2024年 マインドフルな旅 -2 (ベトナム フエ②)
2024年9月のマインドフルな旅のメインの目的はティク・ナット・ハンが修行した慈孝寺(Chùa Từ Hiếu / Tu Hieu Pagoda)を訪ねること。
フエに着いた翌朝に訪問した。
慈考寺までの道のり
当然ながら、フエの土地勘が全くない。
Grab(東南アジアでメジャーな配車アプリ)で簡単に行って帰ってこれるのかも分からない。少しリサーチしたところ、往復のドライバーは事前手配しておいた方がよさそう。
もう少し調べると、慈孝寺で唱を聞くことができるツアーを見つけた。この他、8時間以上をかけて幾つかのお寺で瞑想等に参加するという内容で少人数のグループツアーだった。これに申し込むかフエに着いてから情報を探そうか。
結果、グループツアーは申し込まず、現地に着いてからプライベートのガイド兼ドライバーさんをアプリから手配した。この選択はマインドフルにしたことをとても覚えている。
Wise choice (賢い選択)
グループツアーかプライベートツアーか。
私は自分の心と身体に聞いてみた。
慈孝寺でお話は聞きたい。だけど8時間も見知らぬ人と一緒にしかも早朝から何か所も訪ねてセッションを受けるエネルギーがあるのだろうか。行動力だけは褒められる私が勢いで選択できないこのためらいは何だろうか。どちらを選んだら私は満足するのだろうか。
結果、プライベートツアーで静かに訪問することを選んだ。
MBSRのコースを受講している時に”wise choice (賢い選択”についてのお話があった。その後、私はこの“賢い選択”がどういうことなのか分からなくなっていた。私は賢く選択しているのだろうか?そもそも“賢い選択”とは何だろうか?
私はマインドフルネスを習得していけば、自ずと“賢い選択”もできるようになると当初は思っていた。ただ幾度となく“賢い選択”ができていないと思える自分に迷い、リトリート時やマインドフルネスのグループセッションで“賢い選択”が何か分からなくなっている、と話した。
その際のインストラクター(と呼ぶには相応しくないが)のコメントは「ここにいるみんなを代表した問いですね」と。
今の私は“賢い選択”はマインドフルに選択していくことだと思っている。そのつもりで選んでも、これで良かったのかな、と思うこともある。そのインストラクターのコメント内容を考えると、きっとずっとこの疑問は持ち続けるのだろうと自分に落とし込んだ。
(リアルタイムで今、こうした方が心と身体は喜ぶだろうと分かっているのに、決めきれない自分に気づいている)
話を戻して、帰国した今、慈考寺で唱を聞くことはできなかったけど後悔は全くない。縁があればその機会はあると思っている。私の選択と、その選択をした結果、半日案内頂くことになったガイドさんのおかげである。
仏教徒のガイド兼ドライバーさん
プライベートツアー当日(フエに着いた翌朝)、約束の10分前にお迎えに来てくれた。
Haiさんが私のガイド兼ドライバーとなった。ガイドさんらしくオープンな人だった。
挨拶をし、フエに来た理由をペラペラペラペラペラと話した。
ティク・ナット・ハンの教えが
どういう環境から生まれたのか
タイが見ていた景色を私も見たいから私はフエに来た
だから慈考寺に一番時間をかけたい
可能ならそこで瞑想会に参加したい
(その後◯◯と◇◇に行きたい)
前のめりな説明後、子供の頃に両親とともにフエに引越し、それ以来フエに住んでいるというHaiさん自身が信心深い仏教徒であると教えてくれた。
そういうリクエストを受けたことがないから分からないけど、瞑想会があれば参加しよう!時間が合わなければまた戻ればいい!とHaiさんは言い、早速、慈考寺へ向かった。
全てがここにはある
のどかなフエでも私が泊まったホテルは宮廷まで頑張れば徒歩圏内。少し歩けばお店もたくさんあるエリアにあった。ホテル近辺は交通量も多く、信号が壊れてたので道を渡るのも一苦労。マインドフルに歩いていると危ない。
そのようなベトナムらしい印象のエリアから車で走ること約20分。風景はすっかり変わった。現地の人が普通に暮らしていると分かり、緑が増え、勘でその近くまで来ていると思わざるを得ない景色。
ふと現れたパゴダのゲートを車で潜った。
車から降りたところ。
そこは歩きたい、立っているだけでも良いと思う土壌、緑、花、果実、池、小川の流れる音に鳥の鳴き声。心地良い風に優しい小雨。町とは違う新鮮な空気。談笑している地元の人たちと全体の優しい雰囲気。
全てがここにはある、と思った。
空気が明らかに町と違う。
五感で感じる穏やかな雰囲気。
前のめりさや怒り、感情をあらわにした笑いや喜び、という振り幅のある行動や感情を一気にニュートラルなポジションに戻す力がありそうな場所。
知らない国の方が多いけど、独特な日本の自然は世界に誇れると思っている。世界一と言いたい。ただここの空気は穏やかで、心のどこかで日本以上の自然はなかなか無いと思っていた私は想像以上に感動していた。町とは明らかに違う空気。しばらくここにいたいと思っていた。
●●● 短いですがInstagramに動画をアップしています。もしよろしければ、少しでもこの穏やかさを感じてください ●●●
Haiさんは参加できる瞑想会はいつやっているかお寺の人に聞いてくれた。深夜にやってるが、信者はリクエストベースだ、とのことで瞑想会への参加は叶わなかった。
本堂でお線香をあげ合掌。私は宗派は問わない数珠を日本から持って行っていた。とても平和な空気が流れていた。
私のペースにHaiさんは合わせてくれていた気がする。ゆっくりお寺内を散策した。
再訪
そして翌日(フエを去る前日)、ドライバーさんだけ手配して1人で2時間ほど滞在した。小雨が降っていたがそれがまた空気をより綺麗にしてくれるようだった。私は小雨は好きなのでより心地良かった。
場所をお借りして1人正坐瞑想をした。
呼吸、音、目に見えるもの、身体の感覚、集中できる場所だった。私以外には西洋の女性が1人、瞑想をしていた。歩く瞑想もした。この大地の感覚は今もはっきりと覚えている。
そしてマインドフルに過ごせていない日々から脱出するようにベトナムに来たけれど、ここで一気に私にはマインドフルネスのプラクティスは必要であり、行いたいこと強く再認識をした。
前のめり気味な性格であるのも自分であり、静かに1人瞑想することを求めるのも自分。マインドフルネスを学び始めた時、『新たな自分を発見』することになるかもしれないというお話があった。様々なプラクティスで人体実験をし、後者が私が最初に気付いた『新たな自分』だった。(後にこの『新たな自分』という壁にぶち当たることにもなる) ただ、やはり、私は静かに座る時間が必要だ。
そして書いている今、気付いた。
マインドフルな旅と題したけど、この旅は『推し活』ですね。遠くまで行きましたね、私。
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