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15人を超える警察官・機動隊に囲まれたお話。

これは僕自身の経験談。

なかなか恥ずかしい思い出ですが、
今となっては笑い話も笑い話。
最終的に良い方向に進んだので、今回載せてみようと思います。




2019年12月中頃。
寒さが身に染みる深夜12時ごろ、
僕は15人を超える警察官に囲まれました。






2019年、秋頃。


ある朝出社してみると、
会社のクルマの窓ガラスが割れていました。

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元々、数日前に軽い事故をしてしまったクルマで、
急激な気温の変化もありましたので、
自然に割れてしまったんだろうと、社員一同深くは考えませんでした。


そして、割れたガラスの他に、駐車場に転がるビー玉。


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近所のお子さんがビー玉で遊んでたのかな?
ビー玉を片付けながらそんな風に考えていました。


駐車場付近で遊ぶお子さんがいるのなら、
クルマの運転について、より注意して気を付けないとね。


なんて会話が飛び交うほど、
最初は呑気に、全く気にしていませんでした。






翌週


また転がっているビー玉。


その翌週


また転がっているビー玉。


なんかおかしい。


そのまた翌週。


また転がっているビー玉。


この日、いつもとは違う異変が起こりました。







クルマのガラスが粉々に割れていました。
先日のクルマとは違うクルマです。




クルマの周辺に散らばるガラスとビー玉。


この時ようやく
「ガラスの割れ」と「ビー玉」が繋がりました。


そうか、これ、嫌がらせだったんだ。


とんでもないほど、ショックでした。







警察に被害届を出し、対応を求めましたが、

「証拠が無い」

と話しを聞いてもらえず断念。



何も手が打てないままに過ぎる月日。



その後も月曜日の朝に出社すると
ビー玉が転がっていることがしばしばありました。




次、いつ窓ガラスを割られるのか。
もし、モノではなくヒトに危害が加えられたら。
月曜日出社する度に、またか。。。

という色々な恐怖心。
そして恐怖心以上にこみ上げる怒り。







よし、張り込みしよう。





会社に黙って、勝手に張り込みをしました。
(今だから言えますが、無断で張り込む行為、 
 危険がある無茶な行為は絶対にてはいけません。)






2019年12月中頃。土曜日。
夜9時~朝2時頃まで張り込みました。


この日は特に何もなく。





翌日、日曜日。
夜9時から張り込み開始。


ハイエースバンの中で、何時間もひっそりと待つ。

いくら寒いからといって、
エンジンをかけ、エアコンを付けることはできません。

張り込みですから、クルマの音でバレてしまいます。




寒さが身に染みる深夜12時ごろ。



ガタガタガタガタ



僕の身体の震えで、クルマが揺れるんじゃないか。


そんなバカなことを考えていた時、、、






ついに来た。




「カーン!!!!」



僕の潜んでいたハイエースに響く音。



「きたな」



ゆーーっくりとクルマから降り、

そろりそろりと、辺りを見回す。



するともう一度



「カーン!!!!」



再度響く音。



ゆっくり、ひっそり、辺りを見回す。



誰も居ない。



そんなはずはない。



そう思い、護身用の棒を持ち、駐車場近辺を歩き回る。



誰も居ない。




おかしい。気のせい、なのか、、、と思いつつも、
もう1回やりに来るかもしれない、と
再度ハイエースに身を潜めました。





それから約10分。



しばらくすると、



暗闇の中、ふとルームミラーに写る人影。

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「きたな」





見る限り、人数は2人。

1人は長い棒を持ってる。1人は丸腰。


「なるほどな」


ついに直接、危害を加えにきたか。





「2人なら、まぁいけるな」
(今考えると、この自信はどこからきたのか、自分が怖い)



一気にアドレナリンを全開にし、
身体中に熱い血を循環させた。




「いくぞ」




護身用の棒を持ち、
クルマから一気に飛び出し、
2人に向かって、吠える。



しかし、



息巻いて吠えたセリフの途中で気付く。







「あれ、、、警察?」





その2人はなんと警察官でした。

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(写真左側が僕。右側がさすまたを持つ警官)

長い棒はまさかの「さすまた」で
すぐにその「さすまた」で行動を抑制される。




「武器をおけ!」


「ひざまずけ!!」

「服をぬげ!!!!」




ものの見事に押さえつけられる、僕。




なんだ、これ。



状況が分からな過ぎる。



警察官が発する高圧的な言葉。
僕も興奮して過激な発言をする。
鳴り止まない無線機の音。
そしてパトカーのサイレン。


次第に増えてくる警察官。


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この時点で、パトカー3台、警察官6人。





更に5分ほどすると、続々と増える警察官。

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隣の市からも応援で駆けつける警察官。




私服の警察官も来た。





いやいや、ちょっと待て。

何人くるんだよ。。。





最終的には機動隊まで、きた。




総勢、15人を超える数の警察官。

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囲まれる、僕。



さすがに、ビビる。



これ、もしかして、逮捕か?




やばいな、会社からとんでもなく怒られそう。

いや、それどころじゃないよな。

というか、人が多すぎて、もう何が何だか。

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ここまでくると、もう怒りとか興奮なんてものは、無い。

ただただ冷静に、成り行きを話す。

会社の名刺と免許証を提示して、

不審者では無いことを毅然としてアピールする。




そして、



最終的には、何事もなく終わった。


6台か8台かもう忘れましたが、

大量のパトカーと警察官たちは去っていった。







本当はこの日、仲の良い同僚たちと飲む約束をしていた。

だけど、その約束を前日にキャンセルして、張り込んだ。

まさか、こんなことになるとは。





先ほどまで大勢で賑わっていた駐車場に

1人取り残された僕。


「、、、、帰ってお酒のもかな。」


いつにも増して、お酒が恋しくなりました。







そもそもあのタイミングで、
なぜ警察官が駆け付けたのか。


警察官の話しによると、

張り込み中、2度目の「カーン!!!」の音がした後、
僕がハイエースから降りて、
護身用の棒を持ち、駐車場近辺を歩き回った時。


その姿をたまたま近所の方が見てしまい、

「不審者だ!!!」

と思われ通報されたとのこと。




「ミイラ取りがミイラになる」ってこのことですね。




通報して頂いた近所の方にも
かなりの怖い思いをさせてしまったと
つくづく反省しております。すみませんでした。





その後の警察の対応として、
深夜の時間帯に会社周辺を何度かパトロールしてくれました。

ご迷惑をおかけしたうえ、
色々とご配慮下さり、ありがとうございました。






会社への嫌がらせ。

当初は、「怒り」「ショック」「許さない」

そんな感情しかありませんでした。



でも、こういった経験を踏まえ冷静になった時

「自分の愚かさ」に気付きました。




嫌がらせを受ける。




ということは、

こちらが何か嫌な思いをさせてしまった可能性が非常に高い。

そういうことなんだと気付きました。





もちろん、世の中で起きている嫌がらせの中には、
完全なとばっちりもあるのでしょうが、
きっと今回の場合は違うと感じました。




工場である以上、騒音は必ず問題になります。
クルマを使用する以上、運転マナーは必ず問題になります。
地域でお仕事をさせて頂く以上、必ず何かしら問題はおきます。




そういった自分たちの立ち位置や現状を
しっかりと理解せず、意識せず、
怒りに身を任せてしまった自分を、馬鹿だと今は思います。




物事は、常に1方向だけではない。

何事にも多面性があるのだから、
もっと冷静に、真摯に、誠実に、
自分、自分の会社、周りの環境。

全てにおいて向き合わなければならないと学びました。




自分が働いている会社。

その会社のありかた、社会との関わり方。

そんなことをしっかりと考える良い機会になりました。




・クルマの窓ガラス2枚分の損害額
・毎朝の恐怖感、不安、心配の気苦労
・寒い中、ガタガタ震えながら張り込んだ2日間



今回の経験は、上記の対価に見合うどころか、
見合い過ぎる気付きとなりました。
本当に良い勉強になりました。





自分たちの在り方は、本当に正しいか?




キレイ事じゃない。



しっかりと向き合います。







その後、全くの別件で小牧警察署に訪れた時、

「あれ!?あんときの○○さんじゃないの??」

どこか親しみのある笑顔で迎えてくれました。



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