春うららな年度末。大学研究支援者はアンビバレントな心理戦を静かに戦っている!
こんにちは、aicafeです。
40代、人生時計で14:00頃に差し掛かったところです。
これからの人生の午後の時間の過ごし方を模索中です。
大学職員として研究支援の仕事をしていた頃は、4月から始まり3月で終わる年度単位で一年を過ごしていました。
3月の今頃は、年度末の研究費の締めが終わり、無事に研究費を適切に使い切っているか、購入した物品がきちんと納品されているかを確認している時期です。
研究費の多くは年度を超えて使用できませんので、
年度末はタイムリミットなわけです。
仮に年度末に研究費を使いきれなければ返金します。
書いてみるとそれだけなのですが、何かと面倒な手続きが必要です。
予定どおり研究費を使えなかった理由も説明しなければならず、
次年度研究計画の変更も余儀なくされます。
かといって、研究費を無駄に使い切るのもご法度。
適切に、適正に、研究費が使用できるように、とにかく計画性が必要になります。
でも、研究は想定外の連続だし、計画通りには進まないわけで、
そこで「年度末は計画的に!」と事務がやかましく取り立てると、
研究者の皆さんも「そんなこと言われても無理がある!」と、
不毛な争いの種になりがちです。
そこで、できるだけ前倒して、スムーズに年度末を迎えられるように我々も案内していくのですが、それでも研究プロジェクトによっては、うまく事が運ばず、顔面蒼白で研究室秘書の方や研究者の方々が事務室に飛び込んでくる時期、それがこの3月でもあります。
わたし達も慌てて対応するのですが、
内心「今年もやはり問題は起きたか」と、想定内。
大抵の問題は多くの大学で起きているケースであり、
過去にも経験のあるケース。
ルールに従って適切に対応しさえすれば、
あとはなるようにしかならないことを長年の経験から知っています。
とにかく相手の顔面蒼白モードに釣られないように冷静になることを心掛けていました。
大学の各部門、各省庁や企業と連絡を取り合う時も平静を保つよう努めましたし、
若い同僚にも大丈夫、大丈夫と励ましていました。
今できる対応を粛々とやる。これに尽きるのです。
が、しかし。
こういう対応をした後は、どっと疲れます。
想定内とはいえ、やっぱり問題は起きたか!という落胆。
冷静になることを心掛けつつ、平静を装いつつも、内心は心臓バクバク。
若い同僚を不安にさせないようにと思いつつ、自分が一番不安。
大学の研究支援者は多かれ少なかれ、この時期、
内と外のアンビバレントな感情を操りながら
仕事をこなしています。疲れるわけです。
仕事量は、年度末より年度初めのほうが多いかもしれません。
前年度の各種報告書を取りまとめる作業、確認、提出があり、
新年度の契約やプロジェクト開始のための各種申請もありますから。
でも、パンパンに疲れるのは仕事量の多い年度初ではなく、
圧倒的に年度末です。
心情に反して冷静さを保つための心理的な負担が大きかったのだなと、
疲れて当たり前だわと、今ならわかります。
今なら、体の芯をほぐしたり
タスクに追われ不安に駆られる自分をメタ認知したり
視座をずらして気持ちを緩ませ解放したり
慌てる自分を許したり
心理的負担を減らせると思います。
渦中に居ると獲得できなかった方法を、
回り道して得られることがあるのですね。
新しい仕事が始まったら、バタバタして、きりきり舞いになりそうですが、
少し対応をアップデートできているといいなと思います。
年度末の今、内心ドキドキしながらも平静を保ち粛々と対応する研究支援者の皆さん!!あと少しで年度も明けます。どうぞ無理せずに。
公正さだけを失わなければ、なんとかなるし、なるようになりますから!
研究者の皆さんも、研究支援者の皆さんの、こんな土壇場のがんばりを、どうぞご理解ください!
彼らは、意外とシビアな心理戦を、静かに戦っています。