今更だけど、、ルネサンスってなんだっけ?
こんにちは!「ヨーロッパ美術さんぽ」へようこそ。
今日は、12世紀から始まり、ルネサンスがどのように発展していったのかを、世紀ごとに分けて見ていきます。北ヨーロッパとイタリアでの違いにも触れながら、名画や画家、そして展示場所を紹介します。さあ、美術初心者でも楽しめる、ルネサンスの旅へ出発しましょう!
世界史的な定義
14~16世紀にかけて、イタリアを中心に展開された古代ギリシャ・ローマの古典を学び、個性や人間の自由を尊重する文化運動。 ただし、「復興」という言葉には問題がある。古代文化はそれまで完全に消えていたわけではなく、中世でも続いていた。
中世とルネサンスのつながり
中世にも「ルネサンス」が存在: 9世紀:カロリング・ルネサンス(カール大帝の時代に写本文化が盛んに)。 12世紀:大翻訳時代(イスラム世界から伝わった古代ギリシャの文献がラテン語に翻訳された時期)。 14~16世紀のルネサンスはこれら中世の流れを継承したものであり、「革命的な変化」とは言えない。 教科書でも「中世文化の継承」として2回強調されている。
【ヨーロッパ文化の背景】
ヨーロッパ文化の三角形:
ケルト人文化、古代ギリシャ・ローマ文化、キリスト教文化の融合が基盤。 それぞれ異なる性質(神秘的、享楽的、禁欲的)を持ちながら融合を試みた歴史。 800年、カール大帝の戴冠: ゲルマン民族(フランク王国の王)がローマ教皇から冠を授けられ、キリスト教、ローマ文化、ゲルマン文化が統合された象徴的な出来事。 ヨーロッパ文化の形成プロセス: ローマ帝国、キリスト教、ゲルマン民族の融合が西洋文化を形成。
このように、ルネサンスは突然始まったものではなく、中世からの連続性の中で生まれたことが強調される。また、ヨーロッパ文化自体も複数の文化的要素の融合の歴史である。
12世紀:ゴシック建築と北ヨーロッパの始まり
12世紀、北ヨーロッパではゴシック建築が主流となり、大聖堂のステンドグラスが輝いていました。この時代は、壁に絵を描くスペースが少なかったため、写実的な表現や油彩画が少しずつ取り入れられました。
注目ポイント
ゴシック建築:パリのノートルダム大聖堂が代表的。
ステンドグラス:鮮やかな色彩で聖書の物語を表現。
写実表現の始まり:線や形をリアルに描く技術が進化。
14世紀:イタリア、ルネサンスの火種
14世紀に入り、ルネサンスの中心地フィレンツェでは、芸術家たちが古代ギリシャ・ローマの文化を再発見し、写実的で人間らしい表現を追求し始めました。
有名な画家と作品
ジョット:写実的な表現を先駆けた「聖フランチェスコの生涯」(アッシジのサンフランチェスコ聖堂)
シモーネ・マルティーニ:ゴシックとルネサンスの橋渡し役。
フィレンツェの魅力
この時代の芸術は、フィレンツェの教会や美術館で多く見られます。例えば、ウフィツィ美術館ではジョットの影響が感じられる作品を探すのが面白いでしょう。
15世紀:北ヨーロッパ、油彩画の黄金期
北ヨーロッパでは、油彩技術が本格的に普及し、写実的な細部表現が進みました。ヤン・ファン・エイクやロヒール・ファン・デル・ウェイデンがこの時代を彩りました。
有名な画家と作品
ヤン・ファン・エイク:『アルノルフィーニ夫妻の肖像』は細部の描写が圧巻。
ロヒール・ファン・デル・ウェイデン:『キリストの降架』は感情豊かな描写が特徴。
北方の美術館
ベルギーのブルージュやブリュッセルにある美術館で、これらの作品をじっくり鑑賞できます。
16世紀:フィレンツェ黄金期とルネサンスの頂点
16世紀、イタリアではルネサンスが最高潮に達しました。特にフィレンツェは、ラファエロやミケランジェロといった巨匠たちが活躍した場所です。
有名な画家と作品
ラファエロ:『アテネの学堂』(ヴァチカン美術館)はルネサンスの象徴的作品。
ミケランジェロ:システィーナ礼拝堂の天井画。
レオナルド・ダ・ヴィンチ:『最後の晩餐』(ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院)
特徴
正三角形構図:安定感のある美しいデザイン。
トンド(円形画):親密で落ち着いた雰囲気を演出。
ルネサンスをもっと楽しむために
ルネサンスは、地域や時代によって特徴が異なるため、訪れる場所ごとに新たな発見があります。イタリアの華やかな黄金期、そして北ヨーロッパの繊細な写実表現を見比べることで、より深く楽しめるでしょう。
次回は、特定の画家や作品に焦点を当ててみます。みなさんも、自分の疑問や興味をもとに、美術館での発見を楽しんでくださいね!
では、また次回の「ヨーロッパ美術さんぽ」でお会いしましょう!