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何を分析対象とするか~その2~

こんにちは! 本日も分析ラボ通信の開封ありがとうございます。

今回は、前回に引き続き、分析対象の選定についてみていきたいと思います。

前回の投稿はこちら↓


前回は分析対象の選定基準として「量的基準」をみていきましたので、
今回は「量的基準」以外の選定基準をご紹介します。

では、早速みていきましょう。


「質的基準」


前回が「量的基準」をご紹介しましたので、
今回はまず「質的基準」をご紹介します。

前回の「量的基準」に対して「質的基準」というのは、
単純に金額的な大小の観点ではなく、別の観点から重要性があると判断する
基準となります。

前回もご紹介した監査・保証実務委員会報告第82号
「財務報告に係る内部統制の監査に関する実務上の取り扱い」において、
質的重要性の例示として下記のものがあげられています。

・上場廃止基準や財務制限条項に関わる記載事項などが投資判断に与える影響の程度
・関連当事者との取引や大株主の状況に関する記載事項などが財務報告の信頼性に
 与える影響の程度

質的基準も量的基準と同様に「どの会社にも当てはまる基準はこれ」
というものはありませんので、会社の状況や会社を取り巻くステークホルダーの方にとって重要な事項は何か、といった観点から質的に重要な項目を基準として設定することになります。

簡単ではありますが、「質的基準」のご紹介は以上となります。

何を分析対象とするのか、という基準について「量的基準」と「質的基準」を
ご紹介しましたが、 その他の考慮事項についても一般的な内容をご紹介していきます。


経常的or新規項目



何を分析対象とするかを考えていく場合に1つの有用な視点としては、
経常的な項目なのか、新しい項目なのか、があります。

経常的な項目としては、例えば減損や税効果などの見積もり項目があげられます。
これらは毎年発生する経常的な項目ですが、重要性が高いことが多いため
確実に分析対象とすべき項目となります。

新しい項目としては、
・当期から新たに会社が始めたビジネス活動
・当期から新たに適用となる会計基準
・当期から新たに適用となる見積もり方法(見積もり方法の変更)

などを洗い出し、これらが影響を与える会計処理に対して、十分な確認(検証)ができる決算体制と なっているのかを確認する、というのが基本的な分析対象を確認する流れとなります。

「量的基準」と「質的基準」で全体的に分析対象とすべきものを確認した上で、
今ご紹介した
・経常的な項目で重要なものが分析対象となっているか
・新しい項目が影響を与えるものが分析対象となっているか
を確認していくことで、ある程度網羅的な分析対象の選定が行えます。

今回は以上となります。

編集後記


以前、体調を崩してから仕事のススメ方を改めて見直しています。

やはり(というか当たり前というか)
期限に迫られて集中して業務を実施するよりは、
早めに取り掛かり、小さなパーツ毎に仕上げて行ったほうが
結果的に早く、良質な成果物が出来上がってくると実感しています。

大学の研究者の方なども大量に論文に書く必要があるとのことですが、
結局、大量に書く最善の方法は「毎日計画的にコンスタントに書いていく」
という方法のようです。

何事もコツコツに勝るものはないようです(一部の天才は除く)。

分析ラボ通信も第1回の配信を始めてから5ヶ月が経過しています。
当初からコツコツ分析を実践されている方は、改めて分析ラボ通信を読み返してみると
最初に読んだ時とは違った理解ができるのではないかと思います。

これからもいろんなものをコツコツ積み上げて、

振り返った時に「おぉ!」といえる様なものを作り上げていきます。



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