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わからないことばでテストして、バツばかり。

みなさま、こんにちは!Adelanteです。
いつもお読みいただきありがとうございます。

1月は「子育て」、2月は「孤立」に関するテーマのエピソードをご紹介してました。たくさんのご感想をありがとうございました!

さて、今月3月は外国ルーツの子どもや保護者らに関する「教育」をテーマにエピソードをご紹介したいと思います。

弊社代表の堀口をはじめとする、Adelanteのメンバーはかつて外国にルーツを持つ子どもへの学習支援教室を開催していました。

今回は、私たちが出会った、あるペルーにルーツを持つ小学校3年生の子どもについてのエピソードです。

日本語以外の学校に通ったことはありますか?

突然、教室から出ていったマイケル

小学三年生のマイケルはいつも元気で活発な子でした。
日本で生まれましたが、その後は親の仕事の関係やさまざまな理由でペルーと日本を行ったり来たりしていました。そんな行き来するなかで、数年ぶりに再来日したマイケルは、日本語のほとんどを忘れていました。

小学校に通いながら放課後に学習支援教室に参加し、ひらがなやカタカナを勉強していました。

ある日、勉強をしていると、マイケルは突然立ち上がり教室から走り去っていきました。急いで彼を追いかけ引き留め、どうしたのか事情を聞くことにしました。その日は幸い、スペイン語を話せる支援者がおり、彼の気持ちをスペイン語で聞くことができました。

『日本語での勉強がつらい。わからないことばでテストして、バツばっかり。家に帰ったら宿題をしないと怒られるけど、宿題はむずかしい。』

日本語での勉強が理解できず教室を飛び出したマイケル。自己肯定感が下がり、学習意欲が持てない状況になっていました。
彼ひとりではどうすることもできない「ことばの壁」がありました。

ちいさな子どもが抱えていたストレスは計り知れません


外国ルーツの子どもたちが抱える困難さとは?

文部科学省によると、令和3年度の日本語指導が必要な外国籍児童の数は47,000人以上と年々増え続けています。
今回ご紹介したマイケルのように、来日したばかりの子たちにとって日本語での学習内容を理解するのは簡単ではありません。また、日本語だけでなく新たな環境に慣れるまでの過程も大きなストレスと感じる子も少なくありません。

こどもたちを支えようとする保護者もまた日本の習慣や文化を知らなかったり、また仕事に追われ十分に向き合う時間を取れないケースがあります。先生や周りとコミュニケーションがとれず孤立してしまうことも…。

今回のマイケルは自身の限界に気づき、周りに伝えることができました。その後、彼のペースに合わせた環境づくりを進めていくこととなりました。彼の声に耳を傾け、互いに向き合い続けることで前に進んでいくことができます。

まだまだ、外国ルーツの子どもたちの存在は知られていません。しかし、かれらも将来の日本社会、地域社会を担っていく一員ではないでしょうか。彼らの持つ可能性を信じ支えていきたい、その想いは私たちの原点ともいえます。


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