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初心。

大好きな絵本作家の原画展をみに、吉祥寺まで足を伸ばす。
今日が最終日。仕事がつまっており、何度かあきらめかけたが、なんとか駆けつけることができた。
小さな小さな絵本屋さんの壁に、18点。カラー作品の実物をみるのは初めて。
寸分たがわず想像どおりだった。
サイズも。色彩も。テクスチュアも。作品とわたしの距離感も。
ちょっとこわいぐらい。でも、あっけないほどに、イメージそのままで、その人の絵はそこにあ

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パフェの定義。

パフェの定義。

パフェとは何か。

一、
パフェは華美であってはならない。高貴でなくてはならない。いずれ朽ち果てるからこそ、煌めく品性を有していなければいけない。

二、
パフェは凝縮されていなければならない。つまり、洗練された単純さに到達していなければいけない。

三、
パフェは緊密かつ軽やかな関係性を構築していなければいけない。密室にあって、なお健やかでいる状態こそがパフェの美徳である。

四、
パフェは繊細

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きれいな字のひと。イデミスギノのケーキについて。

何度か来ている。イートインもしているし、ホールを買ったこともある。これまでレビューしなかったのは言葉が見つからなかったからだが、久しぶりに訪れて、やっと見つけられた。
仕事相手の事務所でスタート打ち合わせ。アメジスト、マングキャシス、メルベイユ、ポムデーブ、フレゼットを購入。すべて630円。自分がチョコ系食べないもんだから、手土産もついすべてフルーツ系にしてしまう。反省。
わたしが食べたのはメルベ

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美味しくて、圧倒しないもの。

美味しくて、圧倒しないもの。

手塚治虫がさ、漫画を描くなら、漫画だけ読んでちゃダメだよ、映画も観なきゃ、って言ったから、トキワ荘のひとびとは、映画をたくさん観るようになった、と赤塚不二夫にインタビューしたとき、教えてくれた。

淀川長治がさ、映画について語りたいなら、映画だけ観てちゃダメだよ、たとえばバレエや歌舞伎も観なきゃ、って言ってたのを、聴いたことがある。

だから、というわけじゃないが、バレエに入れ込んだ時期もあったし

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洗礼。

洗礼は、洗練されていてはいけない。
洗礼は、鈍い痛みをともなっていなければいけない。
洗礼は、初体験でなければいけない。
洗礼は、鮮やかであってはいけない。

やってるよ。
店の入口にかかげられている、その文字を目の当たりにしたときから、わたしたちはある予感をキャッチするだろう。
扉のあまりの小ささに戸惑いながら、わたしたちは予感が確信に変わっていく推移を生きることになる。
なかに入り、牛肉飯を注

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わらび餅ばかり食べて生きています。

若いころ、西のひとと、ほとんど逢うことなく、仕事をしていたことがあった。
夏になると、食欲がなくなるらしく、「わらび餅ばかり食べて生きています」という私信が記憶に残っている。
西のひとの、夏場の、やせ細った躰を、支えるにふさわしいと、考えられる、わらび餅に、出逢ったことがなかった。
そもそも、わらび餅を追いかける趣味は持ち合わせていない。
しかし、時折、食べる機会があると、あのひとが食べていたわら

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タイマンはろうぜ:2009年11月の中目黒「聖林館」

メニューのかくかくしたカタカナ表記からして普通じゃない。これは一種の果たし状に近いノリである。
正午すぎなのにすんなり入店。二階へ、と誘導するピザ焼き職人と女性の態度はクールだが、失礼はない。身構えたり緊張したりするよりも、よし行くぞ、とわたしは軽やかに螺旋階段をのぼった。
THE80年代バーのような雰囲気は、奇をてらってはいないし、無駄なノスタルジアを演出してもいない。
カッコつけてねぇで、かか

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2008年9月の金沢「小松弥助」について。

2008年9月執筆

金沢「小松弥助」

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美しい言葉があるのではない。
言葉が美しくなるのだ。

そんなフレーズを目にしたことがある。
誰が言った言葉かはわからない。
私はいまこう思う。

美しい寿司があるのではない。
寿司が美しくなるのだ。

美しくなる、とはどういうことか。
小松弥助の寿司はそのことを教えてくれる。

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寿司を食べるということ。

「寿司を食べるということ」(2011.3.9)

寿司は基本的に素手でつくられるものなので、こちらも素手で食べるようにしている。
握手するようなものだ。
自分なりの信頼の証。
事実、相手を信用していないと食べられないと思う。
別に衛生面の話をしているわけではなく、ある種、無防備に覚悟を決めないと無理な食べ物なのだ。
ごく一部の店を除いて、わたしは飲食店に通いつめることを、本能的に回避している。

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風立ちぬ。

至近距離で小野二郎の所作を見た。

いわゆる流麗なタイプでも、無骨なタイプでもない。

とりわけ序盤に顕著だったが、米粒が手のいたるところにくっついていたりしたし、作業そのものがことさら美しいわけでもない。

念をこめるようなパフォーマンス性は皆無。

また、言うまでもないが、よくいるスピリチュアル系の握り手ではないから、自身の精神をことさら際立たせるーーこれみよがしなーー態度とも無縁である。

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わたしたちのエロス。

大島弓子が1988年に描いた「夏の夜の獏」のなかに、次のようなフレーズがある。

「あたしね パフェつくるの得意よ 自家製パフェ

大きなガラスの器に 最初に季節の果物を入れて 次につくっておいたシロップをそそぐの その上にバニラアイスを すきなだけ入れて ギュッとおす ギュッとおすとシロップが 上ににじみ上がって きれいなの その上にまた 季節のフルーツ その上にまた アイスクリーム その上に 

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パフェとは何か。

一、
パフェは華美であってはならない。高貴でなくてはならない。いずれ朽ち果てるからこそ、煌めく品性を有していなければいけない。

二、
パフェは凝縮されていなければならない。つまり、洗練された単純さに到達していなければいけない。

三、
パフェは緊密かつ軽やかな関係性を構築していなければいけない。密室にあって、なお健やかでいる状態こそがパフェの美徳である。

四、
パフェは繊細でなけれ

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