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ロマンチック“スパーン!” 故郷神戸の原風景「ヴィーナスブリッジ」

「スパーン!な風景」を欲する自分


私は、「スパーンッ!」と目の前が開けた景色が好きだ。時々そういう開放的な風景の中に身を置かないと息苦しくなる。

(東京で「スパーン!」と開けた風景を見つけた時の記事は、こちら↓)

「スパーン!」の原風景、「ヴィーナスブリッジ」


私のその「スパーン!」の原風景。それは、六甲山麓から見下ろした故郷神戸の街並み、港、その奥に広がる大阪湾だ。裏山をちょっと十分ばかり歩いて登ったら間の前に広がるパノラマは、日々の疲れを吹き飛ばしてくれる。

そのパノラマポイントは六甲山麓各地にたくさんあり、それぞれの良さがあるのだが、初めて神戸に行かれる方にぜひ行ってほしい所がある。

それが、「ヴィーナスブリッジ」。

「ビーナスブリッジ」という表記が正式なようだが、「ヴィ」と書くことも多く、子供の頃はこの表記が面白いなと思っていた。大人の今、「ヴィ」は味があって好きだ。やはり「venus」は「”ヴィ”ーナス」。😀

で、このヴィーナスブリッジ。ブリッジと言っても川や海にかかる橋ではない。山腹にある歩道橋だ。このGoogle Earthでイメージしてほしい。港と海に挟まれた神戸市街。その山裾にある。

Google Earthの画面より

車で行くか、歩いて登るか?


Google Earthでアップにするとこんな感じ。街の端から少しあがった山裾にある。

神戸の中心三宮からタクシーで行けば十分程度だろうか。徒歩では、市バスで「諏訪山公園下」まで行って、そこから十数分程度山を登る。標高百数十メートルの楽な登山道だが、思ったよりも山深い感じもあり、夕方以降は暗くなるうえ、イノシシもたまに出てくるとも言われ、注意も必要だ。

Google Earthの画面より

私はいつも歩いて登る。途中に「ヴィーナス(=金星)ブリッジ」の名前の由来になったという金星台という公園広場がある。明治時代にフランス人天文学者がここで「金星の太陽面通過」を観測したことにちなんだという。あと、あの中国の革命家・孫文に関係した「孫文先生諏訪山潜居の地」の碑もある。今回は単にヴィーナスブリッジの紹介なので割愛するが、孫文と神戸の関係は色々と面白い。

十数分の「裏山ミニ登山」で到着!

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ああ、やっぱりいい!スパーンと視界が広がっている。

手前に山裾の緑があるのがいい。山と街の中心部がここまで近接している大都市は、日本にそんなに多くはないはず。そう、まさに、神戸っ子がいつも口を揃えて自慢する(時にそれがウザイと嫌われるが。笑)、「適度に都会で山あり海あり」を体現している風景のひとつだ。

街の上空に浮遊する

そしてこれが、八の字螺旋状の全長90メートルのヴィーナスブリッジ。山腹に突き出しているので、橋の上に乗ると、街の上空に浮遊しているような錯覚に包まれるのが魅力。

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東京では、ビル屋上のオープンエアーな展望台もいくつか出来て、私もお気に入りだが、大多数の展望台はタワーの上やビルの高層階なので、ガラス一枚を隔ててしまうのが残念。その点、ここは風を感じながら、山からふわりと飛んで街の上に浮いているような感覚になれるのが最高なのだ。

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夕刻を楽しむ

時間に余裕があるならば、夕方ちょっと前に行くのがおすすめ。
この日もしばらく待っていると、夕陽で遠くの雲がオレンジ色になってきた。

神戸の街も、人工島のポートアイランドも夕焼け色になってきた。

地元の人が散歩やジョギングで上り下りしている。

”散歩”で裏山に登り、パノラマが見られる幸せ


高齢の方もたくさん来ている。ある女性に聞いたら毎日散歩コースとしてここまで登ってくるという。「イノシシ出ません?」と聞くと、「私はまだ会ってないけど時々出るみたいね(笑)」

人を襲うイノシシがよくニュースになる。私も小さい頃に裏山でよく出くわしたけど、あまり怖いと感じていなかった。子連れのイノシシは興奮しやすいことなどもみんな理解していて、彼らを刺激することなく、いつもうまくスタンスを取って彼らと別れていた。神戸っ子はイノシシとうまく共存しているのだろうか。しかし、神戸から離れてもう何十年も経ち、もしイノシシと出会ったらと想像するだけで異常に恐怖感を抱いている自分に気づく。野性の大事な感覚を少し失ってしまったような感じがする。

それにしても、時にイノシシにどきどきしながらも、毎日十数分の散歩でこんなパノラマが楽しめる生活。なんて贅沢な!

西の空がどんどん焼けていく。
カァカァ。カラスの群れがねぐらに帰っていった。

橋の電灯も点いた。

街の灯りも点き始める、夜景への助走時間もいい。

無敵の夜景

やっぱりロマンチック!沖合をゆっくりと走る船をじっと見ているだけで優しい気持ちになる。神戸のデートスポットの王道だ。

ただ、そういう話になると必ず言われるのが、「ここに来たカップルは必ず別れる」というジンクス。東京で言えば井の頭公園で似たようなのがあったな。笑
ちなみに、高校卒業時の私も、そのジンクスの信憑性!?を高めてしまったが😅

そんなことはどうでもよくて、やっぱり何度来ても、ここはウットリする。嫌なことがスーッと消えるような感覚。

神戸の夜景は、摩天楼が建ち並ぶ、交感神経の強いギラギラした成功者が見たがる大都会の夜景ではない。手前には山の漆黒があり、その先に、それこそ”適度な”キラキラがあり、海が向こうに開けていて、副交感神経が強いような優しい夜景だ。

ところで、かつては「100万ドルの夜景」、今は「1000万ドルの夜景」に格上げしたとか。この表現の由来については、見えている場所の電気料金の総計だとか色々言われているが、どうなんだろう。ちなみに100万ドル、米ドルなら円安の今は1億4500万円、1000万円なら14億5千円か。でも、前述のように華やかさを競うのではない優しい夜景だから、値段はどうでもいい。

さあ、すっかり暗くなった。帰ろう。

どうしよう、タクシーを呼ぼうと思ったが、アプリで見ても近くを通ってないみたいだ。歩くか。

でも、上がってきた山道は、真っ暗。情けないが、内心イノシシに会わないかかなりビクビクしながら、熊よけの感じで、ちょっと大きな音を立てながら、スマホのライトで足元を照らしながら、暗い山道を急いで駆け降りた。


おまけ: 私の”普段着”のパノラミック原風景は・・・

以上が、一番おすすめの「スパーン!」夜景スポット、ヴィーナスブリッジ。

しかし、私にとってヴィーナスブリッジは、やはりちょっと特別なもの、よそ行きのものでもある。

同じ六甲山麓から見下ろした神戸のパノラマでも、私が自宅からちょっと裏山を登っていつも見ていた風景の方が、本当の原風景かもしれない。

それが、この風景。

小さい頃友達と裏山探検をした時も、中学時代裏山で飯盒炊さんをした後も、高校時代に友と将来を語る時も、一人で東京や外国に思いを馳せる時も、この風景を、自然に普通に見ていた。


私は今後どこにいても、「スパーン!」なパノラマを探し続けそうだ。


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きょうも最後までお読みいただき、ありがとうございました。
AJ 😀


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