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【#17/18 大阪】名建築で昼食を~船場編~

2024年2月3日、僕は大阪へと向かいました。
新幹線の隣の席には友人のキング。彼は「名建築」鑑賞仲間です。


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夜にショーパブ(アポロ1ビル)へ行く予定を立てていたため、推しのダンサー話で盛り上がってしまい、うっかり忘れそうになってしまいましたが、
「大阪で名建築を巡ること」が今回の旅の大きな目的の一つなのです。
作戦会議の結果、今回は大阪の中心部「船場エリア」の登録有形文化財を鑑賞することにしました。

大阪ガスビルディング(登録有形文化財)

竣工:1933年(昭和8年)
設計:北館 安井武雄、南館 佐野正一
施工:大林組
構造:鉄骨鉄筋コンクリート造8階建 地下2階

出展 大阪文化財ナビ

現存するモダニズム建築の名作の一つである「大阪ガスビルディング」から鑑賞スタート🏢
ビル側面に放物線を描くカーブに黒のラインが特徴的なデザイン。まるで大型客船のような優雅な佇まいです。

1、2階の黒御影石と上階の乳白色のタイルとの対比がいい

もともとは南館(下記写真の建物中央部から左側)だけでしたが、安井建築設計事務所 佐野正一の設計により1966年(昭和41年)に北館増設が竣工して今の姿になっています。
まるで最初からこの形で建てられたと思わせる見事な融合です。

元々は南館(中央から左側)だけだっけど1966年に北館(右側)を増築

アールデコ様式と紹介されることが多いですが、設計した安井氏本人は「使用目的及ビ構造に基ケル自由様式」と説明しています。自由様式っ!
南館は2003年に登録有形文化財に登録されていますが、ついに「北館も登録有形文化財に登録される見込みとなりました」と大阪ガス公式ホームページでお知らせがありました。登録されれば大阪ガスビルディング全体が登録有形文化財になります。楽しみです。

隣に建つザ ロイヤルパークホテルからガスビルを見下ろす
ビルの曲線が美しい

今回僕らは大阪ガスビルディングの隣に建つロイヤルパークホテル アイコニック 大阪御堂筋に宿泊しました。上層階の部屋だったため、大阪ガスビルディングの特徴的なビルの曲線が綺麗に見ることができました。

大阪ガスは、大阪ガスビルディングの西隣に新ビルの建設を計画しています。それに伴い大阪ガスビルディングは2028年から改修工事に入る予定です。見るなら今です!

芝川ビル(登録有形文化財)

竣工:1927年(昭和2年)
設計:澁谷五郎(基本計画・構造設計)、本間乙彦(意匠設計)
施工:竹中工務店
構造:鉄筋コンクリート造地上4階 地下1階

出展 https://shibakawa-bld.net/

南米マヤ・インカの装飾を纏った不思議な存在感を放つビル。
有形文化財なのにテナントビルとしてバーや喫茶店が入居しているので、今回巡ったビルの中では一番ビルの内部までゆっくり鑑賞することができました。とても凝った内部装飾は見ているだけで楽しくなりました。
機会があれば是非見て頂きたいビルです。

地上4階地下1階のテナントビル
バー、喫茶店、ヘアサロン、チョコレート専門店、アンティーク時計店等が入っています
凝った造りの階段手摺り 
オーム貝?のような彫刻が施してあります
電声管 昭和2年のトランシーバー

そして、僕とキングの名建築巡りでのもう一つの楽しみは、名建築の中でランチを食べる事です。そうです「名建築で昼食を」です。

1棟目に巡った大阪ガスビルディングの南館最上階にはガスビル食堂があり、有形文化財で食事を楽しむことができます。しかし、平日しか営業していないため今回は行けませんでした・・・

そんな落ち込む僕らに朗報が!
芝川ビルの旧金庫室を改造した喫茶店Moleがランチをやっていました。ランチタイムぎりぎりに滑り込み美味しいジャーマンポテトサンドを頂くことができました。

地下の旧金庫室にある喫茶店「Mole」
雰囲気が最高に良い
念願の「名建築で昼食を」実現!
ランチのジャーマンポテトサンドは超絶美味しかった

船場ビルディング(登録有形文化財)

竣工:大正14年(1925年)
設計:村上徹一
施工:竹中工務店
構造:鉄筋コンクリート造 地上5階 地下1階

 出展 https://www.senba-building.com/

大正時代の鉄筋コンクリート造のビル。それほど大きくないビルのわりに柱が太いため、かなりガッシリした印象です。外観はタイル張りで、1階と2階以上でタイルを使い分ていてオシャレで可愛らしさえ感じます。

今回は内部を見学することはできませんでしたが、平日は事前に申し込めば内部を見学できるみたいなので、是非チャレンジしたいと思っています。

1階と2階以上でタイルを使い分けていてオシャレな外観

エントランスから中を覗いた感じでは、奥に吹き抜けの中庭があってその周囲に回廊が廻られてありました。

エントランスから続くこの通路は、昔は中庭までトラックや荷馬車を引き込んでいたそうです。
見学できた暁には、中庭や屋上テラス等をゆっくり拝見したいと思っています。

エントランスから中を覗いたところ
奥の方に見えるのが吹き抜けの中庭

綿業会館(登録有形文化財)

竣工:1931年(昭和6年)
設計:渡辺節建築事務所(渡辺節、村野藤吾)
施工:清水組(現:清水建設)
構造:鉄骨鉄筋コンクリート造 地上6階 地下1階

出展 https://mengyo-club.jp/

綿業会館は日本綿業倶楽部の建物として昭和6年12月に竣工、翌年1月1日に開館しています。
なんと開館早々に国際連盟日華紛争調査委員会(リットン調査団)も来館されているそうです。
館内見学は、毎月第4土曜日に2部制で開催されていて、
 第1部:(10:30~)見学後昼食付 4,000円(税込み)
 第2部:(14:00~)見学のみ 500円(税込み)
見学会は人気らしく抽選のうえ当選者のみ参加できます。

竣工当時から変わらない堂々とした佇まい

今回廻った4つの名建築の内、個人的にはこの綿業会館が意匠的にいちばん心ひかれました。
威風堂々というか質実剛健というか、側に立って建物を眺めているだけで押しつぶされそうな「圧」を感じる錯覚に陥りました。

重厚感のあるエントランスホール
エントランスのシャンデリアも豪華で見ごたえあり

綿業会館を運営する綿業倶楽部は社交クラブなので、会員になれば見学会以外でも入ることが出来ます。法人会員だけでなく個人会員も受け付けているようですので、時間と経済的に余裕がある方は入会をご検討してはいかがでしょうか(笑)

船場エリアの名建築群マップ

今回巡ったビルを地図上で〇をつけてみました。

船場エリアには今回の4棟以外にも名建築が沢山あります。
Strolyという地図サイトでも見ることが出来るので、是非こちらも見ながら名建築巡りを楽しんでください(^^)

名建築地図”Stroly” https://stroly.com/viewer/1556155149

Additional time blues(Podcast番組📻)
Starring:
 キング、ニコラス
(2024.02.03収録@大阪・船場)


ニコラス・ケイイチ
元気ながん患者。2024年秋頃に生前葬をするのが当面の生きる目標✨
サポート戴けたら生前葬の費用として活かします♡


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