ブランド化の最終形態の一つはアート?
▼先日、友人たち夫婦とともに地元で有名なレストラン、ヴィラ・アイーダ(Villa AiDA)さんを訪れました。
シェフの小林 寛司さんは4年前に情熱大陸で取り上げられたり、ミシュランで二つ星を獲得しているので、もしかするとご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
お客様の中には、わざわざ東京からヘリに乗って食べにくる方もいるそうです(驚)。
アイーダさんの料理体験に触れ、様々な気付きをいただきましたが、それらをひと言に凝縮すると『どんな業種でも突き詰めていくと、アートになるのだなあ』と感じました。
様々な意見があると思いますが、アートにまで昇華させることは、ブランドの最終形態の一つだと私は考えています。
(補足すると、あくまで方向性の一つなので、アートまで昇華させることを推奨している訳ではありません)
▼私はアートには2つのタイプがあると考えています。
たとえば、「ひまわり」で有名な画家、フィンセント・ファン・ゴッホは生涯で1枚しか絵が売れませんでした。
実際には風景画のデッサンも15枚ほど売れていたみたいですが、それでも生涯でたったの16枚です。しかも、そのデッサンに至っては、下宿先の夫人がストーブの火を起こすために使っていたという記録すらあります。
なんとも高い火種です(笑)。
しかし、ゴッホの死後、美術の評価軸は変化し、写実的な絵画以外も評価されるようになりました。
そして燃え上がるような内面が反映されたゴッホの作品の人気が次第に高まり、値段が高騰していったのです。
▼一方でゴッホと対象的な画家はパブロ・ピカソです。
ピカソは新しい作品を創ると必ず展覧会を開き、画商たちを呼んで、作品の背景や意図を自ら解説しました。
なぜならピカソは、絵そのものよりも、絵の背景にある物語(ストーリー)に人が惹かれることが分かっていたからです。
さらに、画商が集まると競争が始まり、価格もどんどん上がっていくことを知っていました。
事実、ピカソの遺産は日本円にして数千億円以上あり、生きているうちに最も経済的に潤った画家としても知られています。
▼ゴッホとピカソ。彼らはともにアーティストですが、アートに関しての捉え方が異なることは明らかです。
ビジネスにおいて、仕事をアートの領域まで高めることは、他に替えることができない唯一無二の存在になること。
いわゆるブランド化です。
冒頭でもお伝えしましたが、アートまで昇華することは、ブランド化を突き詰めた先にある一つの最終形態でしょう。
…とは言え、何も解説せずとも、分かる人だけに分かればいいというのは非常にもったいない話。
これは先のゴッホとピカソの話をみて、お分かりいただけると思います。
事実、アイーダさんのHPを見るとトップに掲載しているのは、自店のフィロソフィー(哲学)です。
これ以外にも『人と人がつながる場所へ』『レストランの役割』など、5000文字近くも使い、自分たちの考え方を解説されています。
もし、あなたが自身の仕事をアートの領域まで高めたいのであれば、
『なぜ、その仕事をしているのか?』
という普遍の問いに対して明確な自身の答えを持ち、
さらにそれを伝わりやすいように伝えなくてはいけない。
アイーダさんの料理体験に触れ、そう感じた次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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