季節の養生~初秋~秋は○○を癒す
秋は○○を癒す
漢方では、秋は『燥』に注意するように言われます。
対応する部位は『肺』『大腸』。
西洋医学の肺は臓器の名称ですが、東洋は観念➢つまりイメージで観ていきます。臓器の名称はそれぞれ、それを含めた“エリア”や“司るもの”で観ていきます。
夏の暑さに馴染んだ心身、気温や湿度の変化に注意深く気をつけなければ、気付かないうちに思いのほか冷えてしまいます。冷え乾燥を生むのです。
気持ちの面では感傷的になる季節と言われたりもしますが、あながちただの言い伝えとも言えないかもしれません。
もし何とはなしに心に寒さを感じたら、それだってゆっくり温かくして、
お休みして良いサインです。
ハーブのほうのリコリスには、たんを切る作用や抗アレルギー、咳止めなどの作用があると古くから言われています。
咳、のどの痛みを沈静化させたり、気管支系や消化器系の改善に用いられているほか、身体の抵抗力を高める作用も期待されています。
心身に冷えを感じたら、外は良いお天気、目には温かそうでも、そっと1枚羽織って、リコリスのお茶を飲んでゆっくりするのも良さそうですね。
もしくは情熱の炎に薪をくべるべく、心からしたいと感じることに自らを解放していくのもありかもしれません。
この時期の過活動は要注意ですが、無理がないかよく確認したならば、過ごしやすい季節に夢中になれることに集中してみるのも心の栄養になりますね。
乾燥の『燥』に対して『潤す』ことを念頭においていくと良い養生にしやすいです。
ゆっくりするのは身体を潤しますし、好きなことをするのは心が潤います。
バランスも見ながら、愉しんでいけると良いですね。
『肺』エリアを養うもの
これは西洋医学的な臓器のお話ではなく、伝承的な観念の世界観で言うところの肺です。
自然を捉えるための概念である五行の、
木、火、土、金、水 で言うと金の季節。
金は、お金というよりゴールドのほうで、結晶する鉱物をイメージすると捉えやすいと思います。
わたしはクリスタルのようなイメージを以て観ると観じやすいなあと思うこともあります。
対応する色彩は白。
味は『辛』です。
ここで言う『辛』は、唐辛子のようなものではなく、ネギや大根おろしに感じるもののほうが近いかなあという氣がします。
ネギをたっぷり入れたおろし鍋なんて美味しそうですね。
では唐辛子はどうかと言うと、唐辛子の辛味はどちらかというと熱さ。英語でも「HOT」って言われます。これは汗を出し、水分を出してしまう乾燥させる辛さに類されます。
この『熱』というのは夏の担当です。
唐辛子をたくさん使うのも、夏のお料理や暑い国のお料理が多いと思います。この種の辛味は身体をカー――っと熱くさせ、汗をたくさん出させてくれます。汗が出た後は涼しくなりますから、真夏のHOT辛い食材は、それが目当てで使われていたと中華料理の作り手さんから聞いたことがあり、なるほど!と思ったことがあります。
といっても秋冬に食べちゃだめってわけではなくて、作用や真意を観ていけるといいよねということです。
『肺』はおしなべて乾燥するようなところをケアしていくと養生しやすいかなと思います。鼻もそうですし、鼻と言えば喉の入口でもあります。
咳や憂いにも注意を払うように言われます。これもまさに、ですね。
『肺』は三焦(さんせい、さんしょう)を司ると言われます。
三焦とは、簡単に言うと胴体の中身のめぐりのこと。ひいては全身のめぐりを司ります。三焦は全身の氣と水のめぐりを表しているのです。
三焦の不調があるとむくみが生じると言われます。見える部分とミエナイ部分の両方を合わせた概念なのですね。
これはからだにとって、いわゆる“バリア”のようなものを作ると考えられていますが、めぐりが順調ということは心身が活き活きとしますから、様々な病を遠ざけやすいと言えますので、こういったイメージになったのではないかなと思います。
ボディケアのおすすめはコレ♥
ずばり!オイルトリートメントです。オイルのあと、ゆっくりアロマオイルを香らせたお風呂に入るというのもこの時期は良いですね。バスルームから輝く月が見えたらなお最高です。
『肺』とその司るところを潤すと良いケアになると触れましたが、鼻、喉、皮膚、全てを湿潤に促し、心も潤すのにオイルトリートメントはぴったりです。
鼻、喉は、オイルを飲んだり、点鼻したりする養生法が、ちゃーんとアーユルヴェーダで伝えられています。お料理にも様々な取り入れ方があり、便通を助け、スムーズなものにするので大腸も癒します。
それぞれの体質や状況にあったオイルの取り入れ方や種類もあるので、ぜひたのしんでほしいなって思います。サロンでもご案内していますよ★
なにからケアしていけばわからないなあというときは
『肺』のケア➢➢➢喉、鼻、皮膚などを乾燥させないということからはじめていくと、取り組みやすく、ケアしやすいのではないでしょうか。
乾燥しないように注意しながら、ゆっくりと深い呼吸をしていくのもすぐに取り組めて変化を感じやすいめぐりを養う養生の筆頭です。
景色や空氣の良い場所で、ゆっくりと深呼吸するのも、この時期はとくに良いものですね。喉を傷めやすい方や、乾燥が氣になる日は、マスクをしたり、ゆるくストールを使ったりして呼氣が冷えたまま入らないようにすることも心掛けたいですね。
眠るときも大判のタオルなどをつかって冷えたり乾燥した空気を吸わないよう気をつけたり、肩や首を冷やさないようにすることが季節の変わり目の健康をつくりますよ。
ゆっくり宵の空に癒される
アーユルヴェーダでは、真夏や暑かった日の疲れを、月光浴で癒すことを勧められます。秋になると過ごしやすく、空気も澄んできて、美しい月や夜空を眺めながらゆっくりと過ごす時間は格別なものがあります。
とはいえ、一晩中ではかえって心身に障ります。
時間は宵の口までとし、よふかしし過ぎないことが養生のこつです。
たべものの参考に
この時期のおうちやくぜん食材
伝承医療にも様々な考え方があるので、日本の関東近郊の気候を基準に、AHSH流でご紹介していきたいと思います★
ポイントは、冒頭でも触れた『辛』の味を取り入れ、『肺』を潤していくこと。三焦もケアするので、巡りを促すものが良いですね。
また、適量の『甘』は、肺を潤します。これも担当している食材がちゃーんとあるのです。
ニラ➢『辛』『温』食材。腎の働きを高め、胃腸を温め氣のめぐり、血のめぐりを促す。漢方では、冷えによる痛みにも良いとされます。ただし、香味野菜は刺激もあるので胃腸が弱っているときの摂取は注意。
生姜➢『辛』食材。成分の関係で、温めると温性、冷たいと冷性に身体の状態を促す。★冬の生姜スープ、夏の冷ややっこなどの薬味は、それぞれ理にかなっている。
脾と肺を養う食物。肺の働きをよくし、冷えで悪化する咳、痰にも有用といわれています。これは食べていて実感できる部分ですね。甲殻類や魚貝の中毒予防や解毒作用を古くから期待されてきました。
ネギ➢『辛』『温』食材。身体を温め、発汗を促す。三焦の働きを助け、氣めぐりをよくする。喉や節々の痛みを感じたら多めにとってみるのも良いかも。
大根➢『辛』『甘』食材。火照りすぎているときに軽く熱を流す。肺や胃を養う。消化不良を改善させる。喉の不快感、黄色い痰が出る時、口内炎があるときに勧められる。栄養学でも抗炎症作用があると言われています。はちみつ大根は昔から喉の痛みに勧められてきましたね。
豆腐➢『甘』食材。涼性の食材と言われますから、肌寒くなってきたら温かくして頂くと良いですね。脾と肺を養い、潤す働きをしますから、乾燥を感じた日の夜に温かくしたお豆腐と生姜を使ったスープは養生メニューに良いですね。脾に働きかけると言われますから、消化不良の改善にも用いられます。秋のケアポイントである大腸にも助けになりそうです。古くから、高熱時に豆腐湿布を用いる民間療法もあり、喉が炎症を起こしたような時も取り入れてみたい食材です。漢方では、空咳、口の渇き、口臭予防にすすめられています。
さつまいも➢潤いを補い乾燥をやわらげると言われます。肺の養生にぴったりですね。
バナナ➢乾燥に良いとされます。身体の熱を冷まし、腸を潤し便の排泄を助けるとされますが、海外からの輸入に頼っているところがちょっとネックです。また、暑い土地のものなので、熱を冷ますとも言いますが、適温から冷やすとも取れます。時と場合を考慮し、食べやすいからと言って食べ過ぎないのが取り入れるコツ。
などなど…。
他にもいろいろとあります。
あとから追記するかもしれないので、ご参考までに、時々見てみてくださいね★
20200929
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