東大&京大卒の双子が最近読んで面白かった本5選
こんにちは。双子のノソノソ(妹、東大卒)とトコトコ(姉、京大卒)です。
先日、谷崎潤一郎の「痴人の愛」が面白いと話してたところ、ノソノソから「それを読んだのって、もしかして京都の〇〇喫茶じゃない?」と言われました。
図星です。
なぜ双子で同じ喫茶店に赴き、同じ本を手に取り、それを覚えているのか。不思議で仕方ありません。双子のテレパシー的なものを感じました。
(「痴人の愛」はkindleで無料ダウンロードできるみたいです▼)
さて、本の話題が出たところで、元東大生、京大生が最近どんな本を読んでいるのか気になりませんか。
東大、京大の生協で「東大(京大)生に売れている本!」というポップがあると思いますが、ポップを見て「みんなこんな本を読んでいるんだ」と東大京大生が買うから、そうなると思うのです。
ポップが先なのか、売れているという事実が先なのか、よくわかりません笑。
今回は元東大生、京大生がリアルに読んでいる本を書いていこうと思います。
以前勉強方法のnoteで書きましたが、読解力が上がると全教科の成績が上がるため、勉強に励む学生さんにはぜひ読書をおすすめします。
トコトコの最近読んだ本3選
《旅の効用 人はなぜ移動するのか》
この書き出しに惹かれた方は、ぜひ本書をお読みください。
スウェーデン発、欧州ベストセラー。
なぜ人は旅に出たがるのか、熱気と混沌のインド旅行記、放浪したくなる旅行記の紹介など、「旅」への知的好奇心を撫でまわすのにピッタリの1冊。
最近旅行に行けてないな、そろそろ旅に出たいな、と思っている方にもおすすめです。
10日後にヨーロッパ放浪の旅に出るトコトコ。
「人は旅で本当に変わるのか」という章は怖くてまだ読めていません笑。
《人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした》
面白すぎて、ひさびさに一気読みした本です。お風呂の中で読んでいたら「やめられない止まらない」集中状態になってしまって、水風呂になるまで読み耽りました。
アイドルグループを卒業し、自分を取り繕いながら会社員として働くも、突然足が動かなくなり失業した筆者。姉の紹介で他人のおじさんと同棲を始めます。ライターとして奮闘する元アイドルと、いい感じに放っておいてくれるおじさんの物語です。
「そんなエンタメ小説みたいなの興味ないよ〜」という方も侮ることなかれ。
筆者、なんとも言えない感情、特に恋愛感情を表現するのがとても上手いです。素直に文才あるなと感じました。
例えば、とある男性のことが忘れられず苦しんでいるシーン。
人生詰んでいる若者には、共感と希望を。
同じ屋根の下に若い女性がいたら、どう振る舞えばいいのか?と本気で知りたいおじさんには、1つの正解を教えてくれる本です。
文中で筆者が小説に挑戦するシーンがあるのですが、調べてみたら「シナプス」という小説がありました。
「悩みながらも一歩前へ進もうとする人々全てに捧げる応援小説」らしいです。応援してほしいので、たった今ポチりました。読むのが楽しみです。
《こんなふうに、暮らしと人を書いてきた》
朝日新聞連載の「東京の台所」というインタビューコラムを書いている大平一枝さんが、「書くこと」について筆を取ったエッセイです。
この本を見つけたのは、京都の小さな本屋さん。
立ち読みしていたら「誰もあなたの文章なんて読まない」というフレーズが目に飛び込んできて、思わず買いました。
というもの、先日文学フリマ東京に行った際、「何者でもない人が書いた雑文って、誰も読みたくないよなぁ」と自戒の意味を込めて私も思ったからです。
好きな作家でもない限り、他人の文章をわざわざ読もうと思わない。特にネット記事の場合、つまらなかったら「戻るボタン」をポチりと押されて試合終了。
だからこそ、すべての文章は一見さん向けだと思って、書き出しの一行に全身全霊をかけるし、変に技巧を凝らさない読みやすい文章で書くことが大事なのだとか。
特に嫌われる傾向にあるのは、何気ない自慢。
「一般の方のエッセイを読んでいると無意識の自己顕示欲が文章化されていることが少なくない」はまるで私を名指しされているようで、ビンタされている気分になりました。
随筆も小説も歌詞も、素敵な自分よりダメな自分が主人公になっていることが多くないですか?という指摘には、ぐうの音も出ませんでした。
この双子noteも、「自分たちを表すフックとしては東大京大卒が強いなぁ」と思って使ってますが、キラキラ系を演出することなく、飾らない姿を出していこうと思います。
この本には、仕事への姿勢のみならず、”文章磨きの5つのヒント”など、具体的な文章術も書かれています。書くことに興味がある方は必読です。
ノソノソの最近読んだ本2選
《騙し絵の牙》
2019年に文庫化されたミステリー小説です。2018年には本屋大賞にノミネートされています。
舞台は、本が売れない現況に苦戦する出版会社。ユーモアに富んだ編集者(大泉洋)が社内抗争やら人々の思惑に翻弄されながら、最後はタイトルにあるようにどんでん返し劇を始めるーー。
ざっくり言うとこんなストーリーです。
5年前の作品で映画化もされた本作。今更ながら読んだのは、最近作者である塩田武士さんの小説にはまっているからです。
塩田さんは、神戸新聞社で記者として働いたことがあり、文章の表現の随所にその経験が生かされています。
新聞記者が主人公の小説も何個かあり、記者として働いていた私(ノソノソ)は、職場環境などのリアルさに「あるある!」と共感することがあります。
といっても、塩田さんの小説によく出てくる嫌なデスク(記者の上司)は幸いにも出会いませんでしたが…。
新聞の紙面の構成を考える「整理記者」の仕事だと、もっと専門的で業界用語が飛び交っています。
その世界を覗いて見たい方は最近出た「1面、降版します 特命記者の事件簿」が面白いです。
私はここ3ヶ月で、新聞記者がプロ棋士を目指す男と出会う「盤上のアルファ」、グリコ・森永事件をモチーフにした「罪の声」、新聞の誤報をテーマにして世間を騒がせた「歪んだ波紋」を読みました。
気に入った作者が見つかると同じ作者の作品を読むことが多いです。
さて、「騙し絵の牙」の話に戻ります。
面白いなと思ったのが、先ほど編集者(大泉洋)と書いたように、小説自体が大泉さんに当て書きされている点です。
本が売れない出版業界のテーマを小説で書くという、ある種メタ認知が入っているのですが、「じゃあ小説が売れない時代に、どうする?」の解の1つが、当て書きだと思います。
つまり、「実在する俳優に当て書きして小説を書き、最初から映像化を視野に入れる」ことで、普段小説を読まない人にも読者になってもらえる可能性が広がるということです。
小説は表紙、帯、小説のページ内と至るところに大泉さんの写真が載っており、解説も大泉さんという徹底っぷりです。
小説のセリフも大泉さんっぽいというか、「世間のイメージする大泉さんってこんな感じだよね」を体現していて興味深いです。大泉さん自身も解説でその点を面白がっています。ぜひ読んでみてください。
《土に贖(あがな)う》
今年「ともぐい」で直木賞を受賞された河﨑秋子さんの2019年の小説です。
北海道で栄枯盛衰した産業で起きた人間のドラマを描いています。ミンク養殖、ハッカ栽培、羽毛採取、蹄鉄屋といった、かつて(一部は今も)栄えた産業で夢を追いかけた開拓民の気概と挫折がリアルです。
河﨑さんが直木賞を受賞する前のこと、本屋でたまたま見つけ、「農業に関係しそう」と思って手に取りました。
一環して、北海道の農家出身である河﨑さんでないと書けない北海道の気候の厳しさが感じられます。
まとめ
「相手のことを知るには、一緒に本屋に行くのが手っ取り早い」
こんなことを聞いたことはありませんか?
その人が何に興味があるのか、何を大事にしているのか、そして何をしたいのか。本屋に一緒に行くと分かるというのです。
ノソノソの原稿を読んでみて、あらためて新聞記者や農業に興味があるんだな〜と感じました。トコトコは今は執筆と放浪に興味があります。
皆さんは最近、どんな本を読んでいますか?
おすすめの本があったら、ぜひ教えてください📚
最後までお読みいただきありがとうございました。
有益な情報を発信していきますので、今後とも双子をよろしくお願いいたします🐼
(この記事はトコトコとノソノソの共著でお送りしました)
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