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不登校、借りられる力は借りましょう

こんにちは、愛音です

今から20年以上前、中学時代に不登校になりました。当時は不登校ではなく「登校拒否」と呼んでいた時代です。
登校することを拒否する。こうやってかみ砕くとなかなかのインパクトのある言葉です。だけど私の場合は拒否、ではなくて「登校拒絶」でした。拒否よりも深刻でした。
紺色の制服は切り刻みたくなり、教科書には恐怖と気持ち悪さから触れることが出来ず。学校を心から拒絶して生きていました。

娘が拒絶している間、家族は何をしていたかというと。今ほどネット情報、SNSも普及していない時代なので、母は頼れる友人から児童相談所という場所をまず教えてもらいました。しかしこことはめちゃくちゃ、最大級の相性の悪さでした。おそらくそれは児童相談所が悪いのではなく、私が悪い。学校拒絶で終わればいいものの、生きることを拒絶し始めたからです。
いわゆる辛さから生まれる自殺願望、漠然と浮かんでくる希死念慮。実際にカッターでの自傷行為が全く止まらない。
家族は疲れていました。少なくともそう見えたんです。学校にいけないだけの問題じゃなくなった。14歳でここまで濃い「死」が浮かび離れないこと。そして腕を切り続けること。痛みを感じずにひたすら切っている。この子になにをしてやればいいのか?

児童相談所を通うのをやめたのは精神科を紹介されたからです。大げさでなく命に関する、命を消してしまうかもしれない状態の子は児童相談所では対応しきれないです。だから精神科で専門的に診てもらうべき。
そして中学3年生の4月に精神科に初めて行きました。ここで家族はおそらく腹をくくった。世間体とか関係ない。精神科に娘を通わすことを恥と思ってはいけない。今の愛音は単なる学校拒絶じゃない、生きることへの希望も意味も忘れてしまっている。それなら心の専門家に任せよう。

ー家族の見守りの愛だけじゃ、わが子を救えない

この判断をしてくれたことに今も深い感謝をしています。もし世間体を気にして、うちの子は精神科にかかるほどおかしくない、その選択肢を選んでいたら、私の命は早くに消えていたことでしょう。
娘は、愛音は、病気だ。これは苦しい判断…とは少し違ったようです。見るからに普通とは離れている私の様子を見ていた両親にとって大切にしたのは、両親の辛さじゃない。私の、娘の辛さを最優先にしてくれた。だからすぐに精神科に向かいました。

辛いのは誰?
家族だけで救える?
一番大切にしたいことはなに?

両親は沢山悩みながらも、行動力、判断力は早い。なぜなら目の前で叫んで、泣いて、怒って、落ち込んで、そして最後はいつもカッターを握る娘がいるんだから。ここで悠長に構えていたら、きっと手遅れになる。それに対して危機感があったのかもしれないです。

今も不登校は数が増えています。学校に通えない子がいます。その子たち全員が私のように、実は障がいと生きていた。というわけではないでしょう。障がいがなくても、生きづらさは感じています。周りと違う、同じことが出来ない、人と会いたくない、人の会話や目線が怖い。様々な生きづらさがあり、不登校になる。もう不登校の原因はイジメだけじゃない。私が思うに、生きづらさかと。
性格、個性、繊細さ、協調性などが周りとかみ合わなくて、自分だけがおかしいと感じてしまう。そこから教室にいるのが苦しくなり、保健室でも苦しくて、学校へ行けなくなる。

それを親側が頭で理解しても心で納得できるまでには時間がかかります。うん、時間がかかってもいいんです。それだけ真剣に考えていることになります。そして真剣に考えるのが辛くなったら、ご飯の支度も億劫になるかと。そんな時は美味しいお惣菜を食卓に並べましょう。これは母がやってたんです。我が家はお惣菜ではなく、滅多に買ってもらえないめちゃくちゃ美味しい焼肉弁当でした。一緒に買いに行って、目の前でお肉を焼いてもらい、熱々のお弁当を家でニコニコして食べる。この「焼肉弁当作戦」母は夕飯を作らなくていい楽さだけでなく、私がニコニコして、普段なら精神不安定からご飯は残したりするのに、この焼肉弁当はペロリと平らげます。その姿を見ると苦しかった心から空気が抜けてくれた、と後になって言ってました。

不登校と家族の問題はコレで一発解決!というものはありません。子供の数だけ向き合う問題があり、その数だけ解決方法がある。
苦しいです。イライラします。怒りたくもなります。その時に「私よりも苦しいのは子供だから」そう思わないでいいと思っています。だってお父さんもお母さんも、完璧じゃないです、一人の人間です。そして我が子と向き合うのも人生で初めての経験です。

苦しくていいんです
迷っていいんです
怒ってもいい

忘れないでください。苦しいのはお子さんです。でも、お子さんとは別の視点で親御さんも苦しいということを。
苦しいのは恥じゃない。頑張って向き合ってます。その頑張りに疲れた、夕飯はお惣菜を買ってみてはいかがですか。借りられる力は借りていいんです。夕飯の支度は必ずしも親がやるべきことじゃない。
家事を一つ減らして、パンパンになった心から空気を抜く、という方法をとってもいいと思います。空気が抜けたら、ずっと笑えなかったのにふとした時に小さく笑みがこぼれやすいです。

子供ってね、親の笑顔を見ると安心するんですよ
自分のせいで苦しい思いさせていると感じ取る子ほど、親の笑顔は救いです

*愛音*

2025/01/30
眉間のシワ
難しい顔
心の空気を抜いてください♡

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愛音
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