テンポがいい小説と悪い小説
「小説のテンポ」って気にしたことありますか?
文章の速度感、展開の速さのことですね。
これ、ライトノベルでは大変重要な要素になります。
テンポの悪いエンタメ小説って……なんかちょっと、
違うような気がしませんか?
テンポを決めているのは、
まずは展開の速さになります。
次から次へと展開していく物語は、
ジェットコースターに乗っているかのよう、
もしくは速いスポーツカーに乗ってるイメージ。
爽快感のあるテンポが心地いいですね。
一方で、なかなか話が進まない、
展開が遅い小説というのもあります。
これは場面やエピソードをどのように見せるか、
どう切り取るか、という作者の手腕、センスの問題になってきます。
展開が遅いけど面白い小説も、もちろんあります。
特に心の描写や、ある特定の分野での描写に
力を入れた作品などは、しっかりじっくり読ませることに
力を注ぎますので、展開は遅めになります。
しかし、ことライトノベル、キャラ文芸、BL、TLに
関して言うと、展開が遅い=面白くない、
と読者が思ってしまいがちです。
軽く読めるエンタメ小説は、やはりある程度の
展開の速さというものが求められます。
次にテンポを決めているのは、文章の書き方、
描写の分量です。
文章が長く装飾が多いと、どうしてもテンポは
ゆっくりになります。
一方で、文章が短く勢いがいいと、テンポは
速めに、サクサク読んでいく印象になります。
コメディは絶対にテンポがよくないといけません。
逆に言うと、テンポが速いとコメディ感が出てきます。
しっとりさせたい、感動させたいなら、ある程度、
テンポは落とさないといけないんですね。
その場合は描写をどのくらい入れるか、
ということで調整できます。
これは今までにも言ってきた、
「小説の緩急」にもつながってきます。
つまり、じっくり読ませたいところはしっかり微細に書き込む、
さらっと読ませたいところはあまり書き込まない、
ということです。
小説の緩急やテンポ感にまで気を配れるようになると、
かなり上級者と言えると思います。
さて、最近はプロ作家の方からもご好評をいただいている、
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私の専門とするライトノベルやBL、TLで
ご依頼をいただくことが多いのですが、
小説のテンポが遅い方というのは、やはり
どうしてもラノベに向いていない印象はあります。
どちらかというと、一般文芸よりな書き方に
なってしまっているのです。
一方でテンポの速い方はラノベやコメディに向いています。
なので、「感動した!」というよりも、
「面白かった!」を目指すとうまくいきます。
ここで問題になってくるのが、
「テンポを速めたい」「テンポをゆっくりにしたい」
といった時に、どうするか、ということなのですが、
こればかりは「ご本人の持っているテンポ感」で
小説を書いているので、直すのはなかなか難しくなります。
「ここを直せばいい」「ここに気を付ければいい」
という局所的なものではなく、
全体的に流れているものになるので、直すのは至難の業です。
簡単なのはジャンルを変えること。
そして目指す作風を変えること。
自分のテンポ感を直すのは難しいので、
住む場所、目標を変えてしまったほうが早かったりします。
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発売後にいろいろ気づいたことがあるので
いずれ記事にしたいと思います。