【群青空と花畑の先にあるもの】木曽駒ヶ岳アルプスデビュー|登山ルート編
木曽駒ヶ岳は通常の山と異なり、まず登山口に着くまでが登山の勝敗を分ける。つまり、事前の下準備にかかっていると言っても過言ではないだろう。逆を言えば、登山口に定刻通りに着いてさえしまえば、登山も半分終わったようなもの。あとは楽しいトレッキングのみ。
本記事ではアクセス編に続き、実際の登山ルートや気をつけておきたい点を紹介する。
【おつかれ山日記|あらまし】
わたしについて
都内IT系メガベンチャーにて、荒波に揉まれながらも諸行無常に生きる、植物大好きHSPアラサー女子の山日記。
PC画面と睨めっこし、鬼畜上司やモンスタークライアントとの対峙で消耗した心身を清め、浄化しリセットする術として、旦那を引き連れ絶賛登山にハマり中。
直近は富士山登頂(須走ルート)、屋久島(縄文杉)トレッキング達成。
これまでの山
始まりは、2019年のゴールデンウィーク。
最初は一年に一山だったのだが。
登山を重ねるうち、本気登山に目覚めてしまい。ついに昨年2023年は、記念すべき山の日に富士山(山梨・静岡)へ登頂を果たすことができた。
2019年 鋸山(千葉)
2021年 大山(神奈川)
2022年 御岳山(東京)
2023年 筑波山(茨城)/ 大岳山(東京)/ 富士山(静岡・山梨)
2024年 日和田山(埼玉)/ 函館山(北海道)
富士山はまた別の機会とするが、今回は#2024年山の日紀行 として、長野県・中央アルプス最高峰の木曽駒ヶ岳について記すことにする。
1.木曽駒ヶ岳について
木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ)は、長野県の木曽地域と伊那地域にまたがる標高2,956メートルの山。中央アルプス(木曽山脈)の主峰であり、日本百名山の一つとしても知られている。
北に空木岳、南に宝剣岳と連なって美しい山々の景観を形成しており、山頂からは北アルプスや南アルプス、富士山まで見渡せる絶景が広がる。
また、見どころの一つである氷河地形「千畳敷カール」には高山植物が青々と茂り、初夏には美しい花畑となる。通常であれば初心者にはハードルが高い2000~3000m級でありながら、中腹まではロープウェイで気軽に行けるため、アルプスデビューとしても人気の山。
▼木曽駒ヶ岳へのアクセスはこちらから
2.木曽駒ヶ岳|モデルコース
千畳敷駅まで辿り着けたら、もう登山も半分終わったようなもの。ここでは、基本コースである木曽駒ヶ岳までの往復ピストン、それも土日祝日を想定して紹介する。
登山コース全体としては、確かに比較的易しめ。片道2時間足らずで駒ヶ岳まで登頂でき、多少アップダウンがあるものの急峻な岩場や鎖場もなく、花畑など見所も多い。富士山や屋久島を制覇した者としては、中岳・木曽駒ヶ岳の縦走だけでは正直少し物足りなく感じてしまった。笑
が、別記事で紹介するようにたくさんの観光地も豊富なので、ぜひ登山以外の方法でもこの地の魅力を味わってほしい。
3.木曽駒ヶ岳で気をつけること
さて、初心者でも比較的安心して登れる山である木曽駒ヶ岳だが、とはいえ中央アルプスの最高峰であることは忘れてはならない。
本稿では、木曽駒ヶ岳登山者だからこそ伝えたい、注意すべきポイントを解説する。
3-1.足元の不安定さには注意
登山道は、土ではなく終始石が中心。大小様々なサイズの石が転がる道を歩くため、どうしても足元が不安定になりがち。
石の見極めを誤ると、突然足元をすくわれて転倒という事態も容易に起こりえる。(実際、私たちも何度も「おっと」という事態に陥った)
上りもそうだが特に下山時が危ないため、石橋を叩いて渡るではないがトレッキングポールをうまく活用して足元を慎重に選び、しっかりと固めてから進むようにしたい。
3-2.登山道中のトイレは有料バイオのみ
登山において、必ず事前に憂慮しておきたいのが現地のトイレ事情。しらび平から木曽駒ヶ岳ピストンにおいて、存在するトイレ箇所は以下の通り。
・しらび平駅(ロープウェイ山麓駅、無料)
・千畳敷駅(ロープウェイ山上駅、無料)
・宝剣山荘(乗鞍浄土〜中岳の間、有料200円)
つまり一度千畳敷を出発すると、宝剣山荘にしかトイレが無いのである。こちらは山小屋によくあるバイオ&男女同室タイプで、1回200円。もちろん現金のみ。
登山開始前に千畳敷で必ずトイレに行っておくこと、登頂後&おそらくランチ後に宝剣山荘で行けるように、現金を携行することは忘れないようにしたい。
3-3.高山病対策・高所順応
高所順応とは高山病予防のため、登山開始前に高所で一定時間過ごし、酸素の薄い状態に体を慣らすこと。
富士山ぐらいのレベルになると、少なくとも1〜2時間は推奨される。
駒ヶ岳の場合は山頂で3000m弱なのでそこまではかけなくても良いと思われるが、準備運動も兼ね、せめて30分はおきたいところ。ちなみに私たちは今回30分おいた。やはり少し息切れしやすかったが、特に頭痛などの症状もなく無事に下山できた。
他に高山病対策でできることとしては、以下などがある。
多くのレビューを見ていると、高所順応を全くせずにいきなり登山開始する方も多くいたようだが、特に登山初心者や子供は高山病発症リスクが高まるため注意したい。
3-4.宝剣岳は経験者のみ
宝剣岳とは、宝剣山荘の裏にある中岳山頂の脇道から行ける岩山。切り立った急峻な岩場は、時たま雲に隠れ、まるで仙人や修行僧もいそうな雰囲気だ。
それだけに滑落事故も多く発生しており、岩場登りの知識と一定の鍛錬、そして万が一のためのヘルメットを必要とする。初心者は無論論外だが、登山中級者でも岩場の経験値がものをいう。
私たちはまだ岩場の経験がないため登らなかったが、今後練習を積み、次回はぜひ制覇したい。
4.木曽駒ヶ岳で見たい高山植物
木曽駒ヶ岳に来たからには、花畑として名高い千畳敷カールの高山植物を是非とも見てみたいもの。本項では、木曽駒ヶ岳だからこそ見られる希少価値の高い高山植物について代表的なものを紹介する。
4-1.コマウスユキソウ
コマウスユキソウ(駒薄雪草)は、標高の高い山岳地帯に生育する多年草で、特に中央アルプスの木曽駒ヶ岳周辺で見られる。エーデルワイスに似た、白く細かな毛で覆われた葉と小さな花が特徴で、厳しい高山環境に適応した姿が印象的。(もう花期は終わってしまっていたようで、見られなかったのが残念。)
4-2.シナノキンバイ
シナノキンバイ(信濃金梅)は、鮮やかな黄色の花を咲かせる高山植物で、7月から8月にかけて見頃を迎える。長野県を中心とした高山帯に分布し、湿った草地や岩場に自生。花びらが光沢を持ち、群生して咲く様子が美しいことから、多くの登山者に愛されている。
4-3.コマクサ
コマクサ(駒草)は、中央アルプスの特に乾いた砂礫地で見られる多年草で、ピンク色の独特な形状の花を咲かせる。根が深く、厳しい環境に強いことから「高山植物の女王」とも呼ばれる。木曽駒ヶ岳では、ロープウェイでアクセスできる千畳敷カール周辺で見られることが多い。
▼木曽駒ヶ岳でこの日に出会った、高山植物20種はこちらから
5.木曽駒ヶ岳とセットで巡りたい、おすすめ観光地
5-1.マルス駒ヶ岳蒸溜所 本坊酒造
鹿児島県に本社を置く、屋久島焼酎などで有名な本坊酒造のウィスキー専門蒸留所。なんでも、ウィスキーを作りがたいがためにわざわざこの中央アルプスの地を選び、蒸留所を立ち上げたのだとか。
申込制で蒸留所内が無料で見学できる他、有料にはなるがBARエリアでテイスティングも楽しむことができる。
なお、蒸留所・バー共に最終受付は15:30まで。ギフトショップは16時までとなるので、私たちのように「登山後に一杯」楽しみたい方は時間に余裕を持って下山するようにしたい。
5-2.明治邸
マツコはじめ数多くの芸能人も食した、ソースカツの名店。きめ細かいサクサクの衣に、甘めのソースが絶妙な組み合わせ。まるで木曽駒ヶ岳のように、高くそびえるソースカツには一瞬怯んでしまうかもしれないが、丼の半分はキャベツであり白米の量もそこまで多くないのが嬉しいところ。特に登山後ともなれば、女性でも容易にペロリと平らげられてしまうはず。
なお、行くのであればピークを外した時間帯、15~16時が狙い目。私たちは16時に本店に着いたが、なんとその時間でも2組が店の外に並んでいた。意外とすんなり5分ほどで通されたが、退店した17時頃には10組以上、20人以上が店の外に溢れていた。こちらも明治邸と同じく、ピーク帯は外して行動するようにしたい。
5-3.すずらんハウス
菅の台パーキングエリアから目と鼻の先にある観光施設。
近隣の上伊那高原でつくられる新鮮な牛乳、駒ヶ根名物の「すずらん牛乳」や、このすずらん牛乳を使ったアイスクリームやヨーグルト、ハム、ソーセージなどを、工場直売で製造販売している。
残念なことに私たちは時間切れで行けなかったが(マルス蒸留所を優先したため笑)、店前の駐車場はひっきりなしに車が往来し、大きな賑わいを見せていた。また、後から思えば、知人への土産物を買うには最も適した場所であったと後悔したので、ぜひ時間がある方は立ち寄って欲しい。(宝剣山荘で食べたすずらんソフトは、味が濃くて本当に美味しかった!)
6.木曽駒ヶ岳で登山も観光もよくばりに楽しむ
いかがだっただろうか?今回は登山ルート編として、モデルコースや高山植物、一緒に訪れたい観光地を紹介した。
岩道なので多少の歩きにくさはあるが、距離も時間もそこまで長くないので、初心者でも十分に楽しめるといえる。また運が良ければ、おそらく頂上山荘付近でライチョウにも出会えるかもしれない。
ぜひこの記事を参考にいただき、木曽駒ヶ岳あるいは駒ヶ根観光の参考にしていただければ幸いだ。
▼他の周辺観光地について詳しくはこちら
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