過量服薬について
本日伝えたいこと
夢の中に救いはあります。逃げたい時もあるよね。
けれど、夢からは醒めなければいけないのです。
どうか生きていく力を私たちに。
けれど、大丈夫。一人じゃないよ。
薬が無くなる前に、ゆっくり休んで、病院に行こうね
過量服薬(Overdose, OD)について
皆様はODについて、どのような印象や考えをお持ちでしょうか?
この行為は、うつ病の人の希死念慮(死にたい)という考えを端的に表している行為と私は考えます。
かく言う私もODは複数回行っております。医療従事者として、あるまじき行為かもしれませんが、咄嗟に、いやある程度は計画的に行なってしまうものなのです。
健常な方に一つ伝えておきたいことは、ODで本気で死ねるなんて、実は多くのうつ病の人は思っていません。自死を考える時、色々なサイト等で予め調べている事がほとんであり、そうしたサイトでも、確実性の乏しさが言われていることをみんな知っているからです。
医療従事者、特に救急に携わる人間はここを理解していません。ちなみにですが、精神科以外の医療従事者ほど、うつ病含めたメンタル疾患について、知っているのに、”理解”から程遠い職種の人はいません。
そもそも理解する気がなく、疾患の知識と拙い経験だけで、知った風なことを言います。私も救急の仕事をすることがありますが、自分自身がうつ病であることもあり、そうした医師、看護師、救急隊を多数見てきては、嫌気がさしています。と同時に、自分も医療従事者であることから、この場を借りて、そういった人たちに酷い対応をされた経験を持っている仲間たちに、心から深くお詫びします。
ではどうして、ODをしてしまうのか。
私が感じたこと、そして入院していた時に出会った、仲間と話して、共通に感じていたことをお話しします。もちろん、全ての人に当てはまるわけではないです。医学的根拠にも乏しいでしょう。
私が死にたい、と口にする時、それは字義通りの死にたい、とは違うと私は思っています。うつ病で辛い時、そもそも、積極的に死に向かっていくほどの元気がそもそもありません。例えば練炭自殺や首吊り、飛び降りなんて、そんな行動はできないのです。行動を起こす気が起きないくらい、体も頭も動かないのですから。私が死にたい、と口にする時、それは”生きていたくない”と言う意味で言っていると、私は思っています。
死にたい、と、生きていたくない。それは似ていて、完全に非なるものです。前者は積極的であり、後者は限りなく否定的です。眠りから醒めたくない、と言っても良いかもしれません。目が醒めると、そこには灰色の世界が待っているのですから。
そこで、手持ちの薬で楽になりたい、と思うのがODのきっかけ、と私は思っていますし、少なくとも私や、入院していた時に出会った仲間の多くにとってそうでした。
ただし、双極性障害の躁状態の時の希死念慮は注意が必要です。元気な状態ですから、積極的な方法をとり、本当に亡くなる方も大勢います。双極性障害で希死念慮がある時、その時は、元気なのですから、迷わずに病院受診してほしい。これは、心からの祈りです。
ODのデメリット
ODのデメリットは色んなところで言われています。いずれも脅すものが殆どです。救急搬送、胃洗浄、気管挿管、後遺症などなど。
けど思うんです。脅しても、響きません。経験していないことは、真に想像はできないからです。
タバコが体に悪いことを知らない喫煙者はいません。それと同じだと思っています。
リスクを説明すると、かえって減らしたい行動が増える、と言うことはよく言われていることですが、本当にその通りだと思っています。
そこで、OD経験者として、本当に困ったことをデメリットとしてお伝えします。それは、普段の内服薬が手元からなくなってしまう、これです。
これが、一番困るんです。OD後は驚くほどよく眠れます。何せ、大抵は眠剤を飲むのですから。けど、起きた時に気がつくのです。はて、今晩眠れない時、どうしよう、と。受診日はまだ先だし、困った、となります。
数度私もODをしましたが、その度に困りました。何せ、ODをする時にはそもそも体が動かないので、病院に行く元気が無いのです。そんな状態で普段の薬もなくなると、回復の手立てが無くなってしまうのです。
では、どうしたら良いのか
こんなこと医療従事者が言ってはいけませんが、ODをするにしても、せめて1週間分の残薬は残しておくことが良いと思います。
あとは、OD以外で、日常から離れる技を磨くことが一番かもしれません。それは、マインドフルネスの技術の一つ、ボディスキャンです。瞑想それ自体も良いでしょう。あるいは、動けるのであれば散歩をする。その時に、普段よりもゆっくり歩き、周りの音、匂い、景色に注意を払う(これもマインドフルネスです)。体を動かせるようになったのなら、あなたは、うつ病の一番辛い時から抜け出せてきてい証拠ですよ。頑張っていますね。
ボディスキャンについては、記事を変えて説明したいと思いますし、Youtubeでなかなか良い教示がないため、自分で作ろうとも思っています。