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優しさの思い出は宝箱へ

こんにちは、愛音です

朝から冷たい雨が降っています
皆さん雨は好きですか?
今回は雨と兄との思い出話を

☔☔☔

中学1年の夏休み
留守番中に学校に行ってた兄からメールが
傘を持っていないから駅まで傘を届けてと
すぐさま兄の傘を持って出掛けました

家から駅まで10分の距離
お兄ちゃんが待ってる、早く行かないと、
早く、早く、

駅につくと電車がトラブルで着いていませんでした
駅員さんに聞いてもいつ再開するか分かりませんと

電車は隣の駅で止まっていました
どのくらい待つのか分からない
お兄ちゃんは学校まで行って疲れてる
少しでも早く家に帰りたいかもしれない

よし!

私は隣の駅まで歩き出しました
子供の足で20分もあれば十分着く距離
小学生の時は遊ぶために歩いたり
自転車で行き来していた馴染みの道です

夏、雨が降っても汗が出る
でも兄に少しでも早く傘を渡したかった
頼まれたことも嬉しかった
駅についてホームに入り制服を着た兄を見つけます

「お兄ちゃん、迎えに来たよ」
「え、愛音歩いてきたの?」
「うん、電車まだ止まってるから」
「それはご苦労さま、助かった」

兄に傘を渡してホームを出ました

並んで帰る…と思っていたけど
兄は私の先を歩き出しました

心なかでは、寂しかった
せっかく傘届けたのに、一緒に帰りたいのに、
でも高校生のお兄ちゃんなら
中学生の妹と並んで歩くのは恥ずかしいよね

家から隣駅まで歩いた私は疲れていて
ゆっくり歩いていました

先を歩く兄、でもあることに気づきます
兄は何度も何度も
後ろを振り返ってくれてることに

最初は車が来ないかとか見てるのかな?
と思ったけど、これは違う
車ならこんなに何度も見る必要はない
なによりここは車が多く通る道ではなかった

ということは…
私がちゃんと後ろをついて歩いてるか
気にしてくれてる
素直な私は我慢することなく笑顔に

足は疲れたけどお兄ちゃんと傘をさして
2人で帰っている
後ろを歩く私を振り返ってくれてるお兄ちゃん
高校生になったお兄ちゃんだけど
妹を気にしてくれる優しいお兄ちゃんのまま…

駅を出て歩き出したときに
待って!と走って先を行く兄の隣に行ってもよかった
だって一緒に帰りたいから
でもそうして隣を歩くよりも
後ろを振り返ってくれる方が
何倍も優しさを感じて嬉しかった

夏の雨の日、
大好きな人に傘を持っていった
トラブルで隣駅まで歩いた
帰り道は歩いた疲れを感じてしまったけど
小さいときから変わらない妹思いのお兄ちゃん
その優しさがなによりのご褒美でした

雨が降ると振り返ってくれた兄の姿を
そっと思い出します
でもこのことを鮮明に覚えているのは
きっと私だけだね
この日のことは大切な宝箱にしまっておくから
絶対絶対、忘れない、なくさないよ

*愛音*

2022/11/15
雨が降ると空はお預けですね…

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