あんたらだけ
なんもない夜、ふと浮かぶんは
あんたらの顔ばっかりや。
疲れたな、思うたら、
なんでかいつも、そこにおるんや。
「言わんでも分かるやろ?」
そんなん言うてくるけど、
ほんまはな、分かってほしいとこ、
一番分かってくれとるんも、あんたらだけや。
適当に集まって、アホな話して、
大笑いして解散して。
そんだけのはずやのに、
気ぃついたら、あの時間だけ、心に染みとんねん。
離れてても全然平気や、て言えるのは、
また会えるって知っとるからやろな。
そんなこと、思わせてくれるんも、
結局あんたらだけや。
弱いとこ見せるん恥ずかしいけど、
なんも言わんと受け止めてくれるんも、
いつもおんなじように笑わしてくれるんも、
ほんま、あんたらしかおらん。
ほんなら、ありがとうなんか言わんけど、
また近いうち飲みに行こや。
特別な話とかいらんから、
ただ、あんたらだけでええねん。