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『1984』と『攻殻機動隊 SAC_2045』に学ぶサスティナぶらない未来の選択

 世界的に広がるサステイナビリティの潮流は、エコバッグの利用やプラスチック削減など、私たちの生活にも浸透しています。しかし、その取り組みは本当に『サステナブル』と言えるのでしょうか? 現状は『攻殻機動隊 SAC_2045』で描かれる表面的な持続可能性である『サスティナぶった』社会に近づいていると言えるかも知れません。この作品では、持続可能な戦争『サスティナブル・ウォー』が描かれ、『1984』の三つのスローガンに似た矛盾が社会に内在しています。

『1984』のスローガンの『War is Peace(戦争は平和)』『Freedom is Slavery(自由は屈従)』『Ignorance is Strength(無知は力)』は、統制と支配を正当化する逆説です。このような表面的なキャッチフレーズは、現代社会でも見受けられ、問題解決にはなっていません。実際、企業や団体が掲げる『サステイナブル』の多くは、単なるアピールに過ぎず、その本質を欠いています。

『サステイナブル』と『サスティナぶる』を見分ける一つの指標は、言葉の使い方です。東京大学のIR3Sが定めた『サステ(イ)ナブル』という表記は、『Susta(i)nable』の正確さを追求した結果であり、近年の『サステナブル』のように『』が抜けた表記の広がりは、日本社会が表面的な取り組みに留まっていることを象徴しています。

 本質的な『サステナブル』を実現するには、行動だけでなく意識改革が必要です。『SAC_2045』が示すように、表面的なポーズではなく、内在する価値観の変化が求められます。

 私は、持続可能な未来を築くためには、自分の行動の動機を見直すことが重要だと考えます。エコバッグを持つだけで満足するのではなく、その選択が未来にどう繋がるかを考えることが必要です。意識が変われば、小さな行動も大きな変化を生む力になります。

 具体的には、消費行動の透明性、技術の倫理的利用、行動の振り返りを提案します。企業や製品の真の持続可能性を見極め、技術が未来にどんな影響を与えるかを考え、日々の選択を見直すことが大切です。これらの取り組みを通じて、真に持続可能な未来が築けるのです。表面的な選択ではなく、意識から変わることで、未来をより良い方向に導きましょう。

武智倫太郎

【以上、原稿のタイトル、著者名込みで、1000文字以内です】

この記事の意味が分からなかった方のための補足

『1984』と『攻殻機動隊 SAC_2045』で使われた三つのスローガン

War is Peace(戦争は平和である)

 戦争が絶えず続くことで、国民の不満やエネルギーが外部の敵に向けられ、国内の安定が保たれるという逆説を表しています。このスローガンは、国家が市民を統制するために、平和と戦争を混同させ、永続的な支配を可能にしていることを示唆しています。

Freedom is Slavery(自由は屈従である)

 個人の自由を追求すると、かえって孤立し、最終的には恐怖や不安に支配されるという考え方です。逆に、国家に服従することで安定と安心を得られるという論理で、個人の自由を否定し、集団への従属を正当化しています。この際に使われる概念が『Doublethink(二重思考)』です。

Ignorance is Strength(無知は力である)

 国民が無知であるほど、権力者にとって統制しやすくなるという考え方です。情報の統制とプロパガンダによって、市民が真実に気付かないようにし、権力者の支配を強化するというメカニズムを示しています。

 これらのスローガンは、オーウェルが描いた全体主義の恐ろしさを象徴しており、逆説的な表現を通じて、権力の欺瞞とプロパガンダの危険性を強調しています。『SAC_2045』のストーリーは、『1984』へのオマージュ作品として、その要素を引き継いでいます。

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