【即興小説】 『カンパニー なみのまにまに』
どことなく煤けた曲線の机が並んでいる。波打つ形は仕事をするのには不向きに決まっているのだが、流行りのスタイルというべきか、いや流行ってなどはいないが今時の会社のありかたのひとつではあり、たまにそういう凝ったオフィス作りをするところがある。カナ丸商事のオフィスは、その典型なのだ。おそらく社員も会社見学の際にそういうのに憧れて入ってきたクチであり、それならそれでそういうスタイルを好むんだからよさそうなものだと思いきや、いやいやどうして、そんな机に不平を言うまでは三月とかからない