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「履物を揃える」日本の所作と美意識から生まれたデザイン。前編
小さい頃、親に「脱いだ靴を揃えなさい」と怒られたことがある人は多いと思います。
「お箸を正しく持ちなさい」とか「ご飯を食べるときは手を合わせなさい」とか、よく知られる礼儀作法の一つとして、私たちは当たり前にそれらを習ってきました。
しかし、この「脱いだ靴を揃える」という所作、実はちゃんと意味がありルーツがあるんです。
今回は、この日本の所作と美意識から生まれた桐下駄のお話。若き匠たちが研鑽し合うLEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2016にて絶賛された桐下駄「ZANSHIN」についてお話ししていこうと思います!
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デザインがさらにおいしくなる話vol.17【ZANSHIN】前編
LEXUS NEW TAKUMI PROJECTとは、名前の通りLEXUSが主催するプロジェクトです。
LEXUS。
車のラグジュアリーブランドの、あのLEXUSですね。
LEXUS NEW TAKUMI PROJECTとは
「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT」とは、LEXUS*が主催となり、日本の各地で活動する、地域の特色や技術を生かしながら、自由な発想で、新しいモノづくりに取り組む若き「匠」に対し、地域から日本全国へ、そして世界へ羽ばたくサポートをするプロジェクトです。
LEXUSは、日本が持つ大きな価値の1つが、全国各地で伝統的な技術や風土など地域の特色を生かしながら、常識にとらわれない新しい発想でモノづくりに取り組んでいる多くの「匠」たちの存在だと考えています。伝統技術を含めた日本のモノづくりを支え、作り手の才能を育て、サポートすることを目的に、LEXUSは本プロジェクトを実施しています。(一部抜粋)
LEXUS NEW TAKUMI PROJECTでは、47都道府県から選ばれた「若き匠たち」が伝統技術や地場産業を取り入れながら新たなプロダクトを作り上げます。これを、日本屈指のクリエイター陣がメンターとしてサポートし、審査するのです。
総合プロデューサーは、あの小山薫堂さん。
メンター・審査員には隈研吾さんら各界隈のレジェンドが並びます。
サポートメンバー一覧↓
この2016年度の若き匠たちに、弊社代表の村上モリロー(以下モリローさん)が選ばれました。
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こちらがそのモリローさん。
ちょっと強面ですが、桃とNIKEとONE PIECEとポテチが大好きな子煩悩パパです。いつもはやさしく、ときに厳しく私たちを導いてくれる我らがリーダー。懐の深さは日本一。
でも年中口内炎に悩まされています。( 可哀想!)
さて、そんなモリローさんが「伝統技術や地場産業などとコラボしたプロダクトの製作」のお題で組み合わせたのは、この二つでした。
桐下駄×革製品
桐下駄は香川県さぬき市の伝統工芸品。
革製品は香川県東かがわ市の手袋から派生した地場産業としてコラボさせました。
そう、レザーを使った桐下駄を作ろうとしていたのです。
しかし、製作の中間地点となるメンターへのプレ・プレゼンテーションは惨敗することになります。
その理由が、
(※ここから言い訳です。)
モリローさん「2016年は(※)瀬戸芸があって忙しかったんよ!!」
※瀬戸内国際芸術祭
「瀬ト内工芸ズ。」というクリエイター団体として瀬戸芸に参加していたモリローさんは、うっかりそちらにかまけてLEXUS NEW TAKUMI PROJECTの製作をほとんど進められていなかったんですね。
うっかりです。そんなこともあります。
瀬ト内工芸ズ。についてはこちら!
ちなみに当初作ろうとしていた桐下駄がこちらです。
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この試作品とプレゼンを見た小山さんからは、
「もっと(※)柳宗理みたいな、本質を変えるデザインを」
※柳宗理とは、日本を代表する工業デザイナーの一人。
という一言。
プレゼンを聞いていた他の匠たちの反応も悪く、さすがに「やばい」と思ったそうです。
プロダクトの発表本番までは残りたったの2カ月。
しかし、前述した通り本番で発表した作品は会場中から絶賛されるほどのものになりました。
ここからどうやってあの「ZANSHIN」へ行きついたのか。そのどんでん返しのシナリオは……
次回へつづく!
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to be continued……
「デザインがさらにおいしくなる話」とは?
㈱人生は上々だのデザイン制作の裏話をもぐもぐ噛み砕いてご紹介していくシリーズです。 意外と知らないデザインの裏側。そこには一体どんなこだわりが隠されているのか?
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ZANSHIN
LEXUS NEW TAKUMI PROJECT