数学夏祭り9、10に参加 完答より敢闘?
数学夏祭りのHPはこちら
難易度の星が多くて、はなから無理だろうと思ったが動画は挙げた問9、問10について。それと、数学夏祭りに参加した感想を述べる。
問9
実は直前にベクトル場について勉強しておいた。それは適切であったが「線積分」この名前で圧倒された。ベクトル場で、線積分。うひゃー!
まずベクトル場について説明しよう。これは、地図の上に矢印がびっしり書き込まれている状態だ。ただびっしりとは言っても、1カ所に必ず1つだけ矢印の出発点がある、という書きかただ。どの矢印もまっすぐであり、向きだけが異なる。
冷静に考えると、線積分の考えもそんなに難しいものではない。普段やる積分は、 x の少ない方から多い方へと軸に沿って y の値を足し合わせていく。それを曲がった線のどっちかの端から反対の端に向かって z の値を足していくという風にやっていけばいいのである。
イメージとしては、びろんびろんに曲がりくねっている(まっすぐでもまあイイんだが)崖の上を歩く。この歩いた部分の、側面の面積を求めよ、という問題に答えをくれるのが線積分だ。
普通の積分と違って、曲線の長さを考える必要があるかもしれないが、問題が極座標表示されているのは、それをやりやすくする親心であろう。
「いや、でも関数ならともかくベクトル場なんてとても・・」
と思ってしまうのだが、それとて恐るるには足りない。ベクトルの成分を別々に足し合わせていけば良いのだろう。
意味としてはこういった感じだ。今、ある場所からある場所へとある道を通って移動する。このとき様々な方向から押されたり引っ張られたりする力がかかる。はい、ゴールに着くまでにどれだけ疲れた(仕事をした)でしょう、ということだ。
問10。最後は解析の問題だということで、勝手にリーマン予想がらみではないかと思って予習しておった。そしたら
キター!やっぱりリーマン予想関連。素数の分布に関する問題である。
ということで早々にあきらめたのである。。が、
待てよ?よーーーーく見ると、この問題
π(x)=( x 以下の素数の個数)
の一文はなくてもいいんじゃないか?
そうだ。これは関数の不等式の問題でしかない!
・・とまあ、問9、10についてはどちらもほとんど手さえつけないで終わったが(そもそも家れなかったし)、あんまりビビらないほうがいいよ、という問題であった(それでも問10はちょっと手強いが)。
なんでもそうだ。英語でも楽器でもスポーツでもいい。とりあえず関心や必要がないんだったらやるまでもない。ただ、相手にする対象がとてつもなく大きく見えてしまって「自分にはできない」と思ってできないままであるのはちょっともったいないかもしれない。人生の問題もそうだ。
・ひとつひとつ解きほぐしていくと頂上が見えてくることがある。
・頂上まで見えれば、スモールステップを上がるだけになる。
英語だって、”How are You?””Fine.Thank you!" などと発された言葉、発した言葉と人の反応が結び合わさって、そのうちその意味が判って、その範囲や深さが大きくなっていく。2歳の子だってやっていることだ。
楽器だって鍵盤を叩けば音くらいは出るわけで、そこに音の連なり重なりが増して1つの曲になる。
逆上がりだって、必要な筋肉に力を入れるのと、必要な動きとがあって、それらのすべてが一連となればできあがる。
それでも英会話は耳が育ち、口が回る必要がある。楽器はリズミカルに必要なインパクトをつけるように操作するまでの熟達が必要になる。逆上がりなら最低限の筋力やバランス感覚を掴むことが必要となる。
数学の問題を解くのも1つの運動だ。ただ、理解さえすればできる部分もけっこうある。問9などは難易度が高いことになっているが、計算方法が判っている人には星4つの問1よりもはるかに簡単だ。外国語や楽器やスポーツよりはずっと楽だと思う。
おそらく我々は、必要以上に何らかの問題を、実体以上のモンスターと見誤りがちなのだ(その逆の話もした)。見立てを見誤ると、太刀打ちはできなくなる。そもそも勝負自体に及び腰なのだから。
ただ、数学なんて面白いものは、関心のある人か必要のある人がやればいい。外国語も楽器もスポーツも。人生の問題もだ。
数学夏祭り。この世のあらゆる「問題解決」の本質は、数学の問題を解くことのある。私は別の数学イベントでは、時間いっぱい考えるということをしたが、今回は保育園お迎えというタイムリミットの中で遊ばせてもらい、最後はその時間さえなくなった。それでもくらいつき、その姿を動画で晒す、というのがもうひとつの挑戦であった。
今度は何を遊ぼうか。天から降ってくる問題と自ら追い求める問題とで、これからの人生はどうなるのか。
楽しい!