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足立区女子が私人逮捕した話

時効だから書く。

2024年4月、人生で初めて私人逮捕をした。今や幻となった私人逮捕系YouTuberを好きで見ていたことはあったが、まさか自分がすることになるとは思ってもみなかった。

しかも、相手は足立区男子。北千住の男。出生はそうであるが、その事件が起きたのは新宿だった。マッチングアプリで知り合った、自称M治大学の学生で塾講師兼居酒屋のアルバイター。以下、被告A(足立区男子)とする。

私は、マッチングアプリで会う時はトラブル防止のために、必ず「ホストではないか」の確認をする。何の仕事かというより、「ホストではない」というのが重要なのである。なぜなら、私がかつてホストクラブにハマっていたのは、マッチングアプリで勧誘されたことがキッカケだからだ。

あれから6年も経ったと思うと、自分のありとあらゆる頑張りを褒め称えたくなる。その時は好きで通い続けていたのもあるが、夜の遊びを終えた今はもうそういうのは懲り懲りだと思っている。

そして、被告Aは「絶対にホストではない」という強い否定と共に、塾講師と居酒屋のアルバイトをしていると明言した。それ故、会う日時と場所を決め、当日を迎えることになったのだ。それまでの、LINEのやり取りも特に違和感はなかった。

そして、4月某日。

新宿駅東口の広場に被告Aが現れた。会う前に見た目は分かっていたものの、そこには明らかにホストだろうと言わんばかりの見た目の被告Aがいた。違うと聞いていたが、念の為に再度確認してみることにした。

「何度も聞いて申し訳ないけど、ホストではないんだよね?」

「え、俺ホストだよ。」

一旦、思考停止した。

「もうすぐ出勤時間になるから、俺の店に来るか今から帰るかどっちかにしてくれる?」

止まった思考を一気にフル回転させた。お笑い的なオチも込めて、私が放った一言。

「じゃあ、3つ目の選択肢として警察に行くのはどう?」

予想外の展開に戸惑う被告A。

「行こうか!^^」

「この後、他に会う予定の女の子がいるから行かないといけない。ごめん。」

震える声と共に、被告Aが数打ち当たれで同伴チャレンジを仕出かしていることに気付いた。

有り得ないし、許せない。腸が煮えくり返る思いと、同じ被害者を生んではならないという思いが同時に湧き上がった。

一気に、正義感のアクセルを踏み出した私。110番をしながら、逃げようとする被告Aを必死に制止した。被告Aは焦り散らかして、自分が働いているお店があるであろう歌舞伎町方面に、足早に逃げようとした。その震える片手には、邪気に塗れた指紋が目立つ、カバーなしのスマートフォン。どうやら、お店の主らしき人に電話をかけているようだった。

警察が来る前に主らしき人が部下を引き連れ、区役所通りに差し掛かる辺りにやってきた。

この時点で3対1の状況。

「あの、こいつこれから仕事なので先に行かしてもいいですか?」
「あなたがそんなこと言って、拘束する権利はあるんですか?」

と主が自信ありげにドヤってきた。

一瞬、勝ち目はないかもと気持ちがブレそうになった。でも、ここは自分のためにも他の人のためにも行動に出るしかないと思った。絶対に負けない。

「そしたら、あなたの部下が悪いことをしたのに
、あなたにも帰らす権利はないですよね?」
「帰ってもいいかどうかは、警察に判断してもらいましょう。もう少しで来るはずなので。」

その後も、主たちは被告Aを帰らすことと自分たちに責任が飛び火しないよう、逃げることに必死になっていた。

グループ被告Aと私には、時間の問題と言わんばかりの焦りがあった。その両者正反対の焦りが、更に場の雰囲気を緊迫しているように思えた。

もう無理かもと思っていた所に、パトカーが到着した。

小走りの警察を見て安堵した私。ほぼほぼ勝算が見えた。被告Aを警察に引き渡した。

その後、これまでの詳細を全て話し、会うに至るまでのLINEのトークも全て見せた。被告Aが頑なにホストではないと言い張っていたこと、真剣に恋愛をする相手を探していると言い張っていたことが証拠となり、パトカーで警察署に連行されることになった。

「一旦、交番で話を聞きましょう。」ではなく、警察署に連行だったので、それなりの罪状だと思う。

あれだけ余裕綽々に出しゃばっていたお店の主も急にオドオドし始めた。自身も被告Aと共にパトカーに同乗することを促したものの、「2人の間に起きたことであって、現時点であなたは部外者です。」と、呆気なく警察に拒否されていた。

渾身の「ざまあみろ」だった。本気でそう思ったのは、いつぶりだろうか。

そして、私は任意の事情聴取をお願いされ、喜んで協力する運びとなった。担当の新宿警察署の女性刑事さんはとても親切で、他の事件も未然に防いだことに感謝してくれた。これからも、このようなことがあれば迷わずに行動して下さいと言ってくれた。

不当に私人逮捕することは良くないけど、刑事さんのお墨付きで、自分の正義感は間違っていないことを改めて知ることができて良かった。

子供の時からそんな性格の私は、色んな場面で敵を作ることも少なくなかった。でも、私の活躍を見てくれる人も必ずいる。

「ありがとう。」って。

その度に、他の人には成し得ない自分の正義感に誇りを持つことができる。

「誰がするの?」
「誰もしなかったら、私がやるしかないじゃん。」

いつも、こんな思いでいる。

この正義感は誰かに植え付けられたものではない。私が自分の人生を冒険していく中で、自分自身で身に付けたサバイバル術。

これからも自分の軸をぶらさずに、もっともっと冒険していきたい。舵を取れるのは自分しかいないから。

P.S.

抑止力のために。

group BJのホストです。group BJのホストはマッチングアプリを利用するホストの中でもかなり悪質で、「代表」と呼ばれる店舗責任者が率先して「恋愛商法」をするように促しています。それをするためのマニュアルまであります。これは、group BJにかつて勤務していた知り合いに聞いたので、確かな情報です。その知り合いは、それをすることに心を痛め退店したと言っていました。

group BJはホストを始める人の登竜門のようなグループで、一見ホストに見えなそうな見た目の人が多いです。それを逆手に取り、会うまではホストということを隠し、別の職業を明示しています。

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