : 8,561円
- Peatix手数料 : 1,765円
【利益】▲177,826円
おえぇぇぇぇぇぇぇeeeeeeeおろろろろろrrrrrrr……(以下、自粛。)
17万円が消えてなくなるって普通のサラリーマンからすると、ゲ〇吐くレベルです。
本当です。
しかも、私には愛すべき妻と2人の子供がいます。
ご家族をお持ちの方なら、尚更、お気持ちを察して頂けると思います。
愛すべき妻に17万円を溶かしたなんて伝えた日には、2人の子供を連れて実家に帰り、印鑑がつかれた緑の紙が送られてくることなんて想像に難くないでしょう。
伝えようとした時の夫婦の会話。
にぃやん「今度有名なデザイナーの人と対談すんねん。実h…」
愛すべき妻「芸能人気取りかよwwwwwwお前だれだよwwwww」
にぃやん「^^」
当然、今でも17万円も損失が出ているとは夢にも思っていないでしょう。
この先も告げることなく一生を終えるでしょう。
そんな自分の妻にも一生告げないお話を書いていこうと思います。
なぜ10万円もする講演会の開催権利を買ったのか?
【理由1】ネット上で公開できる実績を作ってみたかった。
【理由2】サラリーマンの延長線上にはない経験を積んでみたかった。
【理由3】ノリ。(笑)
【理由1】ネット上で公開できる実績を作ってみたかった。
約1年ほど前からこのアカウントで情報発信なるものを始めてみていますが、特段何も起こらず1年が過ぎました。
SEOなるものを少しかじりつつ、ブログを100記事ほど書いてみたけれど、何も起きません。100記事ごときでは何も起きないことが、他の方々を見ていても思います。
広大なネットの海の藻屑にもなれていないことは、誰の目から見ても明らかでした。
そこで、クローズドなコミュニティでのオンライン講座と、完全にオフラインでの講座を2発ぐらいやってみたところ、参加者の方々からはポジティブなフィードバックが多かったのです。
オンラインじゃなくて、オフラインで何かやってみた方がいいんじゃね?
なにもオンライン上だけで実績を作らなくても、オフラインで作った実績をオンライン上に持っていけば良いだけではないかと思い立ったのです。
【理由2】サラリーマンの延長線上にはない経験を積んでみたかった。
サラリーマンのキャリアは比較的リニアな線を描くことが多いです。つまり、ある程度見通しが効きます。
この先に何が起こるか、よりも何が起こらないかの方が明確です。
今の私のサラリーマンの延長線上には、有名デザイナーと私が机を並べて対談をするなんてことは決して起こり得ません。
でもそれが起こったらどうなるのか。
それは起こしてみないと分かりませんし、また藻屑以下になるかもしれないし、少しは話題になるかもしれません。
そういうちょっと分からないことって、怖いけどワクワクしませんか?
【理由3】ノリ。(笑)
最後は完全にノリです。この100,000円の講演会の開催権利はクラウドファンディングのリターンだったので、サイト上の「支援する」みたいなボタンをポチれば買う事ができました。
で、ここで自分の悪い癖が出ます。
ちょっと目立ちたがりなんですよ。
ほんで、ちやほやされるんが好きなんすよ、えぇ。
(出典 : スラムダンク 16巻 フクちゃんの秘密より)
ちょうどあと数万円で、そのクラウドファンディングが目標金額に到達しそうだったんです。
そこに現れる10万円のリターン。
俺が買って目標達成したらかっこよくね?
ほんとに恥ずかしい話です。支援された方々全員で達成した目標なのは重々理解しています。
だが、しかし。
私の自己承認欲求は、すでに肉体はおろか、精神をも凌駕していたのです。
もはや私の声は、私自身には届きませんでした。
ポチッ!ぽちっ!ぽちぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!
なぜか10万円のリターンだけでなく、2万円と5万円のリターンも同時に購入していました。
イベントを開催して良かったのか?
良かった。
【理由1】ビジネスモデルを1人で回すことができた。
【理由2】自分の味方が誰なのかを正確に把握することができた。
【理由3】自分の知らない分野を強制的に身に付ける機会にできた。
【理由1】ビジネスモデルを1人で回すことができた。
1. 情報収集(ニーズの把握) : テーマ選定
2. 商品設計 : 対談形式+動画コンテンツ配信
3. 商品開発 : 対談者の設定と資料作成
4-1. 集客(オンライン) : ブログ、note、Twitterの投稿
4-2. 集客(オフライン) : 知り合いへのドブ板営業
5. LP作成 : Peatixのイベントページ作成
6. 商品提供 : 当日の対談イベントの実施
7. 集金 : Peatixからの振込
セミナーやイベントもビジネスなので、一人称ですべて回してみることで、一連の流れを理解することができました。サラリーマンだと、この流れの中の一部のみを仕事としてやっていることが多いですが、20人弱規模のイベントでも一度自分で企画・運営してみることで全体感を身をもって理解することができました。
これは自分の中では非常に大きな収穫でした。
【理由2】自分の味方が誰なのかを正確に把握することができた。
今回のようなイベントを主催すると、自分の前には2種類の人間が出てくることが分かりました。
1. 自分の味方をしてくれる人
2. そうじゃない人
私の味方をしてくれる人は、お金で買うこともできるし、私の行動を見てくれて、お金を払わなくてもサポートしてくれる人が現れました。自分が当イベントを運営しようと思った時に、自分が作りたいイベントは、自分1人では到底実現できないことが多くありました。そこをサポートしてくださる方々が多くいらっしゃったのは、本当に幸運でした。感謝の気持ちでいっぱいです。
逆に、敵ではないけれど、味方でもない人も出てきます。というか、この人たちがほとんど。今回もご覧の通り、想定したよりも集客できていなかったので、匿名でやっているこのイベントを自分の知り合いに直接伝えたり、出身大学のコミュニティに投稿したりとドブ板営業もしました。
・既読スルー
・コンサル戦士wwwwなにそれwww
・にぃやんがんばってwwwww
・なんなんこのブログ
これまでの知り合いからは、既読スルーと嘲笑の嵐でした。
ただ、唯一起業をしている友人からはこんなコメントがきました。
・おー!すごいやん!ただ今回は予定が合わんねん!
・ブログ読んだで!めっちゃおもろいやん!
このように自分で何かをしようと企てた時に、本当に味方になってくれる人と、そうじゃない人を明確にすることができました。
メンタルは比較的タフな方だと思っていたのですが、自分が味方だと思っていた人がほぼ全員そうじゃないと分かると、なかなかメンタルにくる。
n = 1のサンプルですが、サラリーマンの友人は全員こういった行動に対してネガティブな反応を返してきます。サラリーマン以外に別のコミュニティに所属していたり、起業等を経験している人は、比較的味方になってくれる可能性が高いです。(完全に主観です。)
【理由3】自分の知らない分野を強制的に身に付ける機会にできた。
今回のトークテーマであった「右脳と左脳」の右脳部分は、私にとっては未知の領域でした。ただ、全くインプットをせずに臨むわけにはいかない(参加頂く方に失礼)ので、強制的に知らない知識を補完することができました。
また、これらの情報からトークテーマに合う内容を編集し、来場いただく参加者の方々の層を想像しながらアウトプットしたので、自分の中では情報の編集能力が少し上がったかなと感じています。
これまで未リーチだった分野について短期間でインプットして、アウトプットする場になったので、デザイン思考の基礎的な部分の理解につながったと実感しています。
でもビジネスとしては失敗ですよね?
はい。このイベント単発で見るとビジネスとしては明らかに失敗。
単純に17万円の赤字って意味不明。
通常だと現実として受け入れられない。
ただなんとなく、お金が入ってくる仕組みが見えたので、後はパラメーターを調整して、流れてくるお金の量を調整すれば、17万ぐらいは返ってきそうな感覚を得ることができました。
多分、何言ってるか分からないと思いますけど。
うん、だから失敗。
とりあえず来てくださる方に満足してもらえることだけを考えた
今回のイベントに来てくださった方は大きく3つに分類できます。
・観客として来てくださった方。
・対談相手として来てくださった方。
・サポートとして来てくださった方。
観客として来てくださる方の満足度の検討
2,000円という金額よりも価値を感じてもらえるようにイベントを設計した。
ー ソフト面の設計(コンテンツの内容)
正直、コンテンツ内容は客観的に値段が付けられない。
自分の講演資料の品質を、普段のコンサルタントの業務と同じレベルまで引き上げれば問題ないと考えていました。
普段、コンサルフィーとして頂いている金額(月額〇百万円)と同等の資料品質を実現すれば、2,000円という期待値は超えていけるだろうと楽観的に考えていました。
また、当日の資料はイベント終了後に参加者に配布する形をとり、対談内容に集中してもらうように設計しました。
ー ハード面の設計(イベント会場とプラスアルファ)
会場に関しては、客観的な指標で満足度を測ることができます。
・駅から近い
・人数に対して席に余裕がある
・清潔、きれい
・トイレが居室内にある
上記をすべて満たした会議室を探しました。単純に、汚い雑居ビルの狭い貸し会議室みたいな所にお呼びしたくなかったというのもあります。
メインコンテンツプラスアルファを準備した。
今回準備したのは、以下の4つです。
・司会
・グラフィックレコーディング
・動画撮影
・写真撮影
この4つが揃うと、一気にイベントのラグジュアリー感が出ます。
そのラグジュアリー感の中でイベントに参加することで、確実に値段以上の体験をお届けすることができたと感じています。
正直、登壇してる側が一番気持ちよかった。
対談相手として来てくださる方の満足度の検討
対談相手が気持ちよく話せるテーマ選びをした。
テーマ選びの基準では、以下を意識した。
⑴ 市場に求められているか。
⑵ 対談相手の土俵か。
⑶ 自分が知りたいか。
今回特に重視したのは、⑵の観点。
対談相手にどれだけ気持ちよく話してもらうか。
ネタバラシをすると、今回のトークテーマは「右脳と左脳」の二項対立型であり、前田さんには右脳のスペシャリストとして来て頂いたが、私は前田さんが左脳でも十分戦える方だと知っており、このテーマを選びました。
そうすることで、一見前田さんの土俵とは違う左脳のテーマで話してる時も、前田さん自身のご経験をお話しやすくなるようなコンテンツにしておきました。
実際に前田さんは、ご自身のデザインの提案の際には、クライアントの問題点を掘り下げ、ご自身のデザインによってその問題が解決することができるというストーリーを固めた上で、プレゼンされると対談でもお話頂きました。
まさに作戦通りである。
また、最近前田さんが出された本でも、「右脳」と「左脳」というキーワードが出てきており、必ずフィットするという確信がありました。
サポートしてくださる方の満足度の検討
サポート頂いた方々のお名前と、サポート頂いた内容が、具体的に分かるように積極的に露出させることを意識しました。
今の自分に返せることは、これぐらいであり、今後はサポート頂く方々にまでお金が流れる仕組みを構築したい。
現状の自分に対してサポート頂いた方々には本当に感謝しかない。
感謝とともに、恩に報いることができない自分に対し、非常に悔しさを感じています。
今後はどうしていくのか。
オフラインイベントを多数企画して実施していきたいと思います。
今、話せるテーマはこんな感じ。
・ロジカルシンキング
・資料作成(スライドライティング)
・法人営業
・業務コンサルティング
・サラリーマンの転職
左脳型のテーマに寄っていますが、上記だと私単体でも十分に価値のあるお話をすることができます。
もちろん、機会があれば今回のような対談イベントも企画できればと思いますし、ご興味があればお声がけ頂けますと大変嬉しいです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。