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詩のようなもの

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記事一覧

Diver

夏の雨が降り続く

あなたの瞳の中

息を思い切り吸い込んで

潜り込む

どうして?

いつも冷たくあしらうくせに

いざとなったら手を緩めるの?

思い切り追い出せばいいのに

そうしたら僕はあなたから離れられるのに

ひとしきり泣いたら笑って

傷つかないフリが上手くなって

僕はいつの間にか強くなった

あなたはそもそも逃げようなんて

思ってもない

嘘なんていくらでもついて

気が済む

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anyway

もう溶け合うように
一つになってまた分かれて
一つずつになって
僕らはずっとそうやって千切れて
知らんぷりしてすれ違って
でもまたシンパシーを感じて戻ってくる
それが幸せなのかは誰にも分からない
生まれてくるように自然に

どんなに傷だらけになって
汚れてしまったとしても
僕らはお互いを抱きしめ合うだろう
それは難しいことじゃない
それが今は愛と言えなくても

いつだって人を刺した言葉は
この胸に

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holiday

特に書くことがないこんな日は
結露のノートに丸を書いて
早くあったかくなんないかなぁ?
ストーブの音をよそにそんなことを思う

最近誰とも手を繋いでない気がする
誰の声も思い出せないでいる
でも別に寂しいって訳じゃない
僕みたいな奴は結構厄介だ

そういえば明日は節分だ
歳の数だけ豆を頬張って
無言でどっかの方角見て
巻き寿司を食べる写真を撮ろう
僕の今はそんな感じで
ドラマチックなことなんて一つ

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風花

どうせすぐに忘れてしまうような
大したこと無い想いなら
いっそ風に流れて風化すればいいのに
嫌いになった訳じゃないのよ
と彼女は笑ったけど
それは好きでもなかったってこと

じゃあ僕はどうなのかと訪ねられたら
首を捻る始末
好きなんて感情はそれぐらい朧気で
頼りない蜘蛛の糸

音楽にもなりはしないこの歌を
口ずさみながら更ける時間すら
もう僕には惜しいんだ
それなら次の旅の支度をして新しい笑顔に会

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貫光

それはいとも簡単にほどけて
風に飛ばされて消えた
君がなにか言おうとした瞬間に
冷めきった缶コーヒーを落とした瞬間に

すべての初めてはいつも
それぐらい突然に
あなたの言う真実は形を変えて
あっという間に知らない人の
手の平で明かされる

それがもう嘘だとしても

愛してるとか好きだとか
よく言葉にできるね
そんなもの存在しないのと同じなのに
小説家もしくは詩人でもない限り
縁のない表現方法だと

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さよならまたね

バカがつくほど鈍感な僕は
君の幸せそうな笑顔を見るまで
これが恋だったんだと気付かなかった
そっぽ向かれて寂しかったり
違う誰かと笑ってる君にイラついたり
そんなこと全てが
僕の恋だった

もし時が戻せたとしたとして
僕に言えるだろうか?
心を尽くしてまっすぐに
彼のようにカッコつけずに
君が好きだと

さよならまたね
確かに僕らは幾度となくそう別れた
変わっていく景色の中
変わっていく君の姿を見

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高嶺の花

涙を見せずに歯を食いしばって
笑っている君は綺麗で
時には胸を貸すよ
泣きたいだけ泣いていいんだよ
その後どうせ豪快に笑うだろうからさ

僕なんかより強い君だから
立ち直りが早い君だから
心配はしてないけど
でも優しくしたいと思うんだよ

振り向いてもらえないって分かってるけど
振り向かせたいって頑張りたいよ
僕にしか見せない君が欲しい
どんな君だろう
今から楽しみなんだ
好きだとかなんだとかよく

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さよならまたね

バカがつくほど鈍感な僕は
君の幸せそうな笑顔を見るまで
これが恋だったんだと気付かなかった
そっぽ向かれて寂しかったり
違う誰かと笑ってる君にイラついたり
そんなこと全てが
僕の恋だった

もし時が戻せたとしたとして
僕に言えるだろうか?
心を尽くしてまっすぐに
彼のようにカッコつけずに
君が好きだと

さよならまたね
確かに僕らは幾度となくそう別れた
変わっていく景色の中
変わっていく君の姿を見

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雨上がりの町

雨の音が加速していく午前三時
さっきまで君がここにいた
傘をさして坂を下っていく後ろ姿
水彩画の途中みたいで

僕らが出会って今日まで
一度も交わしたことない言葉がある
もしかしたら死ぬまで言わないかもしれない
でも明日言いたくなるかもしれない

名前を呼ぶくらい自然に

走り抜けていく孤独と孤独が
滲まず揺らがずに
僕を僕よりも知ってる君と
君を君以上に知ってる僕が
キャンパスの上で手招きしてる

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