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これを知っていれば「PDFツウ」と言える機能3選:Acrobat活用術
Adobe Acrobatには知られざる便利機能がいくつもあります。前回ご紹介した、アドビのメディアイベントにて発表された「PDFの機能に関する認知度調査」の結果を参考に、アドビはビジネスパーソンに活用いただきたい便利な機能を3つ紹介しました。少しマニアックだけど、知っていれば「PDFツウ」と言える機能です。今回は3つの機能の使い方についてご紹介します。
墨消しツール
機密情報や個人情報等、部外者には見せたくない情報を隠すために、塗りつぶした四角などの図形を重ねることはないでしょうか。印刷なら隠せますが、PDFの編集機能を使えば図形は動かすことができますし、全体をコピーしてどこかに貼り付ければ隠していた情報が見えてしまいます。
墨消し機能を使うにはPDFをAdobe Acrobatで開き、「編集」から「PDFを墨消し」を選びます。そして「PDFを墨消し」パネルから「テキストと画像を墨消し」をクリックします。
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墨消しする対象をドラッグで選択し、画面左下の「適用」をクリックします。
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「墨消しを適用」ウィンドウが表示され、ドラッグした情報が文書から削除されることが記載されています。非表示情報からも完全に削除する場合は、「非表示情報をすべて削除」をクリックします。
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墨消しが実行されたファイルが作成されます。墨消しされた部分は、コピーをしたり文字検索をしても抽出されません。
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個人情報や機密情報が含まれる文書を部外者に渡すような時は、PDFの墨消し機能で情報を完全に削除しておくことで、安心して文書のやり取りができます。
墨消しツールについてより詳しくお知りになりたい方は、こちらをご覧ください。
PDFポートフォリオ
Adobe Acrobatを使えば複数のファイルをひとつのPDFにまとめることができます。このPDFはPDFポートフォリオまたはPDFパッケージと呼びます。PDFだけでなく、Word、Excel、画像、動画、3D CADデータなども含めることができますので、相手がファイルを開くプログラムを持たなくてもPDFにまとめればそのまま相手と共有できて便利です。
PDFポートフォリオを作成するには、「すべてのツール」から「PDFを作成」を選択します。「任意の形式からPDFを作成」画面から「複数のファイル」を選び、「PDFポートフォリオを作成」を選択して、「次へ」をクリックします。
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続いて表示されるウィンドウでポートフォリオに含めるファイルを選択またはドラッグして「作成」をクリックします。
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PDFポートフォリオを開くと、フォルダのようなウィンドウが開き、選択したファイルが並んでいます。順番を変えたければ、ドラッグで移動することも可能です。PDFポートフォリオからファイルを抽出、つまり取り出すことも可能です。ファイルをまとめるバインダーのような感覚で使えます。
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複数のファイルを渡す時、ZIPで圧縮して渡す方法もあります。しかしZIPの送受信を許可していない環境もありますので、PDFにして送付することも選択肢のひとつとなるでしょう。
PDFポートフォリオについてより詳しくお知りになりたい方は、こちらをご覧ください。
ガイド付きアクションを使用(繰り返し行う操作を一度に実行 )
日々の業務で繰り返す、複数の操作はありませんか?例えば、誰かにファイルを渡すとき、ファイルの作成者名を削除する、ファイルサイズを小さくする、ヘッダー/フッターをつける、透かしを入れるなど、それぞれは大した手間ではありませんが、時間や労力を奪われ、たまにやり残しのミスを起こしたりします。何回も繰り返す定型の作業なら、事前定義しておくと効率的です。
ガイド付きアクションを設定するには、Acrobatで「すべてのツール」から「ガイド付きアクションを使用」を選択します。
「ガイド付きアクションを使用」パネルで、「アクション」から「新規アクション」を選びます。
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「新規アクションを作成」ウィンドウが表示されたら、「追加するツールを選択」からツールを選択し、画面中央の「+」「→」のボタンをクリックして、「表示するアクションステップ」のリストに追加していきます。
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アクションの作成が終わったら、最後に画面右下の「保存」をクリックし、アクションの名前を設定して終了します。作成したアクションは「ガイド付きアクションを使用」パネルのアクションリストに表示されるようになります。
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設定したアクションを実行する時は、「ガイド付きアクションを使用」からアクションを選択し、「開始」ボタンをクリックして実行します。定型の作業を素早く確実に処理できます。
ガイド付きアクションについてより詳しくお知りになりたい方は、こちらをご覧ください。