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「女子高生の裏社会」を読んで。

興味本位で読んでみました。強いて書くならば、家出少女を保護して逮捕された報道があり、関連しそうな話だったため。それに加えて、タイトルに「関係性の貧困」に生きる少女たちとあり、「関係性の貧困」というワードに惹かれました。

本書の内容は、著者がJK産業(JKリフレ、JKお散歩)に関わっている人たちへのインタビューをまとめたもです。

*JKリフレ:女子高生によるリフレクソロジー(個室でのマッサージ)
JKお散歩:女子高生と客とのデート

本書 p5より

感想としては、自分にも関係している所はあると感じました。

私はJK産業をやっているという人は周りでも聞いたことがありません。でも、本書で書かれている「大人を信じる」や「ホームページがあれば安全」などはちょっと抵抗感なく受け入れられる所もあると感じました。例えば、ごく普通の飲食店やコンビニのアルバイトでも名前を知っているや、契約書をしっかり結んでいるから大丈夫という話と似ていると感じました。

本書で書かれているJK産業に関わっている当人たちは、自分が違法なことや、危ないことをしているという自覚がないことが書かれています。

理由としては、JK産業を運営している側がやさしく気遣いしてくれるだったり、単に大人を信じているからだったりします。

これは上に書いたような普通のアルバイトでも、同じ理由で「私のアルバイトは安全」と感じるのではないか?と思いました。

これが世間で言う、ブラック企業・ブラックバイトなのでは?と。

相手のことを素直に信じてしまい、それが危険かどうかが自分では分からなくなる可能性があることが自分にも関わりのある問題だと感じました。


・負のループ

普通の仕事をしてほしいと思っても上に書いたようなブラックな仕事に巻き込まれるとJKでなくても、ネットニュースで書かれるような夜の仕事から抜けられなくなる構造がなんとなく分かりました。


私が本書を読んで感じた普通の仕事との違いは5つです。

・時給、日給が高い。(感覚として2~10倍程度)
・いつでも稼げる。(特に決まったシフトがない)
・契約書が形式だけ
・給料は手渡し
・マイナンバーの提出などがない

手続きが手軽で、時間に縛られずに稼げて、しかも高いというのが特徴です。時給・日給が高いのは知っていましたが、比較的自由に稼げるというのは初めて知りました。

一般的な仕事はこれとは真逆で、手続きを色々踏む必要があり、時給が安く、時間の制約があります。また、JKという年齢や学歴による制約があり、普通の仕事がしにくい環境というものもあります。

著者やインタビューされた当事者自身もJK産業から足を洗いたいという人がいるものの、

1.まず普通の仕事にありつけるのか?
2.ブラックな仕事ではないか?

という二段階の問題があります。仕事にありつけたものの、ブラック(自分にとって苦痛ではないか?)な仕事であれば、自分にとっては短く済む方が楽です。

苦しみに合う時間とお金を天秤にかけた結果、結局は短時間で稼げるような夜のお仕事の方がいいという選択を取るのではないか?と勝手に感じました。

それに一般的な仕事とは違い、契約書が形式的なもので、給料も手渡しなので親の合意や銀行口座が無くても仕事ができます。これも1つの原因で、履歴書の書き方が分からない、色々な手続きや手順を踏むのがめんどくさいというのもあるのではないか?と感じてます。

「色々しなければいけないし、よく分からない。それに時間も長いし、給与も安い」

なら、夜のお仕事でいいという負のループなのかな?と感じました。


興味があれば読んでみて下さい!

では。



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