RR#2 あの窮屈な日々で出会いたかった本『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』
Reading Record(略しRR)2回目は、
標野凪さんの『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』です。
#2 今宵も喫茶ドードーのキッチンで。
著者:標野 凪
読みやすさ ★★★☆☆
窮屈なあの日★★★★★
ほっとする ★★★☆☆
疲れた人に ★★★★☆
-あらすじ-
住宅地の奥にある森の中のようなお一人さまカフェ「喫茶ドードー」。コロナ真っ只中の日々に、SNSに追われる日々に、世の中の暗黙ルールに振り回される日々に疲れた人たちが訪れる。
まるで処方箋のように、その人にあったメニューを店主「そろり」が提供してくれる。
いろんな人たちがそのカフェに行き着き、心を解きほぐされてこれからを生きて行く、短編集。
-ここから感想-
※ネタバレ含みます※
短編集って、いろんな話が詰まっているのはもちろんのこと、
ちょうどいい具合に読み切って、休憩ができるので好きなのです。
そして、単行本の裏のあらすじに『「あなたの悩みに効くメニュー」をご用意しております。』という文字に、これは私のための本かもしれない、と購入。
癒されました。
非常に。
ただ、コロナ待っただなかの時に読みたかった!!
もっと早く出会っていれば、あの時の辛いこと、歯がゆい悩みが少し癒されていたかもしれない。
ただ、「癒し」でなくて、
新しい考え方をくれる感じのお話しです。
まさに「処方箋」を提供してくれる感じですね。
コロナが落ちついた今でも、
SNSに疲れた人、
自分勝手なお客さんにもやっとしている人、
熱量を持ってずっと頑張ってきたのに、なんだか疲れてしまった人、
にはとてもよいお薬になるかもしれません。
私の感じたのは、
所謂お薬、というより「漢方薬」を処方してくれます。
漢方って、(浅い知識ですが)
効果がほとんど同じ薬はいくつもあるんですが、
同じ悩みであっても、
その人の体質(太り気味、痩せ型、胃が良い、汗っかきとか)に合わせた漢方が処方されているんですよね。
つまり、
同じ悩みでも根本が違う。
「喫茶ドードー」が処方してくれる「効く」メニューは、
目が疲れたら、目にいいものを、というものでありつつ、
そのメニューにまつわるストーリーから、その悩みの根本の棘を抜いてくれるのです。
こんな喫茶店、あるといいですね。
ドラマ 『スナック キズツキ』
この小説を読んで、とあるドラマを思い出しました。
『スナック キズツキ』というテレ東で放送されていたドラマです。
(原作は漫画のようですね)
このドラマもなかなか癒される1話完結お話しで、
怒るほどでもないけど、泣くほどでもないんだけど、
もやっと、もやもやと、
心が傷ついた時に訪れると、お酒のないスナックのママ(原田知世さん)がそっと傷を癒してくれます。
もし、もやっとすることがあった人は、見てみてください!
ajuko
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