石焼~き芋♪ 蜜は出るかな?
(2022年12月12日)
ダッチオーブンを買った。いま、流行りのキャンプに使うのではなく、石焼き芋を作ってみたいと。知り合いの方に「石焼き芋」をいただいたのがきっかけ。芋から甘い蜜が出て、とろける様なまさにスイーツ。秋に掘ったさつまいもがたくさんある。ならば、自分で作ってみようと。
燃料費低コストのダッチオーブン
IH対応の石焼き芋専用の鍋も売っていたが、昨今の電気代の高騰もあり、燃料費にコストはかけたくない。庭木や果樹の剪定枝はほぼ無限にある。それを使って熱源にし、火加減の調整に炭を使うハイブリッド方式が、低コストかつ循環型エネルギーの活用。ということで、ダッチオーブンにたどり着いた。直接火にかけられる。鋳鉄製でまんべんなく火が通る。保温性も高い。などの特長から、石焼き芋には最適ではないかと。
ガーデニングコーナーの「黒玉砂利」
次は、石を探して近所のホームセンターへ。ネットで「石焼き芋用石3㎏」が700円で売っていたので、てっきり、ホームセンターのキャンプ用品売り場にあると思っていたが、店員さんに「置いていません」とそっけなく言われてしまった。「取り寄せかあー。送料かかるなあ」と思いつつ、「石焼き芋用の石ってそもそも何?」と調べてみると、「黒玉砂利」らしい。もう一度ホームセンターへ。ガーデニングのコーナーにありました! 黒玉砂利15㎏1,000円。
1回目、おいしいけど蜜が…
安納芋と紅はるか、ダッチオーブン、黒玉砂利、バーベキューコンロ、炭、薪を用意して調理スタート。
まず、「石焼き芋の作り方」で検索。ダッチオーブンに石を敷き、石が温まるまで加熱した後、芋を入れ、30~40分加熱して柔らかくなったらできあがり、と書いてある通りにやってみた。いい感じにできた。中もねっとり、甘みも強い。ただ、いただいた石焼き芋のような「蜜」は少しだけ。
蜜はどうやったら出るの?
「蜜はどうやったら出るのか」とスマホで検索。ありました! なぜか大阪府堺市さんのホームページ。蜜たっぷりに焼くためのポイントは、「糊化」「糖化」「濃縮」の3つのステップが必要とのこと。
最初に中火と弱火の間くらいで約30~60分、柔らかくなるまで加熱。この過程で、サツマイモのでんぷんが糊状になり、酵素が働きやすい状態に。ただし、加熱しすぎると酵素が働かなくなるという。
次は「糊化したでんぷんをβ-アミラーゼという酵素の働きで麦芽糖に変化させる」。β-アミラーゼは30~70℃で活性化するというので、ダッチオーブンの保温性を生かして、90分放置。
最終段階は再加熱。芋の水分を飛ばして麦芽糖の濃度を高める。30~40分、コンロに薪を入れて、温度を高めて焼きあげる。時々、焦げないようにひっくり返しながら。
蜜が飴のように糸を…
できあがりは、1回目と様子が違う。芋から蜜が溶け出し、飴のように糸を引いている。3回目は紅はるかも焼いてみた。結局、1日中「石焼き芋」の番をしていた。保温の時間は畑に行って(笑)。妻、娘夫婦、母親から高評価を得て、大満足。
甘く、蜜のある「石焼き芋」ができる理屈がわかれば、何をすれば良いかがわかってくる。次のテーマは、大きめのダッチオーブンを購入して、効率性のアップ。火加減の精度向上。その次は、繊維が少なくておいしい、手ごろなサイズのサツマイモを育てること。おいしい焼き芋を作るためのやるべきことが、見えてきた。
(あぐりげんき通信)