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詩   散る紅葉…


落ち葉を
踏みしめて歩くと思い出す

赤や黄色に色づいたあの季節


ねぇ出かけない?
っていう君に
微笑みで答えたことを
今も よく覚えている


君は歩幅を合わせてゆっくりと歩いて…
わたしの右手は君のコートのポケットに恋人繋ぎのまま

深まる秋のなか

その季節は永遠に続くと・・
信じていた
満ち足りた “とき ”


赤や黄色の落ち葉が
茶色の枯葉色に変わっていくように
いつしか
君とわたしの手は離れて…

別々の道を見つめていたことに
気づいた 冬


あれから…
何度目の冬になるだろう


あの日の手繋ぎの温もりが
この季節になると
この手のひらに
今も微熱を含んだまま

   ・・  残る


         ‥



手繋ぎの温もりいまだこの手の中



ふざけては笑いころげて冬コート



奏でゆく風の化身か散る紅葉








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