見出し画像

学習評価について

 新学習指導要領が小学校では今年度から、中学校では来年度から始まります。特に中学校ではこの評価によって進路に影響が出ることがあり、評価のスタイルが変わったことにとても不安を感じているという声があります。

大きな変更点としては4観点(国語は5観点)が3観点に変更となったこと
◯知識・技能
◯思考・判断・表現
◯主体的に学習に取り組む態度

です。

知識・技能
 各教科等における学習の過程を通した知識及び技能の習得状況について評価を行うとともに、それらを既有の知識及び技能と関連づけたり活用したりする中で、他の学習や生活の場面でも活用できる程度に概念等を理解したり、技能を習得したりしているかを評価する。

とされています。知識・技能はただ持っているだけではなく、それを活用することができてこその知識だということ、今までの一問一答式の設問や質問をしているようでは評価ができません。鎌倉幕府が1192年に建てられたとして、それを「いいくにつくろう鎌倉幕府」と覚えるのではなくて、どうして鎌倉の地に幕府が建てられたのか、経緯や社会的背景などを理解しているかどうかを問う必要があります。

思考・判断・表現
 各教科等の知識及び技能を活用して課題を解決する等のために必要な、思考力、判断力、表現力等を見についけているかどうかを評価する。

とされています。知識・技能が身についた先にあるように見えますが、知識・技能に比例しているわけではなく、知識・技能の量に対して一対一対応しているとみれば、知識・技能が量的に評価が低くてもその1つに対してしっかりと思考することができていれば評価は高くなると考えられます。先ほどの鎌倉幕府であれば、その理解が現代とどう関連しているのか、教訓とすることはあるかなど答えがないとしてもそれを考えるために学んだことをフル活用しているかを評価する必要があります。記述式の回答が多く求められると思います。そして、それを公平に評価できる教員の力も試されています。ただ、評価はABCの三段階ですから、それほど難しいとは思いません。テストもわかりやすく三段階にすればいいのではないでしょうか。

主体的に学習に取り組む態度
 知識及び技能を獲得したり、思考力、判断力、表現力を身につけたりするために、自らの学習状況を把握し、学習の進め方について試行錯誤するなど自らの学習を調整しながら、学ぼうとしているかどうかという意思的な側面を評価する。

とされています。これは今までの評価になかったものではないでしょうか。これからの子供たちに必要とされていると考えたのでしょう。シンプルに言えば自己調整能力、メタ認知能力があるかどうかだと考えられます。そして、調整するだけでなく、それを工夫しながら持続して解決の方向に持って行こうとしているかどうか、これが両輪となって働いているかを評価するのだと思います。この評価には自己評価ノートや計画ノートなどを活用して今の自分の置かれている状況を適切に把握し、対処方法を考察できるかどうかを報告させるといいと思います。例えば、鎌倉幕府の学習では、時代背景を理解するために源氏と平氏の成り立ちを調べると計画を立てたのであれば、それをするために図書館で文献を調べたり、ネットでそれに関連した記事を見るなど授業外での活動も必要になり、授業ではそれをまとめた利回りと共有するような活動が中心となるでしょう。

 今までの評価が間違っているわけではなく、今までの評価を曲解して都合良くより効率的に評価をしている先生が多くなったことで、もっと本質を見るようにしなさいと警鐘が鳴らされたのではないかと思っています。手を上げた回数で意欲を見るんですか?ってことです。



いいなと思ったら応援しよう!