第3話 宮前先輩と、出会った日
その日の夜、お風呂上がりにドライヤーをかけていると葵ちゃんが「結の携帯鳴ってるよー。宮前から」と教えてくれた。
「うえっ、あっ、でもいまドライヤー……葵ちゃん、出て!!」
へーい、と言って葵ちゃんが代わりに出てくれる。
因みに葵ちゃんは今日もうちで夕飯を食べた後、うちの親の「明日どうせ休みだし、このまま泊まっちゃえば?」の一言でお泊まり予定だ。
泊まるの私の部屋なんだけど。
ドライヤー音の間から、葵ちゃんの話し声が微かに聴こえてくる。
「ごめんね、ありがとう、代わるー」