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「もういい、やーめた!」がなくなる4ステップ! 気持ちの【代弁】が子どもを伸ばす

Ahneは、おうちでできる療育のご提案や、講義型の学習サービス、発達・療育についての個別相談などを行っています。

「もういい! やーめた!」

オセロなんかのゲームをやっているとき、
負けそうになるとすぐに投げ出してしまう……

そんな場面に遭遇したこと、ありませんか?


皆さんこんにちは、Ahne代表・療育作業療法士のかいとです!

今回のテーマは、負けそうになったらすぐに投げ出してしまうお子さま、負けの受容が難しいお子さまに、どう対応してあげるのが良いかです!


結論から言うと、大切なのは「お子さまの気持ちを【代弁】してあげること」なんです!

どうしてこの方法が有効なのか、どのようにお子さまに負けの受容を促していくことができるのか、詳しく解説していきます。

ぜひ、最後までご覧ください!




負けの受容は、上手な感情の表出からはじまる

読者の皆さんは、何かの勝負やゲームに負けてしまったとき、どのような言動・行動を取るでしょうか?

「ちくしょー!」

「負けた~! 悔しい!」

「もう一回! もう一戦!」

こんな感じの言葉が出てきて、次の行動へと繋がっていくのではないでしょうか!


このとき、皆さんの中では、負けそう・負けたことに対するモヤモヤとした感情が発生していることかと思います。

そしてそうした感情を「悔しい」、あるいはもっと進んで「もう一戦!(して今度は勝ちたい)」といった言葉として表出させています。

このようにして感情を上手に表出させることで、負けたという事実を受け容れて、次の行動へと移っていきます。

ところが、負けの受容が難しい子の中では、このプロセスがうまく進んでいないことが多いのです。


負けの受容が難しい子は、「感情」と「語彙」が結びついていないことが多い

負けの受容が難しい子に多いのが、こうした「感情」と、それを表出する「語彙」がうまく結びついていないという問題です。

負けそう・負けたときのモヤモヤとした感情と、「悔しい!」「負けたくない!」「もう一回!」といった語彙のマッチングが、上手くできていないのです。

そのため、感情の表出が上手くいかずに、

「もうやりたくない!」
「もうやーめた!」

といった言動・行動につながってしまいます。


投げ出すことで自分の心を守っている

もうひとつ、負けの受容が難しい子は、こうして勝負やゲームを投げ出すことで、自分の心を守っているという事情があります。

うまく感情の表出ができない中で、負けという事実だけを受けとめることは大変なストレス。

そんな大きなストレスを避けるために、心の防衛反応として、勝負を投げ出すような言動・行動をしているのです。


ですので、こういった状況の子どもに、

「わがまま言わないの!」
「相手の○○君が困ってるよ!」

などといった声掛けをすると、子どもは自分の心を守ろうと、よりふさぎ込みやすくなってしまいます。

では、そんな子どもには、どのように対応してあげるのが良いのでしょうか?


子どもの気持ちを代弁して、負けの受容を促す4つのステップ

子どもに負けの受容を促すために有効なのは、先ほど解説した「感情」と「語彙」のマッチングを手助けしてあげることです。

そのためには、子どものモヤモヤとした気持ちを、大人が代弁して言葉に変えてあげることが重要です。

ここでは、4つのステップに分けて、子どもに負けの受容を促す方法について見てみましょう!


①共感

まずは、子どもの気持ちに共感してあげましょう。

「くやしかったね」
「もう一回したいね」

といった言葉で、子どもに寄り添いながら、子どもの気持ちを代弁してあげます。


②真のニーズ

続いて、子どもの真のニーズを言葉にしてあげましょう。

子どもは「もういい」「やりたくない」と言っているかもしれませんが、本当はその裏に「ゲームに勝ちたかった」といった感情が溢れているはず。

「勝ちたかったよね」といった言葉で、子どもの真のニーズを言葉にしてあげましょう。

質問形式で聞いてあげることもオススメです。


③思考を促す

「どうしたら勝てるかな?」といった言葉で、子どもの思考を促してあげましょう。

もちろん「もう一回やってみる」という方法もありますし、ここでは、例えば「ハンデをもらう」などのやり方も有効です。

ここでは、負けても途中でやめずに続ければ、勝つこともできるという成功体験を積んであげることが大切になります。


④実行

③での思考の結果、次の行動が出てくるかと思います。

その行動を、実行に移していきます。

「もう一回やる」「勝つまでやる」でももちろん良いです。

「ハンデをもらってみる」であれば、「じゃあ○○君にお願いしてみよっか」といった形で、次の行動を手助けしてあげましょう。

「じゃあ、やってみようか」といった言葉でまとめて、子どもに次の行動を促してあげましょう!


さいごに

今回は、負けの受容が難しい子どもへの対応というテーマでお話してきました。

決してわがままを言っているわけではなく、子どもは子どもで、負けという事実と向き合ったり、自分の心を守ろうとしていることがわかりましたね。

うまく子どもの気持ちを代弁してあげて、子どもの力を伸ばしてあげることが大切になります!

この記事が、保護者さま、またお子さまと関わる機会のある支援者の皆さまの参考となっていれば幸いです。


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最後までご覧いただきありがとうございました!


【この記事を監修した人】
かいと

Ahne代表。療育作業療法士。
こころの問題についての知識も豊富で、「心理×作業療法」の組み合わせで心身の両面を支援できることが強み。様々な療育現場での支援経験アリ。


【この記事を編集した人】
リル

Ahneライター。元書籍編集者。
note記事のほか、Ahneオリジナルの教科書を鋭意制作中。



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