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山の思い出

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2020年12月の記事一覧

私の御在所岳

私の御在所岳

私がはじめて御在所岳の山頂に立ったのは、第2次大戦後数年たったある秋だった。
敗戦のショックと慢性的な一億総飢餓の時代。せっかく就職してみたが、満員電車での遠距離通勤と栄養不良で身体をこわし、家で療養する毎日であった。
ある日、窓から北のほうを見ると、緑濃い鈴鹿の山々の中に、ひときわ堂々としたある。青空は果てもなく拡がり、白い雲がほんの少し頂にかかっている。子供のときから山に入って遊んでいたので、

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秘境 有峰

秘境 有峰

北ア薬師岳 2926m へ折立から登りながら振り返ると有峰湖が光る。
いまこの底には本州最奥の秘境、「有峰」の集落が沈む。かってここは生活に疲れた人、ロマンを求める多くの人が憧れ、たどりついたユートピアだった。有峰は周囲を山で囲まれた千m以上の高冷盆地。越中富山から入るには和田川沿いの険阻な道か、飛騨からは峠を越える険しい道しかない。隔絶した土地だった。

明治12年に訪れた最初の外国人は
「13

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大人のハイジ

大人のハイジ

※この記事は、1997年8月初稿のリライトである。

 昭和25年ごろ私は入社した会社の独身寮にいた。仕事に必要なこともあり、外国の放送が受信できる短波ラジオを自作。勤務から帰ると布団にもぐりこみ、ヘッドホンをつけて微弱な電波を探った。そのとき雑音の中から聞こえてきたがスイスの放送。それは日本からいちばん遠い日本語だった。そして本場のヨーデルが聞こえてきた。
「♪♪レール、レール、レルヒャー、レル

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