休職中にした方が良いこと
今回の言葉
病気は、新しい自分との出会い。そして、より深く自分を知るきっかけ。
休職してからした方が良いこと
うつ病、適応障害に有効で、一番最初に行うべき治療は何かご存知でしょうか?休むこと。これが一番最初に重要なことではありますが、さて、その次です。休んで少し動けるようになった。けれど、休職中に何もしないでいては、かえって不安が強くなる。そのような経験や、今実際にそうである人も多いのではないかと思います。私もそうでした。また、不調が来たときに、私は休み続けなくてはならないのか?根本解決はどうしたら?不安がよぎります。
日本では、すぐに抗うつ薬の処方が開始されますが、実は海外のガイドラインでは、最初に取り組むべき治療は認知行動療法です。これは、最初は専門家の指導を受けながら訓練を行うものです。
しかし、残念ながら日本においては認知行動療法を受けることができない環境がほとんどなのが実情です。心療内科医でできる人は、ほぼいないと言っても過言ではない状況で、精神科医でも、できない人が多数です。
ただ、ようやく国も認知行動療法の重要性を認め、認知行動療法に保険点数がつき、医師もしくは看護師さんが行う場合に保険診療として認められることになりました。認知行動療法を保険診療として行う上での必要な研修もあります。そのため、私がうつ病を発症した当時に比べれば、幾分アクセスは良くなったように思います。
ただし、実際に認知行動療法に造詣が深いのは、医師でも看護師さんでもありません。今まで心理療法を専門に扱ってきた、臨床心理士さんの皆様です。ここで、一応用語の整理をしておきますと、公認心理師と臨床心理士は似て非なる資格です。公認心理師さんは、今でこそ受験資格が厳しくなりましたが、看護師さん、相談員さん、社会福祉士さん等の医療介護福祉職の方だけでなく、かつては占い師さんも相談員の一部とみなされ、資格取得可能でした。一方で臨床心理士さんは、心理学の大学、大学院を卒業した方のみが取得可能な資格で、まさに心理学、カウンセリングのエキスパートです。
認知行動療法はそうした臨床心理士さんが主に扱ってきたもので、やはり指導を受けるにも、臨床心理士さんの方に受けたほうが確実で、効果的と私は感じています。
脱線しましたが、うつ病で病院受診をする場合には、私なら、標榜科が精神科かつ臨床心理士さんがカウンセリングを行っているところ、そして認知行動療法を受けることができるところを、強くおすすめします。
休む間に何をしていればよいか、それは、先ずは身体の休息。そして、次に認知行動療法。さらには、きちんとした、丁寧な日常生活です。
認知行動療法を受けようと思ったら
とはいえ、すぐにアクセスできないのは確かです。そして、実はカウンセリングは保険診療ではないため、多くは独自の価格設定がなされており、時に法外とも言える価格のところもあります。
これには、国の責任がとても大きいと言わざるを得ません。公認心理師さんがようやく国家資格になった一方で、今でもなお、ずっと専門として貢献してきてくださった臨床心理士さんによるカウンセリングは保険診療としてみなされないからです。精神科病院や、クリニックで働いている心理士さんの方々、この人達による専門性の高いカウンセリングに、国はお金を支払わないのです。これでは、割に合わずに、独立開業し、自身で価格設定する方向になってしまうのも止むを得ないと私は考えます。
さて、うつで調子が悪いときに、わざわざ出かけることが大変、ということもしばしばでしょう。
そんな時おすすめなのは、オンラインでのカウンセリングです。ただし、ここでも必ず注意しなくてはいけません。多くのカウンセラーさんがいますが、保有資格に臨床心理士が入っているか、必ず確認してください。本当はこうした誘導は良くないのかもしれませんが、記事が削除されてでも、炎上してでも、多くの批判を集めようとも、これだけは仲間の皆様にお伝えしたいことです。
先程から何度も述べているように、カウンセリングを基本からしっかり学び、認知行動療法について深い造詣があるのは、臨床心理士さんだからです。あるいは、認知行動療法以外にも適切なカウンセリング手法を勧めてれるかもしれません。
私は入院中は、病院の臨床心理士さんにみっちり指導を受けましたが、退院してからは「うららか相談室」を利用していました。
それでも、やはりお金はかかりますし、デバイスを使用すること自体今は辛い、という方も多いことでしょう。
次回からは認知行動療法について少しお話していきたいと思います。その中で、認知再構成、マインドフルネス、フォーカシング、セルフコンパッションについて、自分なりの解釈ではありますが、少しずつ解説していきます。
休職中に休むだけでは辛いという仲間たち。再発したらどうしようと不安な仲間たち。
薬の効果は限定的です。どうかこれを機に、ご自身と向き合い、新たな自分との出会いを果たしましょう。