見出し画像

イマここに生きる!オーガニックオーダー、暦のお話 〈白露 末候「玄鳥去(ツバメ サル)」>

2020年9月17日~21日

「玄鳥去(ツバメ サル)」

子育てのために日本に来ていたツバメ達が、冬を前に南へ旅立っていきます。

ツバメ達の姿が見えなくなると、いよいよ季節は移っていくのだという実感が沸きます。㋄頃、抜けるような空のキャンバスに、ツバメがサーっと一本の稜線を描いていく様は爽快で美しく、夏の到来を知る楽しい風景でもあります。

街を歩いていてもよく見かけたり、子育てを身近に目視できたりするので良く知っているような気がしていましたが、今回ツバメについて新しく知ったことばかり。

驚きや感動とともに、「よく見かける」=「知っている」というのは思い込み‼要注意‼ということをかみしめました。

ツバメは二回子育てをする

知っていますか?ツバメは1シーズンで二回子育てをします(全部の親というわけではないとのこと)。

わたしは知りませんでした!

最初はよく知られた5月下旬。

一番子のヒナたちは、生まれてからおよそ20日で巣立ちます。

使われた巣は、二番子たちのもの。

巣立った一番子の居場所は、なんとありません。

人間の感覚からするとちょっと厳しすぎない(゚Д゚;)?と思ってしまいますが、幼鳥たちはめげたりぐれたりしないのです。

ではどうするか?

集まって、出発の日まで水辺のアシ原や大きな樹木などで集団生活をしているのだそうです。
寮生活を送る子どもたちのようで、なんだか健気な気がしてしまいます。というのも勝手な想像ですが(笑)

尾が短いのが幼鳥。来年は見分けてみたいものです。


夏になると、2回目の子育てが終わった親鳥たちも集団に加わります。(←これを聞くと、ちょっとホッとします)

夕方、空にたくさんのツバメたちが集結して、日が沈むと一斉にねぐらへ。

この「集団ねぐら」は、毎日少しずつ移動し、夜明けにはツバメたちはもう飛び立ちますから、なかなかみつけることはできないそうです。用心深そう、そして早起きですね。意識高い系のイメージです。

集団はだんだん大きくなり、秋には数千〜数万羽もの大群になるといいます。

いよいよ旅立つとき

夏のある日、いよいよ最初の一団が飛び立ちます。

先ほど、ちょっとホッとしたのも束の間…、親鳥から先に南へと旅立ち、幼鳥は一緒ではありません。幼鳥は渡る体力がつくのを待つのです。

連れて行ってはもらえるわけではないそうです( ゚Д゚)ガーン

7月後半になると、ねぐらは親の割合が少なくなり、10月頃までには皆出発するのが通常の流れのとのことでした。

段々に旅立っていくことや、親と幼鳥が別々など、今回初めて知ったので衝撃の事実でした。野生…スゴイです。


渡りにはいくつかのコースがあると言われています。

ツバメが越冬するフィリピン・タイ・ベトナム・カンボジア・インドネシアなどの温暖でエサになるムシも多い、東南アジアの国々です。

なぜ渡れるの?


ツバメには、目印のない海の上でも目的地に向かって飛び続けられるよう、太陽や地磁気によって方角を知る能力があるといいます。

さらには、目的地に近づくと地形や目立つ建造物をたよりに正しい場所を見つけるのだそうです。

…スゴイとしか言いようがありません。

生まれながらに備わった能力の不思議さを思います。

驚異の身体能力

ツバメの体は、空中生活用にできています。胴体に対して大きな翼は長距離飛行に耐える丈夫さ。

その代わり足は退化したと言われており、弱くて歩くのが苦手なのだそうです。確かに、これだけ姿を見かけるのに、歩いていたり、地上に立っている姿もみたことがありません。

実は他の小鳥と比べて巣立ちまでの日数が長いそうで、それは、巣立ったらすぐ飛ぶ必要があるためと言われています。

エサは空中を飛ぶ小さな虫です。それを高速で飛び回りながら見分けるのです。

そしてなんと!かわいい顏してヒゲがあります。

これは虫取りアミの役割をしており、上嘴には左右5本ずつくらいあります。(知らなかった(; ・`д・´))
飛行速度は時速45km。小さいながら、郊外の道を走る車くらいの速度です。原付バイクでは追い付けませんね。

最高時速は200km‼ともいわれます。

長い尾や翼のひと振りで、急旋回・急降下・停止飛行も見事です。その姿をみかけ、ほれぼれした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

飛翔力に長けているためか、ツバメの渡りは昼間。

多くの渡り鳥が、気流が安定していて天敵に襲われにくい夜間に渡るなか、昼間渡っていけるのは、その実力が桁外れであることの証ですね。

越冬ツバメ

ツバメの渡りについてみていきましたが、日本で越冬するツバメも少数ですがいるのだそうです。

冬でも比較的温暖な湖や半島の海苔漁が行われる場所等、エサである虫がいるところに少数、観測されるのだそうです。

ツバメなりの何か事情があるのでしょうけれど、残ってくれるのだと思うとなんだかちょっと嬉しくなります。

この時期の養生

まさに今、ツバメの旅立ちラッシュというこの期間。

今年は蒸し暑さが強い気が致します。

寒く乾燥する日本を避け、高温多湿の東南アジアへ向かうツバメ達も、思いとどまってしまいそうな?蒸し具合のように感じました。

わたしは比較的蒸し暑いのには強いほうですが、さすがにここ数日は苦しくなるような陽気です。サロンがあるのは半島なので、そのせいかとも思いますが、峠のほうに行ってもある程度は蒸し暑さがあり、やはり広くそのような陽気なように思いました。

アーユルヴェーダの経典【チャラカ・サムヒタ―】でも、この時期の養生において、『地面から立ち上る水蒸気に当たらないように』と記されている箇所があります。まさにと実感するような日でした。

漢方にも【湿邪】と言って、じめじめした湿気過多を『邪』として避けるように言われています。

その当時は知られていなかったことですが、人間は体内にカビを増殖させてしまうことがあり、慢性的な不調につながるケースが報告されています。

西洋医療のドクターで、研究なさっておられる方が少しづつ増えているようですが、まだまだ、どこでも診察や検査を受けられるわけではないそうです。湿度の高い日本では、研究がすすめば様々な不定愁訴が改善されるのかもしれません。

もし極度の湿気にあたった日から体調が悪くなったり、部屋がジメジメしがちという方で不定愁訴のある方は、可能性に入れて調べてみると良いのかもしれません。

検査なるとなかなか大変ですが、まずはいくつかの食べ物を避け、体調の変化をみていくやり方なら日常の中で取り組みやすいかと思います。

同じ人でも、日々身体の様子は変わっていきます。
同じと決めつけず、繊細で丁寧なからだのケアを心がけたいものです。

あとがき

今回は、ツバメの生体に触れ大興奮でした。

ポテンシャルすごかったですね。

擬人化して漫画にしたら、相当なドラマとかっこいいキャラのオンパレードになりそうです…。どなたか是非…。

20200919

この記事が参加している募集

『透明な栄養』をテーマに有形無形の造形活動をしています。ホリスティック~全体観~という捉え方を活動の基盤にしています。この捉え方は、いのちの息苦しさが紐解かれたり、改善される可能性をかんじます。noteでは日々の思考研究も兼ねて、この考えをもとに書いたものをシェアしています。