即興小説『自由の国』:1-1『ストリートファイター2/いい歳して何言ってんの?』
「ねえ、ミヤガワ、『いい歳して何言ってんの?』って言って欲しい」
「いいですよ」
「マジ。ありがと。ふふ。じゃ、ミヤガワぁ、早速わがまま言っていい?」
「へ?」
「?」
「いい歳してわがままはないでしょう?」
「ちょっと待って!いきなりゲーム終わらせないでよっ!!」
「え?さくらさん、もしかしてゲームを甘く見てませんか?いい歳してw」
「え~~!いきなり入口塞がれたらゲーム楽しめないじゃん?!」
「あのぉ……生まれることさえできない命だってあるんですよ……」
「企画が通ったところで製作費がおりないあなたのゲームみたいに?」
「ホント、いい歳してエグるような意地悪よくないですよ!3億なんてすぐに動く訳ないじゃないですか!!マジ他人の痛みに対する認識甘いんじゃないですかぁ?」
「え~~~!意地悪も言いたくなるよぉ~~~。私が提案したゲームなのにぃ?オーケーくれたんだからもうちょい楽しませてよぉ~~」
「その考え自体甘々ですよ。ゲームシステム自分でふったんだから僕にふる時点でちゃんと勝てるシステム創らなきゃダメですよ!いい歳して」
「はぁ……ずいぶんね……」
「当たり前ですよ。社会も仕事も舐めすぎ。ティラミス四つ目NG案件」
「はぁ……」
「はい!こんな感じいいですか?」
「そうそう!この感じこの感じ!さすがミヤガワ。2分で欲しかったもの全部もらえたわ。ごちそうさまでした。じゃ、凛としたんで会社行ってくる!」
「ええ~~!まだ七時半じゃないですか?!」
「ごめん!今日朝の総会の議事録だから30分早く出なきゃで」
「あと1ゲームだけ!!2勝2敗ってきっと不吉な偶数の並びだし!多分電車止まるし!遅延証明できるし!キリのいいとこまでやっても遅刻しないし!どうしても次に『ブランカ』使いたいんす!さくらさんの『リュウ』に回りながらつっこみたい!」
「迷信適当な捏造だし……」
「お願いします!!ティラミス5つビットしますんで!!」
「ふぅ……あのね坊や……いい歳して何言ってるの?」
「うっ」
「夜中にスーファミ引っ張り出した時点であなたの負けは確定してるの。カセット挿した瞬間そのぐらい悟りなさい。社会はそんなに甘くはないわよ」
「ぐっ……」
「私たちはお金を稼ぐために働いてるわけじゃないんだから、人生をもっと大切にしない。帰ってきたらたっぷりやってあげるから」
「なるほどなるほど!結構これ負ければ負けるほど身が締まりますね!」
「でしょ~~!」
「さすがさくらさん。負ければ負けるほどどんどん点入るシステムだってやってみるまで気付きませんでした!僕、負けました!」
「ふふ。いい歳して何言ってるのw物事に勝ち負けなんてないわ。ただの解釈の物差し。じゃ!片付けないでいいから、適当に帰って!ティラミスは三つまでだよ!」
「はーい!」
「ん?とか言ってミヤガワ、片付けて帰るでしょう?」
「まぁもちろんです。いい歳ですから」
「逆逆!甘い甘い!ティラミス四つ目ぇ~!そこは気を遣わなくていいところだから。適当でね!」
「あ、はい。『適当極めるゲーム』、考えときます!」
「お前は『はぐれメタル』か!」
「『仕事速いけど硬過ぎる』ww」
「『真面目過ぎるけど真面じゃない』ww」
「『私の普通は通じない』wwみたいな?ww」
「う~~ん……いいセリフね。じゃ、もう1ゲームだけ、やるか」
「ふふ」
「ふふじゃない!つっ!」
「ふふ。舌うちした~~うれしぃ~~」
「2分で殺すっ!!」
「やった~~!!」
「はぁ……YOU WIN」
音声入力による即興朗読
即興詩人 AI UEOKA=P=ミクロモアイ
この即興小説は、以前ポエレーベルからリリースした長編小説『タイマン走馬燈』の中のワンシーン。恋人でもなんでもない両想いの2人が、マンションで駄弁りながらゲームやってるとこです。
ひとりは、桜島ユウ(29)・大手企業勤務一般事務OLのお姉さんにしてホワイトハッカー。
んで、もうひとりは、ミヤガワK(25)・フリーのゲームプランナー『(株)オキシトシンエクスタシーカンパニー・隕石の劔』代表
その二人のゲーム中の雑談を、今朝即興で詠んだものです。
今日締め切りの長編400枚ぐらいの作品に終わりが見えたので、遊びで脱線~
今回のは、改代作『天国の壁』にさらに推敲しつつ挿していきます。
お楽しみにん~
なんか、即興朗読で起こしたやつを推敲したけど、やっぱ、推敲に時間をかけられればかけられるほど、全体のメタファーを網の目でつねげる率あがるから、音じゃなくて活字にして見渡せるの、大事ですね!
あ、今回のゲーム。
このスーフェミ版。ストⅡ。
↑
あった。
↑
たまたま気合の入った動画見つけた。2分で観るのやめたけどリスペクト!アホ阿修羅好き~w